奥武蔵の風

85 あいあい橋と巾着田

 高麗(こま)川の蛇行を利用して古代人が築いた巾着田(きんちゃくだ)。

 外周の「曼珠沙華公園」は、日本最大級のマンジュシャゲ(彼岸花)の群生地として知られていますが、猛暑が続いた今年は、開花が遅れ気味でした。

 しかし、お彼岸に入ると、さすがに巾着田のマンジュシャゲも、さあ出番だ、とばかりに、妖艶(ようえん)な赤いつぼみを開き始めました。500万本の花が咲き乱れる圧巻の見頃は、お彼岸の中日(9月23日)から月末にかけてと予想されています。

 現地では「曼珠沙華まつり」が、すでに9月16日から始まっており、秩父・長瀞観光とセットのツアーバスなどが駐車場に乗り入れていますが、いよいよこれからは、花だけでなく人出も「密状態」になりそうです。

 巾着田の自然については前々回(第83回)にも触れましたが、今回は、曼珠沙華公園の東端で高麗川に架かる日本最長級(全長 91.2メートル)の木造トラス橋である「あいあい橋」を、写真に収めてみました。

 あいあい橋は、カテゴリーとしては「木製橋」とのことですが、正確には「鋼製ボールジョイントと熊本県小国産のスギを利用した立体トラスを主構造とする上路式トラス橋」なのだそうです(「木橋資料館」by わたなべ@福岡大学)。

 歩行者専用の橋で、大変美しく、竣工した1996年に「彩の国さいたま景観賞」に選定されています。

 

(写真上)© あいあい橋。ブラウンの部材は、写真では鉄骨のように見えますが、熊本県小国産の杉材です。

(写真上)© 「曼珠沙華公園」内の早咲き地点のマンジュシャゲは、まばらですが、開花しました。

(写真上)© 同上

(写真上)© 大木も、少しずつマンジュシャゲに囲まれつつあります。

(写真上)© まだ密ではありませんが、とにかく咲いてくれました。

(写真上)© マンジュシャゲの向こうには、高麗川の川原が白く見えます。

(写真上)© あいあい橋へのアプローチ(左の柵内)。右は公園内の有料区域(9月22日~開花期間中)。あいあい橋は、無料で自由に通行できます。

(写真上)© あいあい橋へのアプローチ。長い上り坂です。

(写真上)© アプローチの土手にも、マンジュシャゲが。

(写真上)© あいあい橋。全長 91.2メートル。西からの眺め。

(写真上)© 橋の中央部は歩行面が高く盛り上がり、幅も広がっています。

(写真上)© 東端近くは、幅がまた狭くなります。正面は、日高市立「高麗郷民俗資料館」。入館無料です。

(写真上)© 東側から見たあいあい橋。

(写真上)© あいあい橋を下から。木材の組み合わせが描く曲線が美しく、専門家は「見飽きることがない」と評価。

(写真上)© 同上

(写真上)© 真下から。

(写真上)© あいあい橋の上から見た高麗川。右側が巾着田。林の中がマンジュシャゲの群生地。

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