奥武蔵の風

49 美しきかな、花も人の心も

 春爛漫(はるらんまん)の年度末。

 私はといえば、体調もだいぶ回復し、重くのしかかっていた難題も、一つ一つ片付くようになりました。

 今日は、妻の運転で、大学病院へ経過観察と向こう3週間分の薬をもらいに通院したのですが、敷地内で、いい光景を見ました。

 病院の敷地内には、ところどころに桜が咲いていて、花びらが散り始めていたのですが、地面の何ヵ所かに、散った花びらでハートが描かれているのです。よく見ると、椿の木の下にも、散った赤い花びらでハートが描かれているではありませんか。

 何という遊び心! 粋(いき)な人がいるなあ、と感心しましたが、きっと清掃担当の方が、訪れる私たち患者を慰め励ますために、ご自身の計らいで、こんな素敵な芸術作品を作ってくださったのでしょうね。掃除のルールやマニュアルに、こんなことが定められているはずがないのですから。

 「ほっこりするわね」と妻。全く同感です。散った花びらだって、嬉しいに違いありません。エッセンシャルワーカーの方の隠れた優しさに、心が温かくなりました。

 帰りに、花祭り開催中の霊巌寺(れいがんじ)へお詣りに寄りました。気づくと、本堂の脇に「花見堂の脇の粗品おもちください」と大きな看板が立っています。

 お釈迦様の誕生像に甘茶をかけた後、ありがたく箱のふたを開けて、アマチャヅル茶入りの黒飴と絵葉書を頂戴してきました。

 そういえば、病院にいる時、娘の一人からラインが来て、保育園を卒園する孫が、先生と友だち全員に手紙を渡すんだと言って、昨夜、一生懸命、十数通の手紙を書いていたとのこと。別れの寂しさの中にも、感謝の気持ちを忘れないわが孫の優しさに、ちょっぴり心打たれました。

 そんなわけで、今日は、花と人の心の美しさに(仏様の心にも)触れた、いい一日でした。

 明日からの来年度も、いい一年でありますように。

 

(霊巌寺については、いずれ、改めて紹介させていただく予定です。)

 

(写真上)© 桜の花びらで描かれたハート。

(写真上)© ちょっと遠景。

(写真上)© 椿の木の下にも、椿の花びらのハートが。

(写真上)© こんなところにも、桜のハートが3つ。無機質な空き地にも、ほっこり感。

(写真上)© 霊巌寺本堂(花見堂)脇のありがたい看板。お詣りしただけでも心が満たされるのに、さらに加わる心の満足感。合掌

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