11年7月22日 金曜日 07/22・各社社説
朝日新聞(社説)
電力不足―西日本も、さあ節電だ(全文はここからお入り下
政府は関西、北陸、中国、四国、九州の電力5社に対し、20日になって急きょ、この夏の節電を要請した。
東京、東北電力管内のような強制力のある電力使用制限令ではないが、この夏は列島あげて節電に全力をあげなければならない事態になった。
西日本でも電力不足が懸念されるのは、定期検査で停止中の原発の再稼働が見込めないなか、関電の原発と中国電の火力発電所がトラブルで止まり、電力需給の見通しが一気にひっぱくしたからだ。
その2
英盗聴事件―メディアの信頼壊すな
「メディア王」と呼ばれるルパート・マードック氏が所有する大衆紙による盗聴事件が、英国のキャメロン政権や警察首脳もからんだ大スキャンダルになりつつある。
疑惑の中心は、今月廃刊になった英紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドだ。有名人のスキャンダルを売り物にするタブロイド紙で、大部数を誇っていた。私立探偵をやとって電話を盗聴するやり方で「特ダネ」を狙い続けた。被害者は政治家から芸能人まで約4千人という。
その矛先が誘拐殺人事件の被害者の携帯電話にまで向けられていたことが今月、明らかになり、世論の反発を浴びた
読売新聞(社説)
地デジ移行 テレビの新時代を切り開こう(全文はここからお入り下さい)
被災地の東北3県を除く44都道府県で24日、地上波テレビのアナログ放送が終了し、デジタル放送に移行する。
アナログ放送が停止するのは、60年近いテレビ史上でも初めての経験である。視聴者の混乱を招かないよう総務省と放送業界は万全を期してもらいたい。
アナログテレビは24日正午から画面が放送終了を知らせる案内表示に切り替わり、25日午前0時になると映像が全く映らない。デジタル対応の受信機やアンテナなどを設定していない家庭は、番組が見られなくなる。
地デジ対応を済ませている世帯は6月末時点で99%以上に達したが、それでも29万世帯が未対応だった。移行当日になっても10万世帯程度が残るとみられている。
シャトル退役 宇宙で日本は何を目指すのか(全文はここからお入り下さい)
米スペースシャ"トルの最終便となる「アトランティス」が、13日間の任務を終え帰還した。
飛行機のように滑空して着陸する独特の風景もこれが見納めだ。
1981年の「コロンビア」初打ち上げ以来、135回の飛行には、日本人宇宙飛行士7人を含め16か国355人が搭乗した。
宇宙飛行士の古川聡さんが現在滞在している国際宇宙ステーションも、強力なエンジンを備えたシャトルが大型機材を宇宙に運んでくれたおかげで完成した。
宇宙を身近な存在にしたシャトルの30年間の功績は大きい。シャトルは同時に、今後の宇宙開発の反面教師でもある。
毎日新聞(社説)
東電女性社員殺害 再審で審理やり直せ(全文はここからお入り下さい)
驚くべき事実だ。97年に起きた東京電力の女性社員殺害事件で、被害者の体から採取された精液のDNA鑑定をした結果、無期懲役が確定したネパール人受刑者とは別人で、現場に残された身元不明の体毛と型が一致したことが分かったのだ。
元飲食店従業員のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者の再審請求審で、東京高裁の求めに応じ、東京高検が専門家に鑑定を依頼していた。
直接的な証拠がない事件だと言われた。だが、現場である東京都渋谷区のアパートの部屋のトイレに残されていた精液と、落ちていた体毛1本のDNA型がマイナリ受刑者と一致したことなどから、マイナリ受刑者は逮捕・起訴された。
地デジ化 完全移行後の課題も(全文はここからお入り下さい)
地上波テレビのアナログ放送が24日正午で停止する。東日本大震災の被災地の岩手、宮城、福島の3県を除いて、地上波テレビはデジタル放送に完全移行する。
デジタル放送対応のテレビに買い替えなくとも、デジタル放送対応の受信機を設置すれば、これまでのアナログ放送用のテレビでも、デジタル放送を見ることができる。
ただし、集合住宅用のものも含めてUHFのアンテナがない場合、新たに設置する必要がある。アナログ停波前の駆け込み需要で、設置工事が追いつかない状態が続いているが、できるだけすみやかに設置が進むようにしてもらいたい。
産経新聞(社説)
船長強制起訴 政府は何もせぬつもりか(全文はここからお入り下さい)
那覇検察審査会は昨年9月に起きた沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、公務執行妨害容疑で逮捕されながら不起訴処分(起訴猶予)となった中国人船長を強制起訴すべきだと議決した。
今後は那覇地裁が指定した弁護士が検察官役として強制起訴することになる。しかし、起訴状が2カ月以内に中国人船長に送達されなければ公判は開かれず、公訴棄却となる。
地デジ完全移行 日本経済復興の切り札に(全文はここからお入り下さい)
地上波テレビ放送の完全デジタル化(地デジ化)がいよいよ24日に迫った。東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島3県を除く44都道府県で、並行して流れているアナログ放送が同日中に終了する。
地デジ化は、限られた公共財である電波枠を有効かつ効率的に利用するのが目的だ。放送インフラの大転換といえる国家的事業である。既に完了した米国などを除けば、先進国でもまだ少ない。
しかも、地域ごとに段階的に移行するケースがほとんどだ。日本のように周波数密度が突出して高い国で一気に移行する例は極めてユニークな試みといえる。世界が注目する理由もそこにある
日経新聞(社説)
電力供給力とコストの情報を開示せよ(全文はここからお入り下さい)
国民が当面の節電に取り組み、これからのエネルギー政策を考える際に、判断の基礎になる正確なデータがない。政府と電力会社に公表を強く求めたい。
政府は20日、関西電力管内の家庭や企業に10%以上の節電を求めた。関電の大飯原子力発電所の故障などで夏場の需給見通しがくるったためだ。電力不足が西日本にも拡大し、企業の活動を厳しく制約する。景気への影響も心配だ。さらに想定外の発電所停止が起きたらどうなるのか。政府と電力業界の危機管理能力が問われる
主要通貨の不信示す金高騰(全文はここからお入り下さい)
金価格が高騰している。7月に入って史上最高値を記録したのは、1トロイオンス(約31.1グラム)1600ドルを突破した国際市場の米ドル建てだけではない。ユーロ建ての金価格は1100ユーロを上回り、英ポンド建ての価格も一時1千ポンド台と、それぞれ過去最高値を塗り替えた。
主要な通貨は実物資産の金から軒並み信用力に疑問符を突きつけられた格好だ。各国の政府と中央銀行は、市場が発する警告を深刻に受け止め、通貨不信の背後にある経済と財政の不安解消を急ぐべきだ。
東京新聞(社説)
東電女性殺害 新事実に目を凝らせ(全文はここからお入り下さい)
無期懲役が確定した東京電力女性殺害事件で、新鑑定結果が出た。被害者の体にあった体液などが受刑者とは別人のDNAだったのだ。新事実に目を凝らし、再審の可否の結論を早く出すべきだ。
大企業の管理職だった女性が被害者だったことで話題を呼んだ事件だった。ネパール人の受刑者が、逮捕当初から「やっていない」と無実を訴えていたことでも注目された。
確かに受刑者と事件を結び付ける直接的な証拠はなく、状況証拠を積み上げて、検察側は「犯人だ」とした。
児童虐待5万件 向きあう人材が足りぬ(全文はここからお入り下さい)
全国の児童相談所(児相)が、二〇一〇年度に対応した虐待の通報・相談が五万件を超えた。虐待から子供たちを守り親の子育てを支えるには、向きあう態勢のさらなる充実が求められている。
五万五千百五十二件。厚生労働省が発表した相談件数は、〇九年度に比べ28・1%増えた。〇九年度は四十九人が命を落とした。
相談が増えたのは、子供の泣き声などを気にかける人が地域に増えたからだろう。関心の高まりは子供の命を救う第一歩だ
朝日新聞(社説)
電力不足―西日本も、さあ節電だ(全文はここからお入り下
政府は関西、北陸、中国、四国、九州の電力5社に対し、20日になって急きょ、この夏の節電を要請した。
東京、東北電力管内のような強制力のある電力使用制限令ではないが、この夏は列島あげて節電に全力をあげなければならない事態になった。
西日本でも電力不足が懸念されるのは、定期検査で停止中の原発の再稼働が見込めないなか、関電の原発と中国電の火力発電所がトラブルで止まり、電力需給の見通しが一気にひっぱくしたからだ。
その2
英盗聴事件―メディアの信頼壊すな
「メディア王」と呼ばれるルパート・マードック氏が所有する大衆紙による盗聴事件が、英国のキャメロン政権や警察首脳もからんだ大スキャンダルになりつつある。
疑惑の中心は、今月廃刊になった英紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドだ。有名人のスキャンダルを売り物にするタブロイド紙で、大部数を誇っていた。私立探偵をやとって電話を盗聴するやり方で「特ダネ」を狙い続けた。被害者は政治家から芸能人まで約4千人という。
その矛先が誘拐殺人事件の被害者の携帯電話にまで向けられていたことが今月、明らかになり、世論の反発を浴びた
読売新聞(社説)
地デジ移行 テレビの新時代を切り開こう(全文はここからお入り下さい)
被災地の東北3県を除く44都道府県で24日、地上波テレビのアナログ放送が終了し、デジタル放送に移行する。
アナログ放送が停止するのは、60年近いテレビ史上でも初めての経験である。視聴者の混乱を招かないよう総務省と放送業界は万全を期してもらいたい。
アナログテレビは24日正午から画面が放送終了を知らせる案内表示に切り替わり、25日午前0時になると映像が全く映らない。デジタル対応の受信機やアンテナなどを設定していない家庭は、番組が見られなくなる。
地デジ対応を済ませている世帯は6月末時点で99%以上に達したが、それでも29万世帯が未対応だった。移行当日になっても10万世帯程度が残るとみられている。
シャトル退役 宇宙で日本は何を目指すのか(全文はここからお入り下さい)
米スペースシャ"トルの最終便となる「アトランティス」が、13日間の任務を終え帰還した。
飛行機のように滑空して着陸する独特の風景もこれが見納めだ。
1981年の「コロンビア」初打ち上げ以来、135回の飛行には、日本人宇宙飛行士7人を含め16か国355人が搭乗した。
宇宙飛行士の古川聡さんが現在滞在している国際宇宙ステーションも、強力なエンジンを備えたシャトルが大型機材を宇宙に運んでくれたおかげで完成した。
宇宙を身近な存在にしたシャトルの30年間の功績は大きい。シャトルは同時に、今後の宇宙開発の反面教師でもある。
毎日新聞(社説)
東電女性社員殺害 再審で審理やり直せ(全文はここからお入り下さい)
驚くべき事実だ。97年に起きた東京電力の女性社員殺害事件で、被害者の体から採取された精液のDNA鑑定をした結果、無期懲役が確定したネパール人受刑者とは別人で、現場に残された身元不明の体毛と型が一致したことが分かったのだ。
元飲食店従業員のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者の再審請求審で、東京高裁の求めに応じ、東京高検が専門家に鑑定を依頼していた。
直接的な証拠がない事件だと言われた。だが、現場である東京都渋谷区のアパートの部屋のトイレに残されていた精液と、落ちていた体毛1本のDNA型がマイナリ受刑者と一致したことなどから、マイナリ受刑者は逮捕・起訴された。
地デジ化 完全移行後の課題も(全文はここからお入り下さい)
地上波テレビのアナログ放送が24日正午で停止する。東日本大震災の被災地の岩手、宮城、福島の3県を除いて、地上波テレビはデジタル放送に完全移行する。
デジタル放送対応のテレビに買い替えなくとも、デジタル放送対応の受信機を設置すれば、これまでのアナログ放送用のテレビでも、デジタル放送を見ることができる。
ただし、集合住宅用のものも含めてUHFのアンテナがない場合、新たに設置する必要がある。アナログ停波前の駆け込み需要で、設置工事が追いつかない状態が続いているが、できるだけすみやかに設置が進むようにしてもらいたい。
産経新聞(社説)
船長強制起訴 政府は何もせぬつもりか(全文はここからお入り下さい)
那覇検察審査会は昨年9月に起きた沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、公務執行妨害容疑で逮捕されながら不起訴処分(起訴猶予)となった中国人船長を強制起訴すべきだと議決した。
今後は那覇地裁が指定した弁護士が検察官役として強制起訴することになる。しかし、起訴状が2カ月以内に中国人船長に送達されなければ公判は開かれず、公訴棄却となる。
地デジ完全移行 日本経済復興の切り札に(全文はここからお入り下さい)
地上波テレビ放送の完全デジタル化(地デジ化)がいよいよ24日に迫った。東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島3県を除く44都道府県で、並行して流れているアナログ放送が同日中に終了する。
地デジ化は、限られた公共財である電波枠を有効かつ効率的に利用するのが目的だ。放送インフラの大転換といえる国家的事業である。既に完了した米国などを除けば、先進国でもまだ少ない。
しかも、地域ごとに段階的に移行するケースがほとんどだ。日本のように周波数密度が突出して高い国で一気に移行する例は極めてユニークな試みといえる。世界が注目する理由もそこにある
日経新聞(社説)
電力供給力とコストの情報を開示せよ(全文はここからお入り下さい)
国民が当面の節電に取り組み、これからのエネルギー政策を考える際に、判断の基礎になる正確なデータがない。政府と電力会社に公表を強く求めたい。
政府は20日、関西電力管内の家庭や企業に10%以上の節電を求めた。関電の大飯原子力発電所の故障などで夏場の需給見通しがくるったためだ。電力不足が西日本にも拡大し、企業の活動を厳しく制約する。景気への影響も心配だ。さらに想定外の発電所停止が起きたらどうなるのか。政府と電力業界の危機管理能力が問われる
主要通貨の不信示す金高騰(全文はここからお入り下さい)
金価格が高騰している。7月に入って史上最高値を記録したのは、1トロイオンス(約31.1グラム)1600ドルを突破した国際市場の米ドル建てだけではない。ユーロ建ての金価格は1100ユーロを上回り、英ポンド建ての価格も一時1千ポンド台と、それぞれ過去最高値を塗り替えた。
主要な通貨は実物資産の金から軒並み信用力に疑問符を突きつけられた格好だ。各国の政府と中央銀行は、市場が発する警告を深刻に受け止め、通貨不信の背後にある経済と財政の不安解消を急ぐべきだ。
東京新聞(社説)
東電女性殺害 新事実に目を凝らせ(全文はここからお入り下さい)
無期懲役が確定した東京電力女性殺害事件で、新鑑定結果が出た。被害者の体にあった体液などが受刑者とは別人のDNAだったのだ。新事実に目を凝らし、再審の可否の結論を早く出すべきだ。
大企業の管理職だった女性が被害者だったことで話題を呼んだ事件だった。ネパール人の受刑者が、逮捕当初から「やっていない」と無実を訴えていたことでも注目された。
確かに受刑者と事件を結び付ける直接的な証拠はなく、状況証拠を積み上げて、検察側は「犯人だ」とした。
児童虐待5万件 向きあう人材が足りぬ(全文はここからお入り下さい)
全国の児童相談所(児相)が、二〇一〇年度に対応した虐待の通報・相談が五万件を超えた。虐待から子供たちを守り親の子育てを支えるには、向きあう態勢のさらなる充実が求められている。
五万五千百五十二件。厚生労働省が発表した相談件数は、〇九年度に比べ28・1%増えた。〇九年度は四十九人が命を落とした。
相談が増えたのは、子供の泣き声などを気にかける人が地域に増えたからだろう。関心の高まりは子供の命を救う第一歩だ