この人がいなかったら、
文化や科学が1000年遅れていたという形容がある。
イチローがいなかったら、
何かが1000年遅れていたような気がする。
イチローは1000年先の何かを見せてくれていると思う。
スーパーのお酒コーナーにイチローの等身大?の看板がある。
右手に缶ビールを握り、魅力的な表情をしている。
イチローファンの私はその看板の前を通り過ぎるのが密かに楽しみだった。
イチローみたいになれるわけないけど、
向上したいと思う自分にとって、何かヒントはないか?
とその看板を観察する。
一流アスリートなので立ち姿が美しいのは当たり前だ。
その立ち姿、バランスの取り方、骨格、体のラインなどを観察する。
やっぱり美しい。
そして当たり前だけど、やっぱり絵になる。
見ているものを意識してるんだけど、全く意識していないような感じだ。
イチローは少年時代から、ネクストバッターズサークルでの素振りの時点で
見ている人を惹きつける素質があった..と本で読んだことがある。
子供の時にすでに見ている大人や観客を意識している少年を見た大人は、
「この子は凄い人になる..」と思ったらしい。
話しを戻して、ビールを持つイチローはとても絵になる。
意識してるんだろうけど、ワザとらしくなく、無駄がなく、
シュっとしているのはさすがだ。
イチロー好きの私は好き過ぎて、
イチローの看板に向かって「お前をいつか絶対倒してやるからな!」と
実験で心のなかで語りかけたりする。
その時、気づいたのだが、イチローの興味が缶ビールに
全身全霊注ぎ込まれているのを感じたのだった。
私のブサイクな殺意などは泡のように消えてしまうぐらいの完璧さで
缶ビールに興味を注いでいるのだった。
そしてそれを見た私も缶ビールに興味が向かってしまうという按配。
対象物に興味を注ぎ、それを見ているものも、その対象物に向かわせてしまう技術。
イチローがスターなのは、技術があるからだ。
野球道具を大事にするイチロー。
対象物に意識を注ぐことに関しても打率が高いようだ。
イチローマジックに乾杯。