20年ほど前、『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞し、
一躍売れっ子作家になった東野圭吾 。
息もつかせぬ展開、張り巡らせれた伏線、
驚きの真相、涙がとまらないラスト・・・
テレビ放映も予想通りの話題をふりまき、
相乗的に評価は上がっています。
たしかに面白いけど、長編を読む時間が無い。
考えてみれば、
長編小説なんて1年に1冊読めるかどうか。
読めるとしたら、
風邪で仕事をやすんだときくらいかもね。
でも、忙しくても、短編とかショートショートなら読めると思います。
思い返せば、中学生の頃に読み始めた小説は、
星新一や筒井康隆、小松左京のショートショートでした。
特に「ショートショートの神様」と呼ばれ、
生涯で1001編以上の作品を残した星新一のショートショートは、ほとんど読んだと思う。
『ボッコちゃん』、『悪魔のいる天国』、『おせっかいな神々』、『ノックの音が』など、
今でも、新潮社や講談社の文庫本で購入可能です。
ショートショートは短編小説よりも短い小説のこと。
長さに規定はないが、およそ原稿用紙5-10枚くらいの作品を指しています。
中には、原稿用紙に半分くらいのも。
筒井康隆の『到着』は、今でも鮮明に記憶に残っています。
すんごい短いので全文のっけちゃいます
とつぜん地球が、なんの前ぶれもなく「ぺチャッ」という音をたてて潰れた。
太陽も「ぺチャッ」という音をたてて潰れた。
月も土星も、他の恒星群の星々も、「ぺチャッ」という音をたてて潰れた。
宇宙のあらゆる星が、いっせいに「ぺチャッ」という音をたてて潰れた。
今まで、一団となって落ちていたのだ。 (筒井康隆『到着』より)
この超短いのは特別で、掌編小説の部類に入るかもしれません。
でも、ショートショートの良さは、短編より短いところ。
休憩時間にもいい。、通勤・通学の電車の中でも1話読める。
トイレの中でも、年末の忙しいときでも読めます。
星新一は、10年ほど前に亡くなっています。
1001篇の彼の作品は、大衆に広く受け入れられるに従って
文学的評価のほうがともなわなくなってきましたが、
キャッチコピーでもある「大人のための童話」は、
今でもボクの中に生きています。
P.S. 面白いものを見つけました。
これも、かなり前の作品です。
大量消費社会がまねいた環境破壊を予言していたようです。
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