2007年は子どもが2歳だったのでドラマは全然観れていません。(いまは、ごみ捨てくらいは行ってくれる中学生になりました。)
物語は、篠原涼子演じるスーパー派遣・大前春子が「○○ですが、それが何か?」を繰り返し、無愛想かつ不遜な態度でテキパキ仕事をこなし、契約範囲外の仕事は絶対にしないと言いつつ大活躍するお仕事ドラマです。
12時きっかりに昼食にいき、定時の瞬間に帰る、残業代を払うと言われても「行きたくもない歓迎会でしたくもないお酌をさせられるくらいなら、クビにしてくださって結構です!」と言い切る頑なさが小気味良く楽しかったです。
大泉洋演じる正社員の東海林は、社員は同じ釜の飯を食う仲間であってほしいという昭和男で、派遣が来るようになったことが気に入らない、何かというと派遣を下に見てマウントを取りたがる人物です。
派遣が悪いわけはないのに、むしろ企業の雇用の調整弁され、会社の都合で簡単に切られる、正社員になりたくてもなれないという不安定な働き方を強いられる被害者なのに。(もちろん、好きで派遣の人もいますけど)
加藤あい演じる新米派遣の森みゆきは、大学を出ても就職先が決まらずやむなく派遣になる、今でいう氷河期世代でしょう。職歴がないのでパソコンスキルも怪しく、しかし派遣会社はスキルアップのフォローもしない。いまどこにでも蔓延る「(教育もしないで)出来上がっている人材」を若者に求める構図に憤りを感じました。それで当人が「私はダメな人間」なんて落ち込んでいるのを見ると、そんな事ないよ!と全力で励ましたくなります。
大前春子は、かつて大手企業の破綻によってリストラされた過去があることが窺えます。色々な職場を渡り歩きながら、自分のスキルが高ければどこでも生きていける、“会社を信じても裏切られるだけ”という境地に至っていることもわかります。
だからあんなに鉄壁な拒絶姿勢なのか、と。いつか別れるに決まっている同僚とも馴れ合わないのは、そういうことなんだとわかると、コントっぽいクールさにも納得がいきました。
切ない境遇や世知辛い世相を表したドラマですが、完全シリアスでもなくコメディ要素(大泉と篠原のやりとりはコント!)が強いため、楽しく観られました。
今月からの放送が楽しみです。
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