映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

2592-石盥の文字

2020年03月16日 | 30秒の心象風景
 神社に残される古い石造物には手水の石盥がある。今も現役で利用されているものもあるが、すでに本来の役目が何だったのかわからない状態になっているものも多い。しかし、そのおかげかもしれない、廃棄も更新もされず忘れ去られたように古いものが残されている。その壁面には大きな文字が刻まれている。多くは2文字で、水、漱、盤、盥などの文字が組み合わせられている。どう読むのかわからないが、盤盥と書かれたものをよく見る。江戸時代は右から読むのが普通だが、盤盥になっているものと盥盤になっているものの両方を見たことがある。市川町の姫大神社で見かけたのが盤盥で、そこから歩いて数分の大歳神社にある手水舎では盥盤と刻まれたものが置かれていた。姫大神社のものは寛政の年号が刻まれ、盤盥の文字はあまりバランスのとれていない稚拙な感じを受けるものだった。大歳神社のものはそれよりも後の天保の年号が刻まれていて、盥盤の文字も洗練されたバランスのいいものである。

30秒の心象風景15852・寛政五年の盥盤~姫大神社~
https://youtu.be/hVd4m39xUmk
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2591-石工の名前 | トップ | 2593-一対の燈籠 »
最新の画像もっと見る

30秒の心象風景」カテゴリの最新記事