◆過去最大の予算案（92.3兆円）が示すもの

記者会見を終えて会見場を出る鳩山由紀夫首相。後方は左から、菅直人副総理・国家戦略担当相、藤井裕久財務相、平野博文官房長官＝２５日午後６時５９分、首相官邸、杉本康弘撮影


鳩山政権は昨日（25日）来年度政府予算案を閣議決定した。

「コンクリートから人へ」を掲げ、公共事業を大幅に削減する一方、社会保障は手厚く配分した。

税収の大幅ダウン（政府見通し：37.4兆円）の中、国債発行の目標枠（44兆円）は辛うじて守られた。

政権を取り巻く経済環境は来年も厳しい。デフレ脱却のめどは立っていないし、欧米経済の低迷で、劇的な輸出環境の改善も期待しにくい。

このような状況下で示された政府予算案は、崩れかかった国民生活の基盤を再構築しようとする強い意欲を感じる。

国民生活のボトムアップ(わが国のDDPの60％を占める個人消費上昇）は、必ず内需拡大につながる。繰り返される無駄な公共事業は、敢然と断ち切らなければならない。

「4年間は消費税増税をしない」と首相は述べている。

私は9月23日の投稿でも述べましたが、衆議院議員選挙での民主党の大勝は、世論調査にみるように、マニフェストや政策に必ずしも高い評価をしたわけではない。

民主党に期待するのは、この「閉塞感の打破」である。集中的な情報公開をして、積年の腐敗を抉(えぐ)り出すことである。誠心誠意政治に対峙し、国民に状況を発信すれば、国民も耐えて協力を惜しまない。

重ねて申し上げる。

衆議院の任期は4年、マニフェストにとらわれずに、思い切った「政治改革」と「行財政改革」を断行して貰いたい。

明治以来、今ほど政治を身近に感じた時はなかったし、今こそ国民が目覚めるときだからである。