2022年9月15日のまにら新聞から
9月15日のまにら新聞から
相続税、歴史問題に口開く 就任後初のロングインタビュー
大統領が就任後初のロングインタビューに応じ、相続税や歴史修正問題について語る
民放ALLTVで13日、ボンボン・マルコス大統領就任後初となる対談形式独占ロングインタビューが放送された。聞き手を務めた歌手・女優でテレビ司会者のトニー・ゴンザガさん(38)は、選挙運動の支援、就任宣誓式での国歌斉唱を行うなど大統領と公私共に近い人物。同氏は関係の近さを逆に利用し、2030億ペソの相続税問題、父を裏切ったエンリレ氏を大統領顧問に任命した理由、歴史の教科書を書き換えようとしているのかなど、切り込んだ質問をぶつけた。大統領は時折、目に涙を浮かべながら、自身の考えを吐露した。
▽財産すでに放棄
2030億ペソに上るとされるマルコス家の相続税問題については「この問題が提起されたとき、われわれはハワイのヒッカム空軍基地内に拘禁されており抗弁の機会は与えられなかった」と説明。「今マルコス家は比に住んでいる。裁判を開き、1987~89年にできなかった主張をさせてほしい」と訴えた。
主張したい内容については「現在、われわれが相続したと言われている財産の調査をしているが、そのほとんどをマルコス家は所有していない。実際、権利放棄書に何度も署名してきた。(父の)財産がほしいなら、持っていってほしい」と述べた。
故マルコス元大統領を裏切り1986年のエドサ革命(2月政変)を成就させたエンリレ元国防相を、なぜ主席大統領法律顧問に登用したのかという質問には「簡単なこと。比で最も優れた法律家だからだ」と回答。
エンリレ氏とは「過去の話をいつもする」関係という。当時国防相だったエンリレ氏が政府に反旗を翻し立てこもった国軍本部から掛けてきた電話を大統領府で受けたのは自身だったことを明かし、「受話器を持ちながらエンリレ氏と父との会話を聞く限り、彼の行動は父への攻撃とは思えなかった」と振り返った。その上で「彼は国家を守るためにそれ(政変)が必要と考えたのだろう」と一家を亡命に追い込んだ同氏の行動に理解を示した。
また、エンリレ氏には「『なぜ政変後に自身が大統領を目指さなかったのか』と本人にもよく言っている」とし、同氏への高い評価を口にした。
▽父は独裁者ではない
メディアで「独裁者の息子」と形容されていることについてはマルコス大統領は「彼らは間違っているので気にしない」。父の政権時には「住民団体や農業団体が大統領府に陳情に訪れ、父が対応していたのを何度も見てきた」と振り返り「どんな政治体制であれ、こうした人物を独裁者と呼びはしない。父が相談に応じた団体の数はその後のどの政権より多い」とした。
学校では戒厳令について「故マルコス元大統領が権力の座に留まるための手段だった」と教えられていることについては、「当時の比は新人民軍(NPA)とモロ民族解放戦線(MNLF)との戦いという二つの内戦を抱えており、国家防衛のために必要な措置だった」との認識を提示。「共産主義の手は首都圏や地方主要都市の近くまで伸びていた。母はMNLFの分離独立を支援するリビアと交渉するため同国を訪問した」と述べた。
こうしたマルコス家側の歴史が一般メディア上では正当とされない理由について「歴史は勝者が書くからだ」とマルコス氏は指摘。 歴史教科書の修正について「事実に反しているものは修正すべきだ」との考えを示し「解釈でなく、事実について検討すべきだ。映像、写真、その他の記録は残っている。こちら側の認識の正しさは証明できる」と発言。言及を避けてきた歴史問題に対し、大統領就任後初めて自身の考えを吐露した。
幼少期から20年暮らしたマラカニアン宮殿に36年ぶりに自身が大統領となることで「帰宅」を果たした気持ちについてマルコス氏は「子どもの頃から父の執務する姿を見て『ああ、これが大統領なのだ』と思ってきた。今は自分がそうしている。とても言葉では言い表せない」と述べた。
当選が確定した5月9日、英雄墓地に埋葬された父の墓を訪問したとき「あなたがここ(大統領の座)にいるべきだ。あなたの業績が私をこの座に導いた」と伝えたことを明かし、涙ぐんだ。(竹下友章)
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橋の下に少女の遺体
カビテ州テレセ・マルティレス市カブコの橋の下で12日、16歳の少女の遺体が発見された。身元は少女の父親が確認し、通称ネネと呼ばれていた9年生の少女だということが判明した。遺体の首と頭部には外傷がみられ、地元警察は殺人事件とみて捜査を進めている。警察によると、重要参考人としてジェッフェ、ダン、ジェーンの3人が、すでに署で事情徴収を受けているという。警察は被害者がレイプされた後に殺害された可能性もあるとして、容疑者逮捕に総力を挙げるとしている。(14日・テンポ)
2022年9月14日のまにら新聞から
9月14日のまにら新聞から
大統領が「災害宣言」延長 「コロナ明け」来年まで持ち越し
大統領が新型コロナ「災害宣言」を延長。「コロナ明け」は来年に持ち越しに
マルコス大統領は12日、ドゥテルテ前大統領が新型コロナ国内感染例判明を機に2020年3月16日に宣言した「災害宣言」を再延長する大統領布告第57号を出した。同布告は行政の裁量権強化や災害対策緊急積立金の使用、必要物資の価格統制などを可能にしている。効力の期限は12月31日。
大統領は12日に屋外でのマスク着用の任意化を決定したが、同布告により正式な「コロナ明け」は来年に持ち越された格好だ。
また、20年3月8日に布告された、感染拡大防止のための国家警察の動員や政府・自治体への権限強化を定めた公衆衛生非常事態宣言=失効期限なし=も解除されていない。
保健省は新型コロナワクチンの緊急使用許可や医療従事者への各種手当も災害宣言に基づき実施されているとし、宣言解除に難色を示していた。(竹下友章)
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新型ワクチン年明け確保 オミクロン株対応
オミクロン株対応の新コロナウイルスワクチンを2023年第1四半期に確保できる予定
屋外マスク任意化を歓迎 観光省 「経済好転に期待」
観光省は、屋外でのマスク着用を任意化する大統領令を歓迎。「経済の好転に期待」
昨年の死者数過去最多 コロナや栄養失調が増加
人口委員会は2021年の比人死者数が87万9429人に上り、前年比43%増で過去最多と報告
「苦難の記憶継承を」 旧マルコス政権描いた映画上映
民間団体イボンが旧マルコス政権下の人々の苦難を描いたドキュメンタリー映画2本を無料上映
誕生日会はごみ埋立地で マルコス大統領65歳に
大統領は65歳の誕生日にごみ埋立地での竹植えイベントに参加。環境への取り組みに決意を述べた
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2022年9月13日のまにら新聞から
9月13日のまにら新聞から
株式投資は日本がトップ 22年上半期のFDI46億ドル
上半期の海外直接投資純流入は前年同期比3.1%増の46億4100万ドル。株式投資は日本がトップ
中央銀行は12日、今年上半期(1~6月)の海外直接投資(FDI)の純流入が前年同期比3・1%増の46億4100万ドルだったと発表した。そのうち、親会社から子会社への貸付など「負債性投資」は12・3%増の33億4300万ドル、株式投資は24・4%減の7億3900万ドル、外国企業の利益再投資が1・9%増の5億5900万ドルだった。株式投資では日本からの流入が最も多かった。
6月単月だと、FDI純流入は前年同月比51・5減の4億7100万ドル。中でも負債性投資は71・9%減の2億1500万ドルと大幅に減少した一方、株式投資は1億3100万ドルで41・8%増加した。(竹下友章)
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屋外マスク任意化に署名 2年半ぶり着用義務緩和
大統領がマスク着用義務を屋外において解除する大統領令第3号に署名。約2年半ぶりに緩和
誘拐多発で調査を要請 比中国人商工会議所
中国人誘拐が多発していると比中国人商工会議所が発表。ポー上院議員が上院調査求める決議案
規律委廃止法案を提出 マルコス家不正蓄財回収に暗雲
下院で与党議員が故マルコス政権の不正蓄財回収を担う大統領規律委員会の廃止法案を提出
「超法規殺害続いている」 国際NGOが国連に訴え
国際NGOが超法規的殺害はまだ続いているとし、国連人権理事会に強力な決議の採択を求めた
「ワンダーランドへようこそ」 比最大「ロリータ」イベントに250人
マニラ市イベント会場「オタキュート」で比最大級のロリータイベント開催。250人が詰めかける
予選リーグ試合結果 日本人会ソフト大会
マニラ日本人会主催の第26回ソフトボール大会予選リーグ1日目がMJSグラウンドで行われた
占拠事件被害者に補償へ 予算に10億ペソ計上
マラウィ市占拠事件で自宅などを失った個人に対する補償金支払い向けの予算10億ペソが計上
「飢え」経験した家庭11.6%
SWSによると、6月時点で過去3カ月間に「飢え」を経験した世帯の割合が11.6%まで下がる
アカウント100万件停止 Gキャッシュ運営会社
デジタル決済子会社Gキャッシュは、100万件以上の詐欺疑いアカウントを停止したと発表
発電所ダウンで電力警報
ルソン送電網における電力需給がひっ迫し停電の可能性があるとしてレッドアラートを発令
オンライン犯罪に注意を 首都圏警察が女性に呼び掛け
急増するオンライン詐欺や性犯罪を受け、国家機密委が女性に注意喚起。SIM登録法にも反対
マブハイマイル会員情報が漏洩 管理会社にサイバー攻撃
PALマブハイマイルの管理会社がサイバー攻撃を受け会員の一部個人情報が漏洩したと発表
水銀の化粧品使用禁止を 環境団体が政府に呼び掛け
環境保健団体が一部化粧品に含まれる水銀の使用を全面的に禁止するよう政府に呼び掛け
大衆紙の話題
テニスの比人女王が誕生
アメリカ合衆国ニューヨーク州で開催された全米オープンのジュニア女子シングルス決勝で11日、アレクサンドラ・エアラ(17)=フィリピン=が全仏ジュニア覇者ハブリコバを下して初優勝に輝いた。エアラは終始試合の主導権を握り、1時間8分という短時間で決着をつけた。同選手は歴史的な勝利後の会見で「メンタル面で強く、安定してプレーができた。自分のためだけでなく、比テニス界のため全力を尽くした。」と思いを語った。ロムアルデス下院議長を含む比全土から称賛の声があふれている。(12日・Pジャーナル)