路上と旅のガラブログ

『VOW』をきっかけに街歩きに目覚めたガラブロの散歩・旅記録たまに過去にまつわる思い出のブログ。

横須賀に行ったことがあるかい

2021-10-31 09:44:59 | 日記

横浜で、ランドマークタワーの展望台に登ってみなとみらいの街を眺めたことはある。

 

鎌倉で、江ノ電に乗ったことはあるし、鶴岡八幡宮に続く段葛を歩いたことはある。

 

小田原で、小田原城を見て鈴廣のかまぼこに舌鼓を打ったこともある。

 

しかし、ずっと気になっていたが未訪の地があった。横須賀である。

 

9月に、閉館が近い京急油壺マリンパークに行った。名残を惜しみたくさん写真を撮ってきたのだが、こんな写真展があるのをそのときに知った。

「ありがとう!油壺マリンパーク」という公募の写真展で、せっかくなので応募してみたところ、横須賀のデパートさいか屋と閉館後の油壺マリンパークで展示されることになった。

横須賀に行く理由がついにできた。ちなみに油壺マリンパークがあるのはお隣三浦市である。

 

京急横須賀中央駅に降り立って目にしたのは、粋でワルそうな大人、米軍基地がある影響で国際色豊かな家族連れ、駅前にお立ち台を作り路上ライブをする人などで、絶妙な勾配で始まる駅から市街地への道の入り口に立ち「これだ、これが横須賀だ!」と一人興奮した。「イメージ通りの横須賀だ!」なんて、サイード言うところのオリエンタリズムみたいで悪い気もするけど、初めて行った街での高揚感を凝縮したような気持ちを味わったのだ。

 

いい石造りの建物。

米軍基地の前を通り向かった三笠公園で、夕暮れの東郷元帥とZ旗を見る。

無人島の猿島へと向かうフェリーが出る「MIKASA Terminal」二面にガラスブロック。

どぶ板通り。

アメリカ人にココイチは大人気。一度は諦めかけたくらい並んでいた。店員さんも「いらっしゃいませ」「ごゆっくりどうぞ」のかわりに「Hello!」「Enjoy!」と英語圏の人には話しかけていた。横須賀限定メニューの海軍カレー。

そういえばココイチの近くで、ものすごく焦っているお兄さんに「すみません!JR横須賀駅ってこっちの方向で合ってますか!?」と聞かれた。

「いや~地元の人間じゃないんで、すみません(ん~わからんな~というか京急とJRって大分距離離れてるんじゃないか?)」と答えておいたんだけど、後で調べたらわりと近かったので、お兄さんはきっとJR横須賀駅を見つけて安堵したことだろう。

また必ず行こう。次はJR横須賀駅から。


夏終わり、サンゴバンと秋刀魚の秋来たる

2021-09-05 12:36:47 | 日記

久しぶりの更新です。

8月末に夏の断末魔のような異常に暑い一日が過ぎてから、季節は急に秋になってしまいました。

心身ともについていくのに精いっぱいです。

そんな夏の終わりから秋の始まりの一日について書きたいと思います。

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9月1日 曇り・雨

目当ての本を探しに初めて行く図書館へ。

コロナ禍でお家時間ができて、今まで手をつけてなかった勉強を始めた人も多くいると聞くのですが、思うところあって私も通信教育で校正(文字や文章、体裁の誤りをチェックする仕事)の勉強を始めました。

その課題で引用されていた文章の原典にあたりたいなと思って行った図書館だったのですが、図書館って自治体によって雰囲気やシステムも違っていて面白いですね。

長く住んでいた市の図書館は、一時期毎日行っていたくらいそれはそれは使い倒していたのですが、あまりに体が馴染みすぎて他の自治体の図書館が何だかしっくりこないデメリットも生じていました。

それでも今回行った図書館でそれぞれの個性のようなものを感じて、過去にとらわれていてもしょうがないしいろんな図書館を上手く使っていけたらなと前向きに考えられるようになりそうです。全国各地の図書館を巡って記録するなんてのも面白そうですね。

目当ての「ジョルジュ・バタイユ著作集」を無事見つけた後、恒例の建築棚に向かいます(ガラスブロックに関係する本を探すため)。

ここは建築棚が充実しているぞ。そして隣の土木棚には日本給水党党首UCさんの『団地の給水塔大図鑑』もある!

建築棚を見ていくと、フランスのガラスメーカー・サンゴバン社の本が。以前twitterでカタログを見つけてから気になっていたメーカーなのですが、ガラスブロックだけでなく幅広く建築資材を手掛けていて、350年以上の歴史があるすごい会社なんですね。ヨーロッパにおけるガラスブロックの歴史の記述もあって、思いがけないガラスブロック方面での収穫に興奮しました。『サンゴバン ガラス・テクノロジーが支えた建築のイノベーション』という本です。遠からず手に入れると思います。

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夕飯は何にしようかと霧雨の降る街をさまよって、結局O戸屋へ。

O戸屋はいつもジャズが流れているイメージがあるけど、ステージでジャズの生演奏を聴きながらチキンか○さん煮定食を食べられる店舗がひとつはあってもいいと思う。

「皆さま、楽しんでおられますでしょうか。箸は進んでいますか。次の曲は『There will never be another you』です。おかず、お酒のおかわりも是非どうぞ。」

魚がどうしても食べたい頭になっていたので、鯖の炭火焼を頼んだのですが、人生で一番焼き魚をきれいに食べられたかもしれない記念日になりました。

隣の人は、秋刀魚を頼んで、まだメニューに出ていないことを告げられると「さんま…そうですか…さんまないんですか…」と本当に残念そうにしていていたたまれなくなりました。

秋、さんま食べたくなるよね。わかるよ、さんま。レモンも絞ってさ。


マニアフェスタvol.5に出展します

2021-03-26 22:55:32 | 日記

久しぶりのブログ更新です。

3月27・28日の2日間で、マニアの集まる祭典「マニアフェスタvol.5」が開催されます。今まで会場は東京だったのですが、今回は初の大阪開催となります。が、今回私はオンラインでの参加となります。皆さんよろしくね。予定しているコンテンツを紹介します。

昨年12月にこんなツイートをしました。

ルービックキューブを販売しているメガハウスさんの「ルービックマイデザイン」というサービスを使ってオリジナルを作りました。思ったよりはるかに多くの反応をいただきましてびっくりしたんですが、これいいんじゃないかなと思ったアイデアを面白がってもらえたことがとても嬉しいです。

明日明後日は、このルービックキューブを崩して完成させる模様を配信しながら、街歩きやガラスブロックのことを話そうと思います。と言っても私は今までルービックキューブを揃えられたことがありません。マニアフェスタの2日間で果たしてガラスブロックが形になるのか、自分でもわかりませんが、24時間テレビのマラソンランナーの気分で挑戦します。

ガラスブロックマニアックはサライの鳴り響く日本武道館に辿り着けるのか、乞うご期待!LUCUAosaka9階LUCUAホールのリアル会場、マニアフェスタオンライン会場MANIAFESTA vol.5には他にもたくさんの素敵なマニアの方がいらっしゃるので、是非2日間お楽しみくださいね。

 


M meets M「村野藤吾・槇文彦展」

2021-01-03 17:27:00 | 日記

さて、今回は年末に行った展示について書いていこうと思います。

建築家の村野藤吾、槇文彦の2人(敬称略)の足跡を、横浜の赤レンガ倉庫・みなとみらいからもほど近い馬車道駅よりすぐのBankART KAIKO・Temporaryそれぞれの会場で特集した展示です。2020年、村野設計の横浜市庁舎が60年にわたる役目を終え、槇の手がけた新庁舎へと庁舎機能が移ったタイミングで行われたものです。

展示会場は初めて訪れたのですが、KAIKOは旧帝蚕倉庫、Temporaryは旧第一銀行として使われていた建物をリノベーションしたものだそうです。確かに写真のTemporaryは重厚な感じ。

この展示に足を運んだ理由の一つは、私が心の書としている「光と影のかたちーガラスブロック写真集」にまえがきを寄せている槇文彦の建築について知りたいと思ったこと、以前行った日本橋高島屋の展示で、村野藤吾が高島屋の増築を手掛けた際にガラスブロックを用いていたことを知り興味を持ったからでした。

あとは、横浜の街が単純に好きなんです。私はプロ野球の横浜DeNAベイスターズが好きで、横浜スタジアムにもよく行っていました。過去形なのは、昨年コロナ禍でシーズンが短くなってしまい、自分の中で球場に行こうという気持ちがあまり盛り上がらなかったからで、2020年のうちに横浜の街を歩いておきたいなと思っていました。

観戦に行く前に街を歩いて、勝っても負けてもどこかで食事をして帰って。横浜に住んでいるわけではない私にとって、港があり近代建築が多く残っていて異国情緒のある街並が非日常で好きです。

槇文彦は初期の代官山ヒルサイドテラスを皮切りに、大阪千里中央地区センタービル、東京体育館、幕張メッセなどを設計した建築家で、日本だけに留まらずニューヨークのフォーワールドトレードセンターの設計も手がけるなど世界的にも活躍しています。

会場には模型の展示も(撮影可)。

年代ごとの流れを追っていくと、槇がガラスブロックを多用しているのは70年代終わりから80年代にかけての時期で、それ以降は様々な素材を生かし、「光と影」にこだわる様子が伺えました。フォーワールドトレードセンターはビル全体がガラス張りでニューヨークの風景がそのまま映し出される工夫が特徴ですが、「光と影」からその先の可能性を探っているのだと感じました。

ガラスブロックを用いた槇の建築はまだ残っているものが多いのでこれから巡っていこうと思います。

村野展では、旧横浜市庁舎を会場の多くのスペースを割き特集していました。また、他の庁舎建築のコーナーでは、旧都庁舎の設計を丹下健三と争った際の計画案が紹介されていて、そこにガラスブロックが用いられていたことに目をひかれました。これも村野建築だったのか!と驚いたのは、新高輪プリンスホテル。「あさま」というホテルバーがあり、以前たまたま行ったときに奥行きと豪華な意匠に圧倒されたことを思い出しました。

私は建築に関しては疎く、どちらかというと街歩きや路上観察をする中でガラスブロックに魅力を感じているため、建築に詳しい人やデザインのできる人にはどこか引け目や申し訳なさを感じてしまうことがあります。ただ、今年は建築についての知識にも触れて、ガラスブロック観察の幅を広げていけたらいいのかなと思っています。

最後になりましたが、今年もよろしくお願いします(投稿数も訪問数も少ない幣ブログ…砂浜から小瓶を流しながら)。


ガラスブロックの観察台湾編

2020-12-13 14:16:03 | 日記

前回は「ガラスブロックの観察」の紹介でしたが、今回はもう一冊の「ガラスブロックの観察台湾編」について書こうと思います。

こちらがその冊子です。ガラスブロックの観察国内編と比べ一回り小さい文庫サイズとなっています。2018年10月に台湾・台北に旅行に行った際撮ったガラスブロックをまとめました。

台湾に行ったのはこのときが初めてで、桃園空港のロビーから外へ出たとき、日本の10月では考えられないようなもわっとした暖かい湿気を感じたのを今でも覚えています。海外へ行って空港から出たときの高揚感って、他ではなかなか味わえない感覚ですよね。

台北の街並みは日本とどこか共通点があるようで、それでいて異国情緒もある独特の雰囲気がありますし、日本にもありそうな建物のそばに南国の植物が元気に生えている様子などにも心を魅かれてしまいました。

台湾独特と思われるガラスブロックの話は冊子の中でも触れているので、超高層ビル台北101の近くで見つけたガラスブロックとの出会いの裏話を書いていこうと思います。

台北101(その日は近くを通っただけでしたが)から、眷村と呼ばれる古い街並みの観光スポット四四南村へ向かう途中でガラスブロックが使われた建物を見つけました。

そこは小学校で、門の外から最初は眺めていましたが、横には守衛さんのいる小さな受付があったので、同行者が思い切って声をかけてくれました。このときの旅行では思うところあって以前ブログでも紹介した「ガラスブロックの観察」のプロトタイプの冊子を持参していて、怪しくないようにそれを名刺代わりに守衛さんに話しかけてみても、私たちの片言の英語がまったく伝わりません。困っていると、少年野球のコーチ風のおじさんがたまたま通りかかって、私たちに「何か用?」とか「どうしたの?」などと話しかけてくれました(きっと観光客まる出しでわかったんでしょうね…)。そして冊子を手に取り「ガ・ラ・ス、ブロック…」と確かに言ったのです!カタカナも読めている!とわかって建物を指差し、近くで見たいこと、怪しくはないこと?をアピールすると、察したように守衛さんに近付き説明をしてくれます。少し話して、おじさんから「いいよ」のサインが!

中に入るとそこには想像以上にたくさんのガラスブロックがありました。色合いとモチーフが素敵な絵の横(念のため写真撮影の許可も取りました)。

コンコースにも。ところどころカラフル。日曜日の小学校ではグラウンドに子供たちがまばらにいるくらいでしたが、毎日こんな素敵な学校に通えるのは少し羨ましいです。

校内いたるところに。

 

この日にこの道を通っていなかったら、そして助け舟を出してくれたおじさんがたまたま通りかからなかったら出会えなかった景色でした。この学校で撮影したなかで一番グッとくる一枚は、冒頭の冊子のあとがきとして掲載しています。気になった方はECサイトマルシェルで購入できるので、是非手に取ってみてくださいね。

https://marchel.goo.ne.jp/glass_block/product/TxmFgD6URdovE07CupGL

最後に、台湾を再び訪れることができるのはまだ先になりそうですが、またいつか必ず街を歩きに行きたいと思っています。