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<原子力学会>「発言をちゅうちょ」 歴代幹部アンケート

2013年03月27日 | 日記

<原子力学会>「発言をちゅうちょ」 歴代幹部アンケート

毎日新聞 3月27日(水)20時26分配信

 「電力会社に遠慮があった」「異議を唱えると原子力反対派と見られる」--。東京電力福島第1原発事故を受け、日本原子力学会は27日、歴代幹部に実施したアンケート調査の結果を公表した。原発の安全性に疑念を抱きながら発言を避けてきた専門家の意識の一端が明らかになった。

 調査は、学会の事故調査委員会が1~2月に実施。歴代会長ら289人を対象に、事故を防げなかった要因などを自由記述で質問し、101人から回答を得た。

 事故の直接原因では、津波の軽視や過酷事故対策の不備が挙がった。背景として「チェルノブイリ原発事故(86年)などから学ぶべきだったが、別世界の出来事と扱われた」「日本の原発は安全との思い込みがあった」など、自らを過信していた姿勢が浮かんだ。

 一方で、「日本の原発が外国より危険と勇気を持って直言すべきだった」「安全性への言及は自己の足元を崩すという認識があった」と自戒し、「原子力ムラ」の論理で黙認した姿勢を問題視した意見もあった。さらに、「学会の役割は研究成果を出すことで、(安全の)実現は違うと考えていた」「反対派が指摘する問題を科学的に議論する姿勢に欠けていた」との意見も寄せられた。

 分析した佐田務・日本原子力研究開発機構主幹は「比較的自由な議論ができる学会で、発言をちゅうちょせざるを得ない雰囲気があったことは大きな反省点」と話す。【西川拓】

◇調査に寄せられた主な意見

・各事業者は考え得る対策をしていると、深く考えず思っていた

・電力会社が強い力を持っていて、意見できない雰囲気や風土であった

・事業者は(規制への対応で)疲れ果て、学会は寝た子を起こすような余計なことは言わないでほしいという雰囲気があった

・専門領域の縦割りが進み、地震や津波の規模、その頻度については当該分野の見解を見守る姿勢だった

・軽水炉はほとんど完成した技術で、もはや研究対象ではないかのような雰囲気があった

・電力会社にも安全性への研究を歓迎しない雰囲気があった

・疑問があれば口にして、得心するだけの言動を常に行うべきだった

・学会の影響力は、国や電力・産業界を動かすほど大きくはない



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