つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆「想定外」は「妥協」の産物

2011-04-21 13:32:27 | Weblog
今回の大震災による大津波、原発災害、高層ビルの揺れなどの表現に、「想定外」という言葉が「枕詞」のように使われている。非常に滑稽な話である。

わが国でも、過去においてM9以上(869年・貞観地震)の大地震記録はあり、また近年国外でも、スマトラ沖の群発地震(2004年12月・M9.3、2005年3月・M8.6,2007年9月M8.5,2009年9月M7.5,2010年4月M7.8,2010年5月M7.2)に見られるように、M9前後の大地震によるビルの倒壊、大津波は周知の通りである。

なのに、何故「想定外」なのか?

原発推進にかかわった技術専門家は当然ながら、電力会社の幹部はM8以上の大地震や、そして惹起される大津波は予想できた筈である。
然るに、M7台を基準に制定されている現建築基準法は「妥協」の産物でしかない。
M7とM9を耐震構造計算すると、土地の改良工事費や建物を支える柱や各構造物に要する工事費が莫大に増加される。
原発の原子炉建設費についても同じことである。従来の火力発電に較べて建設費が安いといわれるが、徹底した安全対策を取り入れて建設した場合、大幅な設備資金増が予想される。

超高層ビル建築にしても、土地改良費は建築費と別途予算々出されるべきだが、地盤の悪い湾岸地域の土地は、バブル期に利便性が優先され、土地改良費が置き去りされ、高騰した現実がある。大災害直後の避難先、ライフラインの確保、怪我人の救助などを考慮して、湾岸地域や市街地の高層ビル、原発、プラント建設、病院や公共施設などの建設プランについては、過去のデーターを重視し、慎重に検討されるべきであり、そこには「想定外」の言葉は許されない。

地震国のわが国は、東北地方の再建には、あらゆる災害に強い街づくりへ、英知を絞って当たっていただきたい。
そのための財政投資は、(再建国債発行で一時的に財政赤字を増やす要因になるが)現状のデフレ傾向の日本経済を活性化に導き、インフラ整備と雇用創出の原動力になると信じる。

この際、東京一極集中を避け、地方分権を進めるチャンスにもしたい。

今後、わが国をリードする首相は、大恐慌時に有効な手を打てなかった悪名高い「フーバー第31代米大統領(1929/1933)になるな」といいたい。


※大島堅一教授(立命館大国際関係学部)の公表資料による試算では、1970~2007年度に日本での1キロワツト時当りの単価は、原子力10.68円、火力9,90円、水力7,20円。その上、事故が起きれば補償費が膨らむ。「原発は安価」との主張は誤りだと朝日新聞の夕刊(4/22)記事にある。

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