好きだと思った時は
もう遅いのか
キミの心の中には
僕じゃない
別の誰かがいるみたいだ
「好きな人
いないって
言ってたのにな」
思わず漏れた独り言に
助手席のキミが反応する
「ごめん
ずっと
嘘ついてた」
「会社の人?」
尋ねる僕に
「言わなきゃダメ?」
と
困惑した表情のキミ
車のハンドルを握りながら
僕はキミの言葉を待つ
答える代わりにキミは
僕を指さした
赤くはにかんでる
キミを見て
僕の心臓が
強く音を立てる
こんな
奇跡があるなんて
そう思う僕は
大袈裟なのか
でも良かった
キミの心の中にいるのは
僕なんだね
信号待ちで
迷わず僕は
キミにキスをしてから
「好きだ」
って告げた