過日、NHKの深夜放送で、2日間にわたって熊谷晋一郎(現在38歳・医師東京大学先端科学技術研究センター准教授)のインタビューによる現在に至るドキュメントを拝聴。新生児仮死の後遺症で脳性麻痺となり、車椅子の生活を送っている。
小中高と普通学校で統合教育を受け、山口県立徳山高等学校を経て東京大学医学部卒業。病院勤務等を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター准教授として勤務。
厳しいリハビリ生活を強いられ、母親の献身的な日常看護生活の中で、「両親が亡くなったら自分はどうなるんだろう」との恐怖観念の中で過ごしていた。
中学生当時、成人身障者の施設を見学し大きな衝撃を受ける。努力すれば、障害者も自分らしい生活が可能だと一念発起。
両親の介護から逃れるために、東京大学医学部に入学。勿論、転居時は親の世話になるも、東京での日常生活は完全な自活となる。
トイレ、車椅子の乗り降りなど、過去のリハビリ経験や自立への創意工夫で、他人の力を借りる術を会得。厳しいい日常生活が楽しく、フレッシュに感じ、他人の暖かさも知る。
ラジオを通しての声は、教授らしく、理路整然としてわかりやすく、ネットでお写真を拝見して、改めて驚く。
熊谷小児科医師程、患者目線に立った治療のあり方を伝える医師はほかにいないと思う。従って、現職は最高のポジションと思われる。
益々のご活躍を期待する。
2010年、『リハビリの夜』(医学書院)で第9回新潮ドキュメント賞受賞。
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