防人の歌 私たちの時代は この歌に 時部の人生を投影させていたのだろうか。
いつも知らぬ間に この歌輪口ずさんでいる。
いまどき の人には 奇妙な爺である。
「海 行かば 水藻かばね
山 行かば 草むすかばね
大君の 辺にこそ 死なめ 省みは せじ。」
丁度、昭和天皇 実録が出版されているとき
私にとって 大君とはなにだったんだろう。
父が 難病に絶えながら 寝込んでから10日目になくなった。
苦しかったのだろう。
私に 開腹を頼むように 腹部をたたいた。
父が生きを引き取る瞬間 激しい嗚咽が私をお去った。
身体障害者の父が 生涯かけた 桃源郷のむらつくりは
将に死に物狂いの戦いであった。貧しさとの戦いだったから
一夜を泣き明かした。
私にとっての大君は父だったのかもしれない。
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