はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

我が家のインコたち

2004年11月06日 | インコ

タカ

我が家で初めて生き物を飼ったのがセキセイインコだった。
娘にねだられて、産まれて間もないセキセイインコを飼う事にした。
黄色とブルーのインコだった。
キーちゃんとアオちゃんと名付けた。

アオちゃんは、何が原因だったのかわからないけれど、何週間もしないうちに死んでしまった。
1羽残ったキーちゃんは、私たちによくなついた。
鳥かごから出すと、肩に乗ってきたし、言葉も話した。
自分の名前を「キーちゃん」と言ったり、「キーちゃん、元気?」と言ったりした。
「むかしむかしあるところに・・・・」という桃太郎の最初の下りも言うようにもなった。
それらの言葉は、全部義母が教えたらしい。

しばらくしてキーちゃんがオスだというのがわかり、知り合いの家からキーちゃんの相手としてメスのインコをもらうことになった。
毎日、いろいろな相手をかごに入れて、キーちゃんとの相性をみた。
何日かのち、キーちゃんがすんなり受け入れたインコが緑色のインコだった。
そこで、ミドという名前がついた。
我が家は名付けに能がない。

2羽はとても仲が良く、ミドは2回ほど卵を産んだ。
でも、どれも育たなかった。
ミドは2度目に卵を産んでから動きが鈍くなり、だんだん飛べなくなってしまった。

ある日の朝、いつものように娘が2羽をかごから出して、部屋で遊ばせていた。
ところが、いつの間にか、ミドが見あたらなくなってしまった。
家中を探したけれど、見あたらないので、外を探すことにした。
あまり飛べなくなったとはいえ、鳥には違いないのだから、知らないうちにどこかへ飛んで行ってしまったのかもしれないと思った。
娘は、後ろ髪を引かれる思いのまま学校へ行った。

外を歩いていると、近所の人に声をかけられた。
私の様子が何か探しものをしているように見えたらしい。
私がインコを探していると言うと、その人の家に迷子のインコがいると言う。
朝、ゴミを出しに歩いていたら、どこからかインコが飛んできて、肩に止まったそうだ。
「ミドだ!」
と思って、足早にその人の家に行った。
でも、そこにいたのはブルーのインコで、ミドではなかった。
がっかりして帰ろうとすると、その家の人から、
「インコの飼い方もわからないので、できれば引き取ってほしい。」
と言われ、最悪ミドが見つからなかった場合、娘のなぐさめになるかもしれないと思い、引き取ることにした。

ブルーのインコを連れて家に帰ると、なんとミドが自分の鳥かごの上にちょこんと乗っていた。

学校から帰って、3羽のインコを見た時の娘の驚きと喜びようは、今でも忘れられない。
心配したミドは、ちゃんと戻っていて、おまけにもう1羽インコが増えていたのだから。

そのインコにはユウジという名前を付けた。
ユウジは人間によく慣れていて、私たちの肩に止まった。
キーちゃんもユウジもオス同士のため、たまにミドの取り合いをすることがあったけれど、ミドは、キーちゃん一筋で、ユウジがミドのそばに寄ると、嫌がって追い払っていた。

それから数ヶ月後、娘とペットショップをのぞいたとき、小さな雛がたくさん入ったケースの中で、1羽だけスプーンの柄の上にちょこんと止まっているインコを見つけた。
飼うには育ちすぎているとは思ったけれど、その姿があまりに可愛いくて、飼うことにした。
タカと名付けた。
オス同士だったけれど、ユウジのかごに入れてみると、ユウジはすんなりとタカを受け入れた。

それからインコが4羽の生活が続いた。
ミドはますます動きが鈍くなり、他の3羽は元気だった。

キーちゃんが来てから5年目の冬、鳥かごのまわりがいやに汚れるのに気づいた。
キーちゃんが食べた餌を吐いているらしい。
気づいたときにはキーちゃんは大夫弱っていて、病院へ連れて行ったけれど、あっけなく死んでしまった。

その夜、娘が薬を飲ませ、しばらくして、のぞいたときは死んでいたらしい。
娘の泣き叫ぶ声で私たちはキーちゃんが死んだのを知った。
一番元気だったキーちゃんが最初に死んでしまった。
インコの寿命は10年くらいというのに5年で死んでしまった。

その後、何年かの間にミドが死んでユウジが死んだ。
ミドがいつ頃死んだのかはあまり記憶にないけれど、ミドが死んだときの事は、鮮明に覚えている。

ミドは、相変わらず飛べないインコで、ずっとヨタヨタしていた。
なので、特に急に具合が悪くなったという感じはなく、いつもと変わりないように私たちには見えた。

その日、突然クマの様子がおかしくなった。
鳥かごと私たちの間を何度も行ったり来たりして、クーン、クーンと鳴いた。
そして鳴きながら私たちの顔を何度も見た。
鳥かごに一緒についてくるように言っているようだった。
クマの後をついて鳥かごをのぞくと、ミドが止まり木から降りて今にも倒れ込みそうだった。
驚いてのぞき込んだ途端に、ミドはパタッと倒れて、そのまま死んでしまった。

クマにはミドが死にそうだというのがわかったようだ。
それで、私たちにミドの様子を教えようとした。
私が鳥かごに行ってミドが死んだのを確認した途端、クマは鳥かごから離れ、その後は一度もそばに来ようとはしなかった。
私たちがミドのことに気づいたため、自分の役目は済んだとでもいうようだった。
それは、とても不思議な出来事だった。

それから、3~4年後にユウジが死んだ。
でも、その時のクマはまったく無反応だった。
ミドの時のように、騒ぐことはなかった。

キーちゃんが死んでから3ヶ月ほど後にクマが来た。
クマの誕生日は、だいたいのことしかわからないけれど、逆算するとちょうどキーちゃんが死んだ頃に当たる。
それで、娘と
「クマはキーちゃんの生まれ変わりかもしれないね」
と話したことがある。
やっぱりあの時、キーちゃんがクマを通して、大好きだったミドの死を私たちに教えようとしたのかもしれない。

そして、今は一羽だけ残ったタカが元気でいる。
タカは11歳半になる。
ユウジが死んだ後、一人で淋しいと思い、鏡を鳥かごに入れてみた。
タカは、毎日鏡に映る自分の姿を見ながら、大きな声でさえずっている。
鏡の先に気の合う友達がいると思っているようだ。
寿命を全うしているけれど、元気だ。
たった、一羽残ったタカだから、できる限り元気で長生きしてほしいと思っている。


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