『続・資産家サークル、“マネー・パラダイス”』

こんにちは、やや半次郎です。

今日は先週の続きです。
早速、“やや半”の可笑しな世界をお楽しみ下さい。

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『続・資産家サークル、“マネー・パラダイス”』

ようこそ、ここは資産家の資産家による資産家の為のサークル、“マネー・パラダイス”です。

さあ、今のお時間は、数々の浪費アイテムをご購入頂くチャンスとなっております。

最初のアイテムは、幸運にも初参加の資産家の方がご購入されました。
ビギナーズラックはこういうものにもあるのですね。

さてお次の、幸せを運ぶ浪費アイテムは…これです。

ジャ～ン！
賞味期限も消費期限も切れているこれらの食品を、何と１年分！

これは凄い。
絶対に食べられない、ただ捨てるだけの食べ物が１年分です。
さあ、お幾らの値を付けますか～？

はい、そこの見るからに“年季の入った資産家”といった風情の漂うお方。
お幾らでしょう？

「わぁ、こんなに無駄な物は無いねぇ。わしゃ、感動で震えておるわい。
しかし、よく１年分も集めたものじゃのう。ありがたいのう。
それではわしの付けた値段を発表するとしますかな。
この食べられない食品、１年分の値段は…、７３０万円でお願いします。」

えぇっ？
１年３６５日ですから１日分が２万円の計算になりますね。

「そうじゃのう。
これだけのモノを集めて来なさったその努力に、感動したのじゃ。」

ありがとうございます。
この全く無駄な食品、ただ捨てるだけの食品に、何と７３０万円の値段が付けられました。

他にございませんか？

お～っと、タイム・アウトです。
この食べられない食品１年分は、７３０万円で落札されました。
それではお名前を教えて下さい。

「わしは、“田丸在”と言います。
皆さん、必ずさん付けで呼んでくれまして、“たまるざいさん”と…、えぇ、よろしくお願いします。」

な～るほど、正に名は体を表すですね。資産家には、これ以上ないと言ったお名前です。

さて、それでは次のアイテムを…。

…〈約２時間後〉…

さて、先ほどのアイテムで、丁度、３０のアイテムを消化しましたが、まだまだ浪費アイテムは沢山残っております。
アイテムがある限り、このコーナーを続けさせて頂きます。

「お～い、ちょっと待ってくれ。いつまでやるんだ！
皆さん聞いて下さい。このサークルは、一見、金持ちの為に創られたサークルのように見えますが、実は全く逆で、金持ちを食い物にしているだけのどうしようもないサークルなんです！」

あらあら、何てことを仰るのかしら…。
お客様、それはどういう意味でしょう？

「どういう意味もへったくれもないですよ。
何ですか、賞味期限の過ぎた食べ物だなんて！」

いやいやそれは浪費の為のアイテムで…。

「その前が、全く乗れない自転車。
他にも、ピクリとも動かないシーソーとか、変わったところでペニシリンの素なんていうのが有ったが、何のことはない、ただの青カビじゃないか。
どんな価値があると言うんですか。
君らはただ、他で相手にされないモノをこのサークルで売ってるに過ぎないんじゃないか？
二束三文の品を何百万もの値段で売るんだから、ボロ儲けに違いない。
しかも会員の中には、ここで財産を失った者もいる。」

それは心外ですね。私たちは一切、強制しておりませんが…。

「強制していないと言いながら、このコーナーばかりやっていて、食事も飲み物も全く出さないじゃないか。
みんなお腹は空くし、喉は渇くしで、下手な暗示にも掛かってしまうんだよ。」

「そうだ、そうだ！
何だ、こんなもの、壊したって勿体無くないぞ。」

お客様、乱暴はお止め下さい！

「おっ、今、“お客”と言ったぞ。私たちはサークルの会員じゃないのか。それが何で客なんだ？
やっぱり、変なモノを売りつけて儲けてるんじゃないか！」

あっ、いや、その…、言葉のアヤでございます。

「みなさ～ん、コイツらの口車に乗せられて、資産を無駄にするのは止めようじゃありませんか～！」
「全くだ～！」

うーん、気付かれたか…。

「気付かれたかだって？
本性を出しましたね！」
「おやっ、見てみなよ、仲間割れが始まったぜ！」

事務局長の金田くんの強引な進行が悪かったのじゃないかね？

えっ、私の用意した浪費アイテムの方が悪いだと？

何を言うんだ、金田くん。私の用意したアイテムは全部売れたじゃないか。
しかも、高値で。

えっ、それが悪いって？
しかも、給料が安いだと？
金田くんの給料は、今は関係ないだろ！

ムカムカ～！
腹立ってきた。一丁、殴ったろ！
ポカリ。

ポカリ、ポカリ。
わっ、何するんだ。金田くん、２発も殴ったかよ？

ポカリ、ポカリ、ポカリ。
何で３発も…。

ボカ～～ン！！！

「あぁ、凄絶な殴り合い！」
「今度は取っ組み合いになった！」
「わっ、腕ひしぎ逆十字だ！」
「あぁ、鷲野理事長の腕が取れた！」
「わっ、今度は金田さんの腕が…！」

「中から機械のコードみたいなモノや油みたいなモノが流れて来やがった！
あいつら…、ロボットだったんだ！」

止めて下さい金田くん、くん、くん…いや、いや、いや、いや、金田さん、金田さん、金田さん…。

何だか“金出さん”みたいに聞こえるじゃないででデデデすかかかカカカ…。

よよよようこそ、シサンカサンカサン…、ロロロロ、浪費、ロロロロ、浪費…。

ワレワレは、シサンカから、から、から…、おカネをスイアゲるのがシゴトトト…。

デモ、コンナニ、フカデヲオッテシマ、シマ、シマッタッタ。

モウ、ダメだ、ＣＰＵが破壊されたり、誤解されたり…。

金田くん、くん、くんは、誤解されされされたが、私のタワシノ、ゴカイはナナカイだったんだった。

サイゴにコレだけはイッテオキタイ、キュウ、キュウ、キュウリ…。

…ココ、ココ、ココは、ノーマネーパラダイス…。

ノーマネー、ノーマネー。
ココアはヤッパリ…、ノーマネー…。

…プスプスプス…。
…プスプス…。

…プス…

…ス…

……


By やや半次郎