簡単に言えば
理学療法と作業療法の違いは
理学療法は運動療法や物理療法で
筋肉や関節を動かせるようにすること。
作業療法は身体の機能低下や障害のある患者に
日常過ごす上での応用的な動作ができるようにすること。
2011年10月に寝たきりの状態で
リハビリ専門の病院に転院。
年が明けて2月頃には
曲がりなりにも自分の足で歩けるまでに回復。
これは理学療法の領域です。
並行して作業療法も施されていました。
ほんのわずかにしか動かせない
右腕を使っての食事が最初の作業。
それに付随しての歯磨き。
必ず三度三度の食事での作業。
毎日続ける内に右腕の可動域は広がり、
指の動きも少しずつ良くなってきて、
気が付くとスプーンを持って食事ができるまでに回復。
理学療法に比べると作業療法は
本当に地道な動作の繰り返しの療法です。
例えば、
洗濯バサミを網に取り付けて外すことの繰り返し。
小さな木の棒を穴に入れたり外したり。
全く動かなかった左腕や指も少しずつですが
動かせるようになってきました。
2012年3月。
療法は退院に向けての準備が始まりました。
療法ルームの一角には
退院したときの動線がチェックできるように
和室、ダイニングキッチン、浴室が設えてあります。
入浴のときは、もちろんOTさんがサポート。
OTさんは20代後半の女性。
脱衣場で自分で服を脱ぐところから始めて
シャワーを使って洗髪、体を洗って入浴
と、書いてみれば何でもないようですが
動くようになったとはいえ
左腕は肩より上に上がらない状態でした。
頭髪を洗うにしても体を洗うにしてもほぼ不完全。
極端な話、自分で洗うのは局部くらいなもので、
あとはほとんどOTさんに手伝ってもらいました。
背中に至っては全くのお手上げ。
風呂上りに体を拭くのも言わずもがな、です。
服を着てから居間に移動。
退院してからの疑似体験です。
健康なときには全く意識することなく行っていた
もしくは行えていたことが何一つ行えなくなり、
リハビリで少しずつ回復はしてきましたが
日常の何でもない行動の難しさを
嫌というほど思い知らされました。
それでも全くの寝たきりで、
リハビリを頑張っても
せいぜい車椅子の生活しかできない、
と言われていたことを思えば長足の進歩です。
2012年4月16日。
180日間のリハビリ入院を終えて退院。
転院したときは車椅子に移乗するのも
三人がかりだったのですが、
曲がりなりにも自分の足で歩いての退院でした。
担当のスタッフさんにはもちろん、
関わりのあった全ての関係者に感謝感謝です。
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