春の丹波を訪れたとき、迎えてくれたのは満開の桜だった。カーナビを頼りに訪れた古い神社では何度かシダレザクラに会うことがあった。見慣れたソメイヨシノよりもやや赤みが強い花をつけていて、全体に華やかな印象を受ける。垂れる枝振りが優雅さを増していて、目を楽しませてくれる。兵主神社の本殿脇のシダレザクラは燈籠全体を覆い被せるように枝を広げていて、花の間から燈籠がその姿をのぞかせている。サクラの花の下に入り、燈籠に近づくと、周り全体が花で覆われて、花に包まれた幸せな気分になった。燈籠を撮影しているとゆれる花が近づいたり、離れたりする。その花の中に立つ燈籠は江戸時代の文政の年号を持つ。桜が植えられたほうが後の時代だろうが、その存在感は桜の方が勝っている。
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30秒の心象風景6974・文政六年の燈籠~兵主神社~
https://youtu.be/eozJOZS_wYY
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30秒の心象風景6974・文政六年の燈籠~兵主神社~
https://youtu.be/eozJOZS_wYY