米オレゴン州に漂着した船の破片、津波で5年前流された日本船か
[ポートランド(米オレゴン州) 22日 ロイター] - 米オレゴン州の海岸に22日打ち上げられた長さ5メートルの船の破片は、2011年の東日本大震災で津波に流された船の一部ではないか、と州当局が調べている。
地元の生物学者によると、藻やカキなどの海洋生物にも手がかりがあるという。
2012年には津波に引きちぎられた長さ20メートルの桟橋が、15カ月後に同州ニューポート北方の海岸に漂着。1年前には、日本近海原産の魚が住み着いた状態の船の残骸が打ち上げられた。
同州公園レクリエーション局のクリス・ハベル広報官は、今も残骸がはるばるオレゴン州までたどり着くことがあると話す。「海中を漂っていても、そこは多くの生き物にとって快適な住みかとなる」と言い、「日本から次々とがれきが漂着しても、驚くことではない」とした。
同州は米当局と日本の当局に船の識別番号を知らせており、2、3日中に返事が聞けるはずだという。
正式な確認ができなければ、内部に住みついた生き物を調べることで、漂流物の起点が8000キロメートル離れた場所かどうかがわかる、とオレゴン州立大学の生物学者、ジョン・チャップマン氏は話す。
藻やカキのほか、フジツボやオキナガレガニなども生物学的な判定に役立つという。
船の破片は、同州ポートランド南方のクーズ湾に22日朝、打ち上げられた。米沿岸警備隊のヘリコプターが今月すでに太平洋上で発見し、追跡用のブイを取り付けていた。