先日、筆者のスマホが突如として再起動を繰り返すようになってしまい、制御不能に陥ってしまった。
ドコモショップで「復旧不可能」と判定されたスマホには「モバイルSuica」という電子マネーが入ったままである。もうあきらめるしかないのであろうか!?
突如、スマホが再起動を繰り返す
問題を起こしたスマートフォンの機種は、富士通製の「arrows F-02G」というAndroidスマートフォン(以下「旧端末」)で、5年数か月のあいだ使用してきたものである。ドコモショップで購入したものなので、当然ながら回線契約はNTT DoCoMoである。
これがある夜、何かの拍子に再起動を繰り返すようになったのだ。
スマートフォンは通常、電源を入れると端末メーカーや機種ブランドのロゴ、契約している通信事業者のロゴなどが表示される。そしてこのあと本格的にOS(基本ソフトウェア)の起動プロセスに進んでいく。
OSは私の場合はGoogle社製のAndroidだし、iPhoneを使っている場合ならApple社製のiOSということになる。
しかし私の旧端末は突然、このOS起動プロセスまで進む前に、電源を入れたばかりの状態へ戻ってしまい、数秒間隔でこれを延々と繰り返すようになったのだ。
そのまま放置し続けるとバッテリーが無くなるまで再起動を繰り返してしまう。
そこで、本体側面の「電源ボタン」と「音量下げ↓ボタン」を同時に押し、そのまま10秒ほど押し続けた後に、画面が消灯したタイミングを狙って両方とも離す。
これで強制終了ができる(機種によって強制終了の方法は異なります)。
ドコモショップへ
翌日、さっそくドコモショップへ駆け込む。 本来なら予約をしておいて、その時刻に店へ行くのがスジなのだが、ウチから最も近いドコモショップは、たいていは数日先まで「満席」になっている。
とはいえ突然の故障だし、代替機を準備してもらうなり何なりして、少しでも早く通信可能な状態に戻りたい。長時間の待ちを覚悟で直接行ってみたところ、運よく比較的短時間で対応してもらうことが出来た。
しばらく、旧端末を調べてもらっていたが、結論としては「ほぼ復旧不可能」ということであった。どうやら、起動後にその先の起動プロセスへ進む余力?が無くなってしまっているということらしい。
考えてみるとこの現象は数か月前にも経験している。その時はたまたま起動に成功して、ここまで使い続けてきていたわけだ。
なお「ほぼ復旧不可能」というのは、起動を何度もトライしているうちに、まれに起動プロセスに進む場合がないとも言えない、ということだそうだ。
また、故障している旧端末をドコモに預け、いわば大手術を試みることもできる。これは、必ずしも端末内から情報が取り出せるとは保証しない前提で、取り出せたデータのみをCD-ROMに焼きこんで、ユーザーに提供するというサービスなのだそうだ。期間もかかるだろうし、費用も8千円ほどかかるそうだ。もちろんまったくデータが取り出せなくとも費用は発生する。
電子マネーはどうなる
「形あるもの、いつかは滅す」ではないが、グズグズ嘆いたって仕方がない。
そもそも自分という存在すら絶対的なものではないし、最近は「存在って結局なんなんだ?」などと仏教的思想で考え始めているので、「ほぼ復旧不可能」と宣言されて、潔く新機種へ移行することに決めた。
データのほとんどはドコモのクラウドや、マイクロソフトのクラウドストレージ「OneDrive」に預けてある(厳密に言えば同期設定)。しかし、旧端末にしか保存されていないデータや設定もある。
そこで一つ気になったのが、旧端末に残っている電子マネーの残高である。 具体的には、JR東日本のモバイルSuicaアプリのデータということだ。
モバイルSuicaはもちろん、ICカードタイプのSuicaなどでは、「ストアード・フェア(SF)」といって、スマートフォンやICカード自体の中に金銭的価値である情報が保存されている。
すなわち、前払いしておいた(事前にチャージしておいた)運賃・料金(Fare)が、手元にあるスマホやカードに内蔵されたICチップの中にしまわれている(Stored)のである。
ということは、旧端末が起動不可能となった現在、Suica電子マネーは消滅したも同然ということだろうか!?
通常の機種変更の場合、旧端末でそういったデータをサーバ側(JR東日本側)にいったん預ける操作を実行し、新端末でそのデータを取り戻す操作をすることになる。
しかし今回は旧端末のAndroid自体が起動不能だから、その上で動作するすべてのアプリも起動できない。電子マネー(や電子定期券)のデータをサーバへ預ける操作などできないのだ。
「制御不可能」は「紛失」と同じ考え方
調べてみたところ、このような場合は旧端末の紛失と同じ扱いになるとのことだ。
つまり、旧端末でモバイルSuicaアプリの操作が出来なくとも、「救いの道」はあるということだ。
また今回は紛失・盗難ではないので、電子マネーの不正使用が保証されないということを心配することはない。
さて具体的にはどうなるか。ザっと次のようなステップとなる。
- パソコンでモバイルSuicaのサイトへアクセスし、モバイルSuicaのIDとパスワードでログイン後、再発行「登録」を行う
- 翌朝5時以降、新端末上のモバイルSuicaアプリから、やはりモバイルSuicaのIDとパスワードでログイン。
メニューから「初期設定」を選んでクレジットカード情報を改めて登録し、再発行「操作」を完了させる
つまり、そもそもパソコン(PC)を準備する必要があるということだ。
ただPCがなくとも、多少の使いにくさを我慢できれば、スマホ画面で操作できないこともなさそうだ。
なお、多くのスマホでは、あたかもパソコン(のウェブブラウザ)からアクセスしているように見せかける機能(PCビュー機能)もあるが、筆者の環境で実験したところでは、これを利用しても見た目の変化はなかった。アクセスしてくるウェブブラウザの種類を判定しているわけではなさそうだ。
「登録」した翌朝、新端末で「操作」してみると、無事Suica電子マネーは元に戻った。当然だが、残高は元のままだったし、各種使用履歴情報も残っている。
コロナ禍で収入がガックリ落ちているいま、電子マネー消失は痛いと思っていたが、さすがJR東日本のSuicaシステムはそんなヤワなものではなかった。
と、いうことは、ストアード・フェア(SF)システムといっても、個々の物理的なICチップごとの残高情報などは、サーバ側で管理しているということなのかもしれない。
そして、その情報をもとに新端末側に価値(SF)の復活を承認し、同時に旧端末側が修理復活(または発見復活)したとしてもその端末上での価値を認めない(関連付けを認めない)しくみになっているのかもしれない。
あくまでも個人的推測だが。
メモ
ちょっと気になったポイントを挙げておく
- Android/フィーチャーフォンからiOSへの機種変更や、その逆にiOSからAndroid/フィーチャーフォンへの機種変更の場合は再発行の手続が出来ない、または特殊な操作ステップが必要(→参考サイト)
- Suica定期券が登録されていた場合で、すぐに新端末で定期券を使用したいときは、既述のPCでの再発行「登録」から10分以上経過後、新端末で再発行「操作」を行えば、とりあえず定期券部分だけは利用できるようになる。電子マネー等の他の機能・サービスについては、やはり翌朝5時以降にモバイルSuicaアプリに再度ログイン操作することにより使用できるようになる
- iPhoneを使用している場合、Suicaの種類によって再発行後の受取り手続きが異なる。また本人しか利用できない記名式Suicaである「MySuica」は移行手順などに注意事項がある
私もタブレットが同じ症状となりました。
少しほうっておいて、起動をかけると
フリーズした画面より先に進むようになりました。
タブレットは撮影した画像のプレゼンで使うようにしていたので、
さしたる実害はありませんが
それでも気分が悪いです。
スマホ本体もGoogle との相性が悪く
あまり良いツールとは思えませんでした。
最近、クラウド化が進んで、
他機種や他OSを排斥するソフトが多く
利用者軽視の風潮が強くなりました。
「より便利になる!」と思っていても、じつは企業によって緻密に考えられた、利用者の囲い込み戦略に飲まれているだけだったりすることがありますね~。