野いちご、ナツメ、フナメ、ムカゴ、ヤマブドウ、山栗、
子どものころ。
いったん山に入って遊びだすと、山の果実の食べ放題でした。
そんななかで、秋になるとたくさんとれるのが「あけび」
あけびは甘いのですが小さな黒い種が多く、結構食べにくいです。
割れた紫色の果実の中の白い部分を口いっぱいにほおばって、
よく味わったら、種だけを口から一気に、
スイカの種を飛ばすように吐き出します。
特に甘くておいしいのが、
この白い部分が熟して『半透明』のようになったもの。
子どものころは半透明になったものをアタリと言っていました。
アタリを採れたら、『だだ白いだけの実』×3本と
交換することができました。
紫色の皮は捨てていたのですが、最近では、
旅館や料亭で皮を料理として利用しているそうです。
あけびの皮に詰め物をして、蒸したり揚げ物にしたり、
皮を細かく切って炒めたり、ゆでたりしています。
田舎では「どこの山にもあるもの」ですが
都会では「お金を払って食べるもの」。
「グルメブーム」であけびが都会に紹介され、
付加価値(珍しさなど)も加わって、
山形県ではあけびを栽培する農家が増えてきたとか。
都市圏では秋の山里の風情を演出してくれる果物として、
店頭に彩りを添えてくれます。