坂の上のピアノ教室

おうちの方にレッスン室の様子、日頃思っている事をお知らせするためのblogです。

ときどきびっくりすること

2012-12-16 | レッスン室から


うちの教室の生徒たちの電子ピアノと、ピアノ保有率を
数えてみました。

だいたい、ピアノが3割5分で、電子ピアノが残り4割5分といったところ。
もしかしたら今どきの都会のピアノ教室では、ピアノ率が高い方なのかも
しれません。

今の大人生徒さんは、全員ピアノです。

お嬢さんが実家に残していったピアノを弾いている方、
最初は電子ピアノで練習していたけれど、やはり本物が欲しくなって買われた方、
ご自分が子供の時にそうであったように、当然の事としてお子さんのレッスンのためにピアノを買い、
ご自分もレッスンを再開された方。


でも今の幼稚園、小学低学年生徒になると、ピアノ1割、電子ピアノ9割です(T_T)(T_T)
現代の社会の状態やもろもろ難しい事を考えたら、本物のピアノを買ってください、とは
声を大にしては言えない事情がたくさんあります。

このあたりの事は、書き出したらキリがないので、今日は省きます。


生徒たちと「おんがくの雑談」をしていると、ときどきびっくりする事があります。

以前から、気になっているのだけど、

電子ピアノで練習している子って、すごく小さな音量で練習している子が
多いのです。

うちに来て、ピアノが「ポ~~ン」と鳴ると、

「きゃ、大きい!」とびっくりする子もいます。


電子ピアノで、小さな小さな小さな音で、
「先生の家で弾くピアノの音量を出そうとする」のか?
逆に力が入って、ゴツンゴツンと汚い音になってます。


そうかと思えば、おうちのボリュームを絞った電子ピアノと同じように
「蚊の鳴くような」小さな音しか出さない子もいます。
タッチが弱いわけでもなく、「良く響く音を出すことに慣れていないのです」


改めて、電子ピアノで練習している生徒に、私の家の電子ピアノの
ボリュームをいじらせて、「おうちの電子ピアノと同じくらいの音」に
セットしてもらったら、レバーを最大の半分以下、ほんとに最低の四分の一くらいに
している子が多かったのでびっくりします。

小さい生徒は、お母さんがお迎えにきたり、付き添ってきた時に
その話をしてみたのですが、

「楽器を練習するような音が近所では、全く聞こえてこない」のだそうで、
自分の所でも「悪い気がして」外に漏れないようにしているのだそうなんです。。。。。。


でも、最近、1人だけいました!

「いいえ、音量目一杯にあげて、パパのテレビが聞こえないくらいで、
練習してますよ。

近所の人に、○◎の曲、練習してるのね、って言われますよ」

という昔ながら?の練習風景・・・を話してくださったお母さん、


でも、こういう光景って死景(変な言い方ですけれど)なんでしょうか??

なんだか、とーってもピアノの先生にとっては、むなしい光景です。
でも、そんな事言ってたら、今どき楽器のお教室なんて、やっていられないのでしょうかね。


それでも、生徒たちには、根気よく

「夕方になって、まわりの家が雨戸を閉めたり、夜ご飯の支度をするような時間は
どこの家でもガサガサとしてるから、そういう時間に少しボリュームをあげてごらん」

「一日の練習の最後は、少しボリュームを上げて通しなさい」

と工夫するようにしています。


レッスンの時も、

「先生の家では、どんな音を大きな音を出してもいいんだよ。」

それで、大きな音を出したとき、汚い叩く音だったら、
根気良く直してあげる。
私の弾く(たぶん→)綺麗な音に近くなるようにマネっこしてもらう、

くり返しくり返し・・・

2,3年くらいかかって、やっと力の抜けた綺麗な音になったな~~と
思える時がくるので、あきらめずにレッスンします。


それでも、どんなに性能の良い電子ピアノでも、ピアノにはかないませんけれどね。