こんにちは、やや半次郎です。
三連休の初日も、やや半次郎のおかしな世界をお楽しみ下さい。
………………
『詩人』
そう、かれこれ30年前になるだろうか、私が初めて詩を書いたのは。
まだ5歳の可愛い盛りの頃だった。
自分の事を“可愛い”などと言い切る男は、詩人でしか有り得ない…と、そう思うだろ。
だから私は詩人なのだ。
でも詩なんか書いたことは無い。
読んだことすら無い筈だ。教科書に出てくる作品以外はな。
それでも根っからの詩人なだけに、書けと言われれば、いつでも書いてしんぜよう。
「じゃあ、書け!」
あっ、誰だお前は?
私に命令するのは、ギャラを払ってからにしてくれよ。
えっ、何、幾ら欲しいかって?
そりゃお前、幾らでも…、いやいや、私くらいの詩人になると、一作品が100万円は下らないなぁ。
どうだ払えるかな?
払えるだと~?
ホントに払うんだな、払えるんだな?
えっ、金額に見合った作品じゃなきゃ、お金を返して貰うって?
分かってるよ。私の作品はそんなに安っぽいモノではない。
…よし、出来た。
「獅子の背に、さしすせ育った狸の子。
たちつて尖った牙を持ち、
なにぬねのんびりお散歩よ。
はひふへ本当に良く出来た。
まみむめ勿論、良く出来た。
この詩、何の詩、気になる詩。
見たこともない詩ですから、
見たこともない花が咲くでしょう。」
と、どうだ~!
即興の割りには、私らしい素晴らしい作品だろう?
何、何か変だと~?
何が変なんだよう。言うてみ、言うてみ~。
フムフム、狸に牙があるかってか?
あるだろうよ、狸にだって牙ぐらい。
…無いか?
猪の間違いか?
いやいや、よしんば猪との間違いであろうと、大した事ではない。
この詩のテーマは後半にある。
そうだとも、「この詩、何の詩、気になる詩」これ以降がこの詩のテーマ部分なんだ。
何をッ、パクリだ~?
おいおい、冗談を言って貰っちゃあ困るよ!
ヘビがカエルを食べるところで流れる効果音じゃあるまいし、パクリな訳ないだろうよ!
えっ、日立の社歌になってるあの有名な「この木、何の木、気になる木」にそっくりだ?
おうおう、兄ちゃんよぉ、いちゃもんつけんのか?
えェ、お前さん、どこに耳を付けてやンで~。“木”と“詩”が同じかよ、えッ!
“木”は植物だろうがよ、なぁ。
そして、“詩”は文化だろうよ。
ジャンルが違うってか?
何だよジャンルって?
どうでもいいけど、これだけの詩に一銭も支払わないアナタの態度が気に入らないのよ。
…とどうだ詩的な言い回しだろ。
歌謡曲にありそうだろ。
「裏切られても会いたいの
あなたの後をついて行く
命燃やして尽きるまで
あなたを失いたくない私
きっと最後は払ってもらう
この詩の対価の100万円」
…と、どうだ、いいだろ、これも。
何だよイヤらしいって。
味もソッケもないって、何だよ?
大体、詩なんて食べるもんじゃないだろうよ。
山羊じゃあるまいし、味があってたまるかってんだ。
しかも“ソッケ”ってなんだよ?
焼いて食べると旨いのは“ホッケ”だろうよ。
ソッケだなんて、なぁ、間違えんなってんだ。
…待てよぅ、ちょっと~、何処行くんだよ~。
お前が居なくなったら寂しいじゃんかよ~。
俺も連れてけよ~。
こんないい加減な詩人なんか辞めて、真面目に働くからよ~。
「夕闇が二人をこの窓辺で包む
素晴らしい幸せが、明日も来るだろう
星と輝く君の瞳は、
恋するこの胸は、炎と燃えてる」
えっ、加山雄三だろって?
何で分かったの?
凄~い!
オレ、尊敬しちゃう!
アニキ~!!!
From やや半次郎
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