奥武蔵の一角、毛呂山(もろやま)町には、県を代表する医科大学のキャンパスとその付属病院があります。
はからずも、2月の過半の日々を、この大学病院の病棟で過ごす結果となりました。
以下は、入院中に詠んだ駄句です(川柳&自由律)。
① 個室空け 入(い)れぬは コロナ対策か
② 手術前夜 下剤2リットル 飲む試練
③ 映画より 機械だらけの 手術室
④ 手術台 すべてを医師に託し 寝る
⑤ もうろうと 目覚めし視界に 妻の顔
⑥ 術後から 左手マヒの 三日間
⑦ 点滴・導尿・心電図 タコ足配線のごとき我(われ)
⑧ 神経マヒ・意識喪失・嘔吐(おうと) 次々起こる想定外
⑨ 点滴は 敵にはあらず 命綱(いのちづな)
⑩ 丸十日(まるとうか)飲まず食わずで 生きている
⑪ 下の世話 されて介護を 実体験
⑫ 流動食に紙オムツ 孫より一気に 若返る
⑬ 積もる雪 二重窓の病室から 眺(なが)む
⑭ 病棟も トイレまで温室とはいかず
⑮ 病床に 陽が差すときは 風恋し
⑯ 同室の 認知老人は 一人明るし
⑰ 伏せる身の 希望の朝は ラジオ体操の歌
⑱ 懐かしき 昼の憩いの 通信文
⑲ 前向きに 病は 気から治すんだ
⑳ 黙々と 励む人見て 手本とす
㉑ 女性パワーなしに 病棟は回らず
㉒ せき・くしゃみ コロナ不安の消えぬ 相部屋
㉓ 便が出ぬ 出口付近で 渋滞中
㉔ 孫たちの 応援動画 見て和(なご)む
㉕ 気力あれど 筋肉落ちて 瘦(や)せ細る
㉖ 食は力 よく噛(か)み 感謝して味わう
㉗ 頑張れた 妻の支えが あればこそ
(すべてに感謝)
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