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花日和 Hana-biyori

小説『AX アックス』聴きました。

『AX アックス』伊坂幸太郎 (角川文庫) オーディオブックで。

殺し屋シリーズ3部作の3作目。AXは「斧」という意味。

妻と高校生の息子と暮らす文房具メーカーの営業マン三宅は、実はとある開業医から仕事を斡旋される殺し屋「兜」だった。兜は息子が出来てから殺し屋を辞めたがっていたが、医師はそれ許さず、兜はなんとか抵抗を試みる。


最初のほうは恐妻家の殺し屋カブトの視点で展開し、前作のスピード感に比べるとやや退屈だった。とくに蜂退治の場面は後から考えると重要だったけどつまらなかった。そんなに妻に怯えたり対処法を並べられたりしてもなあ。必殺仕事人の婿殿みたいだけど殺人の仕事もけっこう雑な面もありあそこまでのギャップ萌え的なものもなくユーモアも感じず。

しかし後半は息子カツミの視点と交互になり父の謎を追うのと読者は危機を知ってるのでハラハラ目が離せない急展開だった。

医師から父親のことをどこまで知ってるのかと(ごく僅かに)嘲笑されたとき、息子にしか分からない父の特徴をカツミが言い返すところがよかった。これを示すために前半は家族の会話の丁寧な描写があったんだなと納得。これは兜の“家族の物語”でもあったのだ。

タイトルの意味には、か弱いものが大きな力に立ち向かうひたむきさが込められていたことを後から気付いて感動した。しかしあの決着の付け方は、凄いけど後から考えると危なすぎてやばい。

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