小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

99・100 守真志満 逐物意移

2022年02月03日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 とうとうナンバーが100になりました。

 今回は《守真志満 逐物意移》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは「真」に注目しました。

 

 漢字の成立ち辞典によると、真には「中身が充実して嘘や偽りがない」という意味があり、旧字体の眞は匕(スプーン)+鼎で、鼎に料理がいっぱいあって、からではないようすを示しているそうです。ここから、真をふくむ漢字には「中身が詰まった」というイメージがあり、

 慎 中身がいっぱい詰まった心。心にすきまがなく、十分に気を配るさま。

 鎮 中身が詰まった金属。文鎮。転じて押さえつける。鎮圧。

 填 中身をいっぱい詰め込む。充填。

 顛 いっぱい詰まる+頁(あたま)で、体のうえにあって重しとなる頭。転じて頭が逆さになること。顛倒。

 となるそうです。

 

 プリントにある、

 人生感意気 功名誰復論

 は、「人生意気に感ず。功名誰かまた論ぜん」と読みます。

 人は名誉や金銭ではなく、意気に感じて仕事をするのだ、といった内容です。

 私も、みなさんからのリアクションや、このプリントをよろこんでくれる子どもを思い描いてがんばります!

 

 なお、リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考につくりました。

 みなさんのリアクション、お待ちしています。


97・98 性静情逸 心動神疲

2022年02月03日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。 

 今回は《性静情逸 心動神疲》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは「疲」に注目します。

 漢字の成立ち辞典によると、疲は皮(動物の毛皮の形)+又(手)で、毛皮を斜めにかぶる様子を示した形で、

 「斜めにかぶる」

 「斜めに傾く」

 というイメージがあるそうです。そこから、

 被 衣類を斜めにかぶる。被服。こうむる。被害。

 披 かぶさっているものを手で両側にわけひらく。披露。

 疲 斜めに傾く+疒(やまい)、体が元気なくかたむいてぐったりすること。疲労。

 彼 こちらからあちらにずれていくさま。彼岸。

 波 斜めにかぶさってくる水。波。

 婆 背の曲がった老女。

 破 石が割れて斜めに傾く。破れる。壊れる。

 坡 坂。傾斜した地形。

 跛 斜めに傾いて歩く。跛行。

 頗 程度がかたよって多いさま。すこぶる。

 と、思ったより仲間が多かったです。

 ハァ〜、疲れ。といったところです。

 

 なお漢字源をひくと、「静まる」と「鎮まる」の使い分けは、

 静まる 動きがなくなり落ち着くこと。「心が静まる。嵐が静まる」

 鎮まる 押さえつけて落ち着かせること。「反乱を鎮める。咳を鎮める」

 だそうです。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。

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95・96 節義廉退 顚沛匪虧

2022年02月03日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 今回は《節義廉退 顚沛匪虧》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは「廉」に注目しました。

 漢字の成立ち辞典によると、廉のなかにある「兼」は「かねあわせる」という意味があり、そこから、

 「二つの線が一点であう」

 「二つにまたがる」

 というイメージや、二つのものを一つにあわせるので、

 「数が少ない」

 「足りない」

 というイメージがあるそうです。このため、

 嫌 女性のようにあれこれに引っかかり迷うさま。嫌疑。嫌悪。

 謙 数が減る+言で、言葉数を少なくし、控えめにするさま。

 廉 建物の木材と木材がであう角。部屋の隅。転じて、かど目がきちんと立っている。廉潔。

 鎌 刃がかどだって鋭い農具。

 となるそうです。個人的な感想ですが、鎌の説明がいまひとつのような気もします。

 

 「漢字は男尊女卑だ」と、なにかの本で読んだことがあります。

 今回の「嫌」など、まさにそのとおりです。男性だって、あれこれ引っかかり迷います。

 夫唱婦随など、千字文には炎上確定のような言葉もありますが、なにせ6世紀につくられた文なので、笑ってお許しいただけるとさいわいです。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。

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93・94 仁慈隠惻 造次弗離

2022年02月03日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 今回は《仁慈隠惻 造次弗離》のプリントをアップしました。

 そしてブログで注目したのは「弗」です。

 

 漢字の成立ち辞典によると、弗(フツ、ホチ)は「〜ず」という打ち消しの助詞で、弓ではなくつるのようなもの+八で、左右に払い分ける字の形をしています。

 この弗には「左右に払いのける」イメージがあり、ここから、

 払 旧字体は拂。手で払いのける。払拭。

 沸 水を左右に払いのけるように泡がわき出るさま。沸騰。

 費 貝(財貨)を分散させるさま。消費。

 仏 佛。分散する+人で、姿がバラバラでおぼろげなさま。彷彿。

 となるそうです。この字もイメージしやすいですね。

 

 プリントにある

 知者楽水 仁者楽山

 は、論語にある言葉です。そんなに長くないので全文を載せます。

 子曰 知者楽水 仁者楽山 知者動 仁者静 知者楽 仁者寿

 子曰く 知者は水を楽しみ 仁者は山を楽しむ 知者は動き 仁者は静かなり 知者は楽しみ 仁者は寿(いのちなが)し

 孔子は言う。知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。知者は変化のなかに身を処して、仁者は安んじて静かだ。知者は変化を楽しみ、仁者はあくせくせずに長生きする(新釈漢文大系から)。

 サラリーマンなのであくせくしてあたりまえ、と思っていましたが、いま、この言葉を反芻しながら思いました。けっきょくは、心の持ちようなのかもしれませんね。

 ちなみにこの一文のちょっと前には、

 これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。

 賢なるかな回や。いったんの食、一瓢の飲、陋巷に在り。人はその憂にたえず。回やその楽しみを改めず。賢なるかな回や。

 といった一文もあります。

 いろんなことを、楽しんでみます。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。

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