路上と旅のガラブログ

『VOW』をきっかけに街歩きに目覚めたガラブロの散歩・旅記録たまに過去にまつわる思い出のブログ。

冊子「ガラスブロックの観察」

2020-10-28 00:39:13 | 日記

しばらく間が空いてしまいましたが、今回は私が作った冊子について解説したいと思います。

ガラスブロックの観察という冊子です。

https://marchel.goo.ne.jp/glass_block/product/CmHiOl1LNBukAJZzxfQ9

インスタグラムを始めたのが2017年10月で、それから1年間で見つけたガラスブロックを収録した一冊です。ガラスブロックが見つかる代表的な場所、シーンごとに写真とキャプション付きで解説をしています。

もともとは試しに作った冊子でしたが、今年2月のマニアフェスタvol.4に出展するにあたり若干の修正とあとがきを付け加えて販売することにしました。

作った当時は、バンドで言えばデモ音源と言いますか、名刺代わりの簡単な一冊の気持ちだったのですが、今見返しても(多少若書きの感はありつつ)シーンごとにガラスブロックを紹介するという試みはひとつの視点の街歩きガイドとしてなかなか面白いものになったと感じています。ただ、万一在庫がなくなった際の再販はせず、異なった視点の観察その2を作るつもりです。

冒頭にリンクを貼ったECサイトマルシェルから購入できますので、気になった方は是非手に取ってみてください。


マニアフェスタオンラインを振り返って~Video tape superstar

2020-10-04 21:58:43 | 日記

少し遅くなりましたが、9月26・27日は、様々なマニアの集まる祭典、マニアフェスタオンラインにガラスブロックのマニアとして参加していました。会場の中村市鈴木鐵工所FACTORYにお越し下さった皆さま、ありがとうございました。

前置きなしでこう書くとなんのこっちゃと思われるかもしれないですね。今回のマニアフェスタは社会の情勢を踏まえ、オンライン開催となったのですが、その会場として設定されたのが、架空の都市の地図を作っている地理人さんの手による中村市(なごむるし)という場所なのです。架空と言ってもこれがとんでもなく緻密に作りこまれていて、駅や商業施設、団地まで細かい設定がなされています。いくつかある会場エリアの中で、ガラスブロックのありそうなイメージで私は以前町工場だった建物をリノベーションした「鈴木鐵工所FACTORY」を選びました。

今年2月にはアーツ千代田3331という会場で初めてマニアフェスタに出展し、対面で話しながら冊子の販売をしたのですが、オンラインではそうはいかず、企画をいろいろ考えることになりました。当ブースの内容は以下の通りです。

2日間で計4回のyoutube配信

ガラスブロックのあるスポットの紹介動画をアップ

当ブログやインスタ、twitterとの連動

gooのECサイト「マルシェル」を使った冊子の販売

SNSにはあまり書かない(かっこつけてしまいがちなので。ブログではそれやめたい)反省点も含めて、振り返りをしていきます。

・配信はめちゃめちゃ難しい

youtube liveという機能どころか配信をやったことが人生でなかったので、大きな挑戦でした。最終的に合計170分ほど一人で喋り倒すことになったんですが、初回は10分くらいで心が折れかけたので出演者を招いたコラボ配信があってもよかったと思いました。2回目はブースで配信が聴けているかどうかタブ2つで確認しながら始めたんですが、そのやり方だとキーンというハウリングが入るようで、ノイズバンドのライブのようになってしまったので途中で配信を止めるハプニングもありました。また全3回ともブログ記事を参照しながら聴いていただくスタイルにしたのですが、わかりづらい点が恐らくあったと思うので、他の出展者の方のようにスライドショーの導入も検討しないとな、と感じました。

あと、最後のおまけ配信がかなり巻きで早く終わったのは、2日目の途中くらいで頭痛がし始めて、3回の配信を終えた頃には横にならないと耐えられないくらいきつかったからです。その後体調は何も問題なかったので、きっと知恵熱でしょう。

・動画

動画の作成も難しい!windows live ムービーメーカーで作ったのですが、ある程度視聴に耐えうる映像を作るためには、画質・編集技術ともに必要なんだと感じました。youtuberはすごいよ!

・SNS連携

配信中はtwitterに画像をアップしながら話をしたのですが、下書き機能を活用すればよかったと反省。ちなみに一番反響があったのはこちらの写真でした。

レトロかつカラフルで、中華料理屋の店先という要素の多さだったのかなと思っています。

・商品販売

対面での販売と違って、手に取ることができないので、配信やSNSでの発信で商品のことをより伝えないといけないと思いました。どんなものかわからないとなかなか手が伸びないですよね。私だってそうです。冊子は在庫まだありますので、気になった方は是非買って下さい。

振り返り(主に反省)を書き連ねてきましたが、今回のマニアフェスタオンラインをきっかけに活動を知って下さった方もいらっしゃるので、出展してよかったと思っています。目標ややりたいことも新たにできました。楽しい告知がこれからできたらなと思っています。こんな感じで、少し寝かせたマニアフェスタオンラインの振り返りでした。


書を捨てよ、オンラインで街へ出よう

2020-09-27 15:41:15 | 日記

今回の記事は、9月26・27日に行われるマニアの祭典、マニアフェスタオンラインでの配信用に書きました。

26日には2回の配信で、ガラスブロックとは何ぞや?とガラスブロックの歴史についてお話しました。27日16時からは「書を捨てよ、オンラインで街へ出よう」と銘打って実際に街ではこんな場所でガラスブロックが見つかるよ、という内容の配信をします。

配信をお聴きになるときは、是非このブログを見ながら、ラジオリスナーの気分でお楽しみください。

ある日曜日の朝、ごはんを買いにコンビニへ。途中にあったマンションに本日初のガラスブロック。

休みの日の朝は、ガラスブロックもいつもよりきれいに見える。

近所の床屋さんにも。朝の散歩を終え家に帰ろう。

今日は夜から予定があるから、支度をして出かける。お昼ご飯は贅沢にうなぎかな。

と思ったけど今日はたくさんお金を使うから近所の定食屋へ。もう2時過ぎ。休みの日はなんでこんなに時間が早く過ぎるのだ!

公園を突っ切って駅へ向かう道をショートカット。

古い銭湯の前を通る。気になったものは、近寄ってみるともっとよくわかる。

郵便局の角を曲がる。

少し曇ってきた。寄り道してたので、止まっていられない!

駅に向かう道を走るとそこに(撮らずに急げ)。

エスカレーターの横にガラスブロックは珍しい。今日はいい日になるでしょう。

なんとか目的地の駅へ。凝ったデザインの駅トイレ。あと、「右側が多機能トイレです」は「右側が滝のおトイレです」に聞こえない?

近道でホテル街を突っ切る。夜になる前のホテル街は、まだ寝ぼけているみたい。

もう日が暮れてきた。交番にも!

気になる居酒屋を見つけたけど、今日は素通り。「酒場放浪記」に出てきそうな雰囲気。

と思ったら、友人が遅刻、こんなに急いだのに!カフェで休憩。

友人と合流。今日の目的はライブなのだ。急いだから、まだオープンすぐで人もまばら。

昼と夜ではガラスブロックの表情も違って見える。

ガラスブロック神社と呼んでもいいですか?

隠れていても見つけだすから。

夜食を買って帰るスーパー。ネオンとスプレーサインで未来都市にいる気持ちになった。今日はこれで、おやすみなさい。


ガラスブロック歴史学

2020-09-26 14:54:49 | 日記

今回は、ガラスブロックの歴史と、現在さまざまな建物に一般的に使われているガラスブロックの始まりについて書いていこうと思います。

とは言っても、私は建築を専門に学んだり職業にしているのではなく、あくまで街を歩くことが好きでそのなかでガラスブロックの魅力を知り追いかけている門外漢なので、過去の文献を参考にして紹介していくつもりです。

ガラスブロックについて多くのページが割かれている本は少なく、せいぜい建築部材の一つとして特徴が述べられていることがほとんどなのですが、この本は私が知りうる中でもっとも初期のガラスブロックが収録されている一冊です。

「建築光幻学 透光不透視の世界」という本で、建築評論家長谷川堯・建築家黒川哲郎の両氏による共著です。40年以上前の本で、お二人とも既に鬼籍に入られているのですが、光をキーワードに建築を解説した名著だと思っています。ちなみに長谷川氏は、シンゴジラにも出演されている長谷川博巳さんのお父様だそうです。

そもそもガラスが建築部材として使われるようになったのは、記念すべき第一回万国博覧会のロンドン万博の会場として建てられた水晶宮という建物がはじまりです。ガラスを大胆に使用したこの建物を皮切りに、その光を採り入れる特徴が生かされていくこととなります。

ガラスブロックの原型がいつどこで作られたかは定かになっていませんが、実際に使われた最初の建物は1898年、フランスの建築家エクトール・ギマールの手によるカステル・ベランジェと呼ばれるアパートです。階段室には四角ではなく何と横長の中心が円のような、まるでUFOか横長になった甘食パンを思わせるガラスブロックが使われています。

そこから5年後、オーギュスト・ペレによってパリのフランクリン街に建てられたアパートにも六角形のガラスブロックが用いられます。ガラスブロックの原型は、現在のような四角ではなかったことがわかりますね。

観光地としても有名なのが、ウィーン郵便貯金局(1906年・オットー・ワーグナー)です。ロビーの床にガラスブロックが敷き詰められている様を一度見に行きたいと思っているのですが、今はなかなか海外に行ける目処が立たないのがもどかしいです。

その後もヨーロッパではガラスブロックを用いた建築が作られていきます。

1914年 ガラス・パビリオン(ブルーノタウト設計、ケルン・ドイツ)

1928~1931年 ガラスの家(ピエールシャロー・B.ビジボー設計、パリ・フランス)

1929年 救世軍会館(ル・コルビュジェ設計、パリ・フランス)

1932年 カサ・デ・ポポロ(ジュゼッペ・テラーニ設計、イタリア)

ここまで20世紀前半のヨーロッパの建築を紹介してきましたが、日本でガラスブロックがいつどのように使われるようになったかは文献がまだ見つかっていないためはっきりとはわかりません。「建築光幻学」には、日本の建築も紹介されていますが、もっとも古いものは、1936年の堀口捨己による「銀座の小住宅」です。伝統的な日本家屋を基調としつつ、天窓と2階床面にガラスブロックが用いられています。

日本のガラスブロックの起源を知るためには、当時生産していたメーカー、施工していた業者を調べるか、古い建物でガラスブロックが用いられているものを探し話を聞くことが必要だと思っていて、その成果は、いずれ発表ができたらと考えています。


ガラスブロック概論

2020-09-26 00:49:28 | 日記

さて、このブログは「ガラスブロックにくびったけ」と銘打っていますので、今回はガラスブロックとは何ぞや?を書いていこうと思います。

ガラスブロックはこちらです。

誰もが一度は目にしたことがあるのではないかと思います。

構造としては、箱形のガラスを2つ作って合わせ、高温で溶着しブロックにしたものです。それを積み上げて壁材として用いられます。

ガラスブロックを建築部材として用いるメリットは2つあります。

①断熱・遮音効果が高い

ガラスブロックの内部は空洞になっており、0.3気圧程度と真空に近いため、断熱・遮音効果のある室内環境を作ることができます。寒暖差のある日本の気候にもぴったりですね。

②採光性がよい。

ガラスブロックはその名の通りガラスなので、室内に光を採り入れることができます。階段の踊り場に用いられていることがよくあるのですが、この場合は採光性を期待してのものでしょうね。ちなみに私も出展したマニアフェスタの会場になっているアーツ千代田3331(旧千代田区立練成中学校)の階段にもガラスブロックがあります。

また、タイプにもよるのですが完全な透明ガラスではないものが多いため、室内を見通すことができないので、光は採り入れつつ視線を遮りプライバシー確保ができます。公衆トイレにあるガラスブロックは、複雑なパターンのものを用いることで中の様子がほぼ見えないようにしている場合が多いですね。それもそのはず、通常のガラスですけすけでは、落ち着いてお花も摘めないですからね。

さて、東洋には陰と陽の考え方があるように、物事にはメリットがあればデメリットもあります。

①崩壊しないよう固定が必要

ガラスブロックはレンガと同じように、壁材に用いる場合は崩壊しないよう固定が必要です。ガラスブロック同士を繋ぐ格子のように見える部分はモルタル(コンクリートの親戚みたいなもの)で、ブロックを積むだけでは完成しません。このあたりは職人さんの仕事なのですが、昨今ガラスブロックの施工数が少なくなっているため職人さんの数も減り高齢化が進んでいると2月のマニアフェスタの来場者さまが教えてくださいました。

②費用がかかる

ガラスブロックを使用した壁の施工は、お金がかかるそうです。贅沢に壁一面をガラスブロック仕上げにした建物は多くが商業施設や企業のもので、一般家屋は玄関横や壁のアクセントとして一つないしは二つ程度の用途がほとんどです(それも魅力的なんですけどね)。

メリットも魅力もあるガラスブロックですが、前述したように最近は施工数も減り、古い建物にあるガラスブロックもいつかはなくなっていきます。今あるガラスブロックを記録し魅力を発信していくことで、ガラスブロックのある風景を残すお手伝いを微力ながらできたらいいと今は思っています。