奥武蔵の風

101 秩父夜祭と神社の教え

 「秩父夜祭 一夜の都。 山車(だし)と囃子(はやし)と冬花火。」(月野一匠)

 秩父夜祭は、秩父市の皆さんにとっては もちろんでしょうけれど、奥武蔵の住人にとっても、心躍る一大イベントです。「埼玉県には何もない? 秩父夜祭を見てから言えよ、ばか野郎」ってなくらい、思い入れがあるんですよね。

 初めて見物に訪れた頃は、御旅所(おたびしょ)と呼ばれる広場に仮設の興行小屋ができていて、「蛇女」とか「親の因果が子に報い」とかいった 訳のわからぬ見世物が行われていたり、制服姿の若い警察官が、おそらくは地元出身者だったのでしょう、法被(はっぴ)姿の仲間たちと肩を組んで盛り上がっていたりと、豪華絢爛(ごうかけんらん)たる華やかさの中にも、ほのぼのしたローカル色が漂い、まさに昭和感 満載でした。

 平成の時代までは、何をおいても見物に訪れ、祭りの熱気に大いに酔いしれた私ですが、いまや秩父盆地の底冷えと身動きできないほどの人込みは、控えなければならない年齢になってしまいました。

 今年は、祭りの直前に秩父神社へお詣りしたのですが、社殿を飾る左甚五郎の彫刻「子宝 子育ての虎」に因んで秩父神社が説く「親の心得」は、今なお傾聴に値する大切な教えであることを、強く感じた次第です。

「親の心得:
  赤子には肌を離すな 幼児には手を離すな 子供には眼を離すな 若者には心を離すな」

 


(写真上)© 例大祭を告げる大鳥居前の立札


(写真上)© 祭りの準備が整った神門前


(写真上)© 御神幸行列に使われる駕籠(かご)が待機中


(写真上)© 左 甚五郎作「子宝 子育ての虎」


(写真上)© 上記の説明板


(写真上)© 「親の心得」

 


(写真上)© 秩父神社近くの「手打ちそば武蔵屋」で昼食


(写真上)© 蕎麦と野菜天ぷら盛り合わせ

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