魔法のバンドエイド

～前回までのあらすじ～

自転車生活１週間にして、空を飛ぶ大転倒をしてしまった私。膝には大きな擦過傷が３つできてしまった…




たかが擦り傷のくせにどうしてこんなに痛いんだろう。
生々しい傷を見ながら私は毒づいた。
３つある傷のうち、ひとつはもう痂になっているが触ると痛む。あとの二つは痂までは程遠い上に触れると激痛が走る。昨日なんて、自転車生活のために新調したナナメ掛けのかばんをうっかり傷にぶつけてしまい、危うくまた転ぶところだった。
心配してくれた友人に、半ば嫌がらせのように写メを送ると、「傷が早く直るバンドエイドがある」という情報を教えてもらった。
私は、早速薬局で探してみた。普通のバンドエイドの３～４倍の価格がする。
消毒して治す、という発送ではなく、傷から出る体液を閉じ込めて、自然治癒力を高めるという仕組みらしい。ハイドロコロイド素材という訳のわからないものでできているらしい。多少迷ったが、貼ってみることにした。
私の体の中で、激しい戦いが繰り広げられているようで、ハイドロコロイド粒子が体液を吸収保持して白く膨らんでいる。心なしか痛みも和らいでいるようだ。
ちなみに、今日小１の甥が見せてくれた転んでできたという傷より、私の傷のほうが遥かに大きかった。
この歳での転倒は痛い。いろんな意味で。
せめて治癒力を高めなければ、とバンドエイドに奇跡を願ったのであった。



気が向いたら続く…かも。