生きていた幻の鳥
鴨川誠(中学校教論)著
絶滅したと思われる鳥を探しに、対馬、韓国を探す旅の記録。
キタタキ
アジアに分布するキツツキ類の中では最も大きい部類で、体長は42cmから48cmに達する。雄の頭頂部の羽毛と頬の斑点は赤。雌はそれらの赤い羽毛部分がない。上半身は黒い羽毛で覆われ、下半身や羽毛の先端の白い部分とコントラストをなす。足には4つの爪があり、うち2つは後ろ向きである。尾羽は硬い。全体としてクマゲラに似た大きさと姿をしているが、クマゲラが体全体が黒いのに対し、キタタキは下半身が白い点が異なる
インドの西ガーツ山脈からマレーシア・中国・フィリピン・朝鮮半島にかけての常緑樹林に生息する。かつては日本の対馬にも生息していた。アジア系の鳥であり、対馬は本種の生息域としてはかなり北に孤立している。
朝鮮半島・日本産亜種
朝鮮半島北部に少数が生息するらしいが(2004年現在)詳細は不明だそうである、日本では対馬に生息していたが、1920年を最後に確認されておらず、絶滅したとみられている。
もともとこの亜種は朝鮮半島と日本の対馬で確認されていた。しかし、対馬では森林伐採で生息地が失われたことに加え、博物館の標本などの目的でも乱獲されてほとんど姿を消してしまった。
鳥類学者の黒田長禮は1920年に対馬で1つがいの標本を発見し、これに基づいて1923年には天然記念物に指定された。しかし、50年間確認がされなかったため、1972年に指定が解除された。