神社の石造物に石工が名前を記すようになるのはいつ頃からか。播磨の神社や仏閣を訪問したとき、必ず石造物の年号を確認している。あまり見ることのない珍しい年号を見つけることを目的に始めたのであるが、それはより古い年号を探すことにもなっていた。しかし、現実には年号の見つかるもののほとんどが江戸時代後期のものである。石造物といえども風化が進めば廃棄されて更新される。古いものは残りにくいだろうということが想像されるが、はじめからあまり存在しなかったとも考えられる。地方の小さな神社では最も古いものは元禄の年号だった。それより古いものは、文化財として守られている鳥居のようなものだが、素朴でシンプルな造形が多く、大きさも小さい。それは、その時代の技術と経済が反映していると考えられる。庶民が豊かになってこそ、地方の小さな神社にも多くの石造物が残されたはずである。石造物に石工の名前が見えたのは、文化、文政時代の石造物で、それより古いものでは、まだ見たことがない。狛犬では、幕末から明治にかけて見ることが多く、それらは個性的で魅力的な造形のものが多いと感じる。
30秒の心象風景15849・石工の名前~姫大神社狛犬~
https://youtu.be/tOVaog_5viw
30秒の心象風景15849・石工の名前~姫大神社狛犬~
https://youtu.be/tOVaog_5viw