三陸鉄道 駅員が今日卒業を迎える高校生に伝えたかった想い「みんな愛おしい」
テレビ小説「あまちゃん」の舞台でもあり、東日本大震災で被災した地域でもある、久慈駅に置かれた一つのメッセージボードが多くの感動を呼んでいます。


「ありがとう」と「おめでとう」
久慈駅に置かれたメッセージボードには、今年高校を卒業し新たな世界へと羽ばたく、卒業生に向けてこのようなメッセージが書かれています。
高校卒業おめでとう~津波・5年・旅立ち~
海が盛り上がって、車が流されて、そんな映像なんか見たくない。
小学生のころ、家族で見た夏の碧い海がいい。
みんな前を向いて生きろと言っても、マイナスからの出発環境なんて辛すぎる。
そんなことを言っている君たちの心の真ん中が心配です。
どうかその分“いいこと”がたくさんおとずれますように・・・。
世間の波に呑みこまれないように、、どうか皆様助けてあげてください。
あまちゃん北三陸駅で通学したことが、これから先、何かの機会に人生の糧となることを願っています。
ほんとにみんなみんな愛おしい。
そして“さんてつ”を利用してくれてありがとう。
心から御礼申し上げます。
高校卒業おめでとう!みんなに幸あれ!
三陸鉄道 久慈駅
三陸鉄道ブログ [鉄ログ] ーより引用
久慈駅のみなさんが、高校生たちをどんな気持ちで見守ってきたか、温かく愛おしい気持ちの伝わるメッセージ。
実際にどういった気持ちで書かれたのか、メッセージを書かれた久慈駅の副駅長・駒木さんに、その思いをうかがいました。
―― どういった気持ちを込めてメッセージを書かれたのですか?
2011年に起きた震災によって、長年住んだ家を流されたり、大切な家族を流されてしまったりと言葉には尽くせないほど、悲しいことが数多くありました。
そんな心にも経済的にも余裕のない中、三陸鉄道を使ってくれたみなさんに、少しでも「ありがとう」という気持ちを伝えたい。そして新しい世界へと羽ばたく卒業生たちに「おめでとう」という気持ちを伝えたくて書かせていただきました。
―― メッセージは毎年出されているのですか?
今年で4回目になります。
震災当時に一年生だった子供たちが、卒業する2013年に卒業生に向け、メッセージを書いたのが始まりです。
以来、2013年から様々な想いを込めてメッセージボードを書き続けています。
ちなみに、メッセージボードは、3月1日に卒業式を迎える地域の高校生たちへ向け、2月19日から震災のあった3月11日まで設置するとのことです。
メッセージボードを読んだ方からは、「涙が出そう」「心が温まった」というコメントが数多く寄せられていました。
5年という月日が流れても、震災で受けた心の傷が完全になくなることはありません。
ただ、こういった地域の方々の温かな応援は、心の支えになり、新しい世界に羽ばたく力になりそうですね。
今年、卒業を迎えるみなさん、心からおめでとう!沢山の「いいこと」が訪れますように!
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