ハナウマ・ブログ

'00年代「ハワイ、ガイドブックに載らない情報」で一世を風靡した?花馬米(はなうま・べい)のブログです。

LINEにおける情報保存

2023年02月06日 | 情報・通信システム

スマートフォンを使用する日本人の中で、「LINE(ライン)」は最も多くの人々が使用しているコミュニケーション・アプリと言えるかもしれない。無料で気軽に使用できるわりに、じつはかなり機能も豊富である。本稿ではその機能の中でも情報保存(ファイル保存)に関して、筆者なりに整理をしてみた。
ただし決して操作「手順」の解説などではない。あくまでも「ものの考え方」的なアプローチである。具体的な操作についてはLINEの公式サイトを本稿末尾に記載しているのでご参照いただきたい。

INDEX

  • はじめに
  • 「アルバム」と「ノート」はトークルーム内にある
  • 「Keepメモ」と「Keep」は似て非なるもの
  • 「ダウンロード」と「転送」は自由度が最大
  • さいごに(ちょっと脱線して企業向けの話)

はじめに

インターネット技術に絡むあらゆることについて言えることだが、技術は常に現在進行形である。ここに記述されている内容も、細かいところでは数ヶ月もしないうちに状況が違ってくることはあり得る。
そこで、枝葉末節にはこだわらず、いわゆる「ザックリ理解」として目を通していただければ幸いである。

筆者の整理によれば、LINEで人から受け取った情報(写真や動画、会話のテキストなど)を保存する方法や場所は6種類あるようだ。といっても怯(ひる)む必要はまったくない。背後に流れているものの考え方が理解できれば、操作手順など何でもないことである。

保存しておきたいと思った写真やトーク(会話テキスト)などを、画面上で長押しすると、その保存しようとする「対象の種類に応じて」、保存可能な場所や実行可能な操作が表示される。
つまり保存できない場所や、実行できない選択肢はそもそも表示されないようになっている。

それでは先ほど述べたように、6種類に分類して解説する。
「アルバム」「ノート」「Keepメモ」「Keep」「ダウンロード」「転送」の6つである。ちょっと目が眩(くら)みそうかもしれないが、似たもの同士で分けて考えれば、意外と腑に落ちてくるものである。

「アルバム」と「ノート」はトークルーム内にある

「アルバム」と聞くと、筆者などは「コクヨ フエルアルバム」を想起する。紙焼写真を長期保存するための、シール式台紙を重ねたバインダーだ。
LINEでいう「アルバム」もこれに近い。別の言い方をすれば「写真しか保存できない」ということである。敢えて挙げれば、複数の「アルバム」に分類保存する機能はある。要するにフォルダ分けである。

「多機能こそ善」と信じて生きてきた人(昭和型日本人?)にとっては、なんだか無視してもよさそうな機能だと感じるかもしれないが、これは「写真の保存」が非常によく使われる機能であるからこそ、単機能として特化されていると考えた方が正解だろう。
フエルアルバムの時代と違い、写真は人々と共有して楽しんだり、ビジネスシーンで即時に情報共有したりするものなのである。誰でもサクッと使える単純さこそ重要なのだ。

いっぽうの「ノート」は、いってみれば「なんでも貼りつけノート」である。大学ノートに新聞の切り抜きを貼ってみたり、直接書き込んだり、あるいは資料を挟み込んでみたりしたようなことを、電子的にやっているイメージだ。
写真はもちろん、トーク(画面上の会話文字)、動画なども保存しておける。
ただし、PDFだとかエクセルファイルだとかは保存できない。まぁ、「通常はパソコンで扱うようなサイズの大きいファイルはダメ」と覚えておけばいいだろう。

さて、「アルバム」も「ノート」も、要するに「トークルーム」の中に存在しているということがポイントである。
つまり、Aさんとのトークルームであれば、Aさんとのみ共有でき、他の人からは見えない。
3人以上でつくるグループでも同じことで、例えばあなたのほかにA, B, Cさんの4人でグループをつくっていれば、そのトークルーム内にあるアルバムやノートに保存された写真やテキストは、この4人だけが共有することが出来る。
したがって、何らかの事情でトークルームを削除するような事態になれば、この中にあるアルバムもノートも消えてしまう(はずだ)。

さらに、アルバムやノートに保存されたものは、「削除」に関してルールがある。
アルバム上の写真は、そのトークルームに入れる誰もが削除できるが、ノート上に保存された写真やテキストなどは、それぞれの投稿者しか削除操作ができない。

「Keepメモ」と「Keep」は似て非なるもの

一見してわかりにくい保存場所が、「Keepメモ」と「Keep」である。名前は似ているけれど別物である。
一言でいうならば、「Keepメモ」は日常的に使うちょっとした自分専用のメモ帳。これに対して「Keep」は、比較的長期に保存しておきたいものを置いておく自分用保管庫である。

まず「Keepメモ」のほうだが、この実態は、自分一人しか入ることが出来ないトークルームである。すなわち、自分が自分に向けて投稿する機能しかないトークルームなのである。そのため使い方としては、やはり日常使いのメモになるだろう。
この「Keepメモ」は、新たにトークルームを作成しなくとも(LINEのバージョンを更新していれば)、勝手にトーク一覧の一番下に「Keepメモ」という名前のトークルームが表示されているはずだ。

写真、動画、ボイスメッセージ、ファイルなどが保存(投稿)できるが、筆者が個人的に気に入っているのは、ボイスレコーダー機能(ボイスメッセージ)である。もちろん、通常のトークルームでも声を録音して友人たちに送信することは可能だが、「Keepメモ」に自分でしゃべって音声記録しておけるというのは、なにかと便利である。たとえばスーパーで買うべき品物のリストなど、いちいち手入力しなくていいのでラクである。

さて、いっぽうの「Keep」である。コイツの実態は、LINE側のサーバー上に保存されるデータ保管領域であり、つまりはクラウドストレージである。写真やトーク内容はもちろん、PDFやExcelも保存可能だ。
そして、各種ファイルの種類によって自動分類されるので、たくさんのファイルを投げ込んであっても検索がしやすいという特長もある。これは分類「保存」ではなく分類「表示」の機能であって、スマホで重要となる「パッと見検索」とでもいう探し方には具合がイイのである。

ただしクラウドストレージといっても、Microsoft OneDriveだとか、Google Driveのような高度なものではない。
「Keep」にアクセスするためには、(スマホであれPCであれ)LINEアプリを起動し、このアプリの中からしかアクセスすることが出来ない。一般的なクラウドストレージのように、ウェブブラウザからURLを入力してアクセスするとか、同様にURLをメールで送って相手に見てもらうなどのような芸当は出来ない(もちろんアクセス制限のようなことも想定外)。

また保存容量は1GB(1ギガバイト)が上限である。原則として保存期限はないが、1ファイル50MB以上のものは30日間までとなる。動画は5分以下のものしか保存できないようだ。
つまり動画の保存場所としては向いていないといえるだろうし、(人にもよるだろうけれど)自分の生活全般にわたるデータ保管場所、あるいはアーカイヴとして考えるのにはやはり無理があろう。

しかし、これらは制限というよりも、期待する方が無理スジだ。あくまでもパーソナル・コミュニケーション・ツールの、しかも無料サービスの機能である。
仮にそこまで期待するのであれば、LINEの有料サービスや、一般的なクラウドストレージサービスを検討することになる。

以上のように「Keepメモ」と「Keep」の実態は大きく異なっているが、「自分だけの保存場所」という点では共通している。
そこでこの二つは、それぞれの画面からお互いにすぐにアクセスできるようにデザインされている。
使い慣れれば、かなり便利なものになりそうだ。

「ダウンロード」と「転送」は自由度が最大

「ダウンロード」は、自分がいまLINEアプリを起動させている手元の端末(スマホやPC)に写真、その他のデータファイルをコピーすることであり、手元の端末に「落とした」以上は、いかようにも料理できる。すなわちLINEではない、別の任意のアプリで取り扱うことも出来るわけだ。

先に解説してきた「アルバム」「ノート」「Keepメモ」「Keep」はすべて、あくまでも「LINE」という特定のアプリの管理下でしか取り扱えない。
しかし受け取った写真を「ダウンロード」してしまえば、手元の端末にインストールされている、より高度な修正アプリで美しく仕上げたり、あるいは送信者から受け取った、制作途中の文書や作品を、引き続き自身の環境で作業したりするといったことも可能となる。
ひとつ注意する点と言えば、ダウンロードばかりして放っておくと、特にスマホの場合は保存容量の関係でスマホそのものの動作がおかしくなる場合があることだ。スマホに動画などを多く保存している人は要注意である。

もうひとつの「転送」は、「LINEに登録された友だち、あるいは別のアプリへ引き渡す(転送する)こと」と理解すればいい。
LINEではない別のアプリへデータファイルを引き渡すという点で言えば、「ダウンロード」に比べて手間が減る場合がある。

さいごに(ちょっと脱線して企業向けの話)

「Keep」の説明の項で、より高度なものを目指すのなら有料版のサービス等を検討すべき、といった記述をした。そこで単純に、「そうかぁ、やっぱり本格的なものはそれなりにカネがかかるんだな。よし、有料版に切り替えだ!」という発想になるとしたら、リーダーとして、あるいは企業や組織の担当者としてはちょっとヤバイかもしれない。

会社であれ同好サークルであれ、そこで標準として採用するシステム(アプリ、ソフトウェア、ソリューション)が、その集団に本当に適合していて、その集団の活動がより活発になるかどうかということは、じつはそう簡単に判断できることではない。

「カネのかかるLINE」という言い方をすれば、「LINE for Business」と「LINE WORKS」というのがあるようだ。
店舗経営など比較的小規模なビジネスを対象に、LINEの機能とサービスを追加してパワーアップさせようというのが前者であり、一定規模以上のビジネスを対象に、システムエンジニアや専門職なども交えて基幹システムレベルで「構築」していこうとするのが後者のようである。
共通することは、どちらもSNSであるLINEから発展し、高度化・高機能化してきたものだということである。これは、強みでもあり同時に弱みでもある。「特長」ではなく「特徴」だという意味である。

新規にICTシステムを導入する場合や、既存システムの刷新を検討するとき、複数の業者を呼んでプレゼンさせたり、比較検討したりするのは当然かもしれない。
しかしいずれにしろ業者たちは、自社の製品を売り込むために、あらゆる論法で(時には荒技で?)「お宅にはウチのがイチバン、当社しかない」という結論に持ちこむ。

本来ならそこには、客となる企業組織側でもなく、業者側でもなく、中立的な立場でモノを言ってくれる「本当のICTコンサルタント」が必要だ。
しかしそれは、売る側の情報をほぼ完全に理解している大手家電店の優秀店員のような存在ではない。単なる物知りでは組織のためにはならないのだ(大手ドラッグストアのTVCMに出てくる、白衣を着て眼鏡をかけた「近所のお子さん」と同じである)。

システムを導入しようとする人間集団が大企業であれ小規模店舗であれ、それがどんな「人」たちで構成されているかを把握したうえで、その集団の将来をある程度見越しながら、助言できる人物でなくてはならない。
本当に優秀なICTコンサルタントは、人間集団としての企業や組織を徹底的に調べようとする。特に、組織内の分断だとか、縦割り状態に悩んでいるような場合は、上層部も含めてそこに所属している人たち自身、自分たちが見えていないという場合が少なくないからだ。

筆者は現在もICT分野の仕事を細々と継続しているが、数十年前も令和のいまも、ICT分野の人間臭さ、泥臭さを潜り抜けてきたつもりである。
先に挙げた、同業者組合代表のような「ものしりコンサル」、じつは結論ありきで巧みに誘導して来る「御用コンサル」、短期的で視野が狭い「コスパ・コンサル」などが多い中、本当に人間組織を見据えて助言できる人がいなくなったなぁ、というのが正直な実感である。

と、いうことで「さいごに」が本題のような重みになってしまったが、まぁこれも、書籍ではないブログの気楽さということでお許しいただきたい。
今回はこれでおしまい。

【関連リンク】
LINE公式「LINEみんなの使い方ガイド」


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