天沼春樹  文芸・実験室

文芸・美術的実験室です。

天国への階段

2011年08月30日 00時35分33秒 | 文芸

 

ほんとうに空が青かった。この階段をずっとのぼっていけそうな気がする。

空の青さに、私のシャツも染まってしまうことだろう。

所沢給食センター跡地。


所沢ビエンナーレ2011 第二会場

2011年08月29日 23時18分33秒 | 文芸

所沢ビエンナーレ2011 第二会場

先週土曜日の第一会場につづき、一段とアクセスのよくない第二会場へ根性でむかう。途中、トイザラスなどのアウトレットモールに気をひかれつつも、バス停並木団地無入り口から、公称450メートルといわれている旧給食センター廃屋の会場へむかった。


まほろ ゆりかご ゆれる

2011年08月13日 01時30分27秒 | 文芸

 

 

ふうろうぐさ まほろの ゆりかご ゆれる

ぜらにうむの かぐわしき まどべに

いつかしら まどろむ おさなごで あったような

 

はなびら つゆ ひとしずく したたる

かわき おさめる あまき ねむりの つゆ

 

いつのことか まほろの ゆりかご ゆれる

うまれてもいない みまかりもしないのに

そっと ながめている わたしがいる

 

はるなのだか にちりんの かげが みえない

ふうろうぐさ げらにうむ 

どちらの なまえも しっていた

 

 

 

 

 

 

 

天沼春樹 書誌

http://blog.goo.ne.jp/haruki-hakase/e/843a50f63709127fe077b1e6e722b00e

 


夏の歌 万葉集 詠み人知らず

2011年08月08日 04時12分25秒 | 文芸

 

 ひぐらしは時と鳴けども 恋ふるにし 手弱女われは時わかず泣く

※夏の日に、日暮らし、人恋しく、泣く、たおやめとは?

万葉らしい素直な心情吐露だけれど、これはたぶん私信で読まれたものだろうな。いまなら、メールでおくられてきそうな歌ですね。うちの裏山でもヒグラシが鳴いてます。

日暮らして 泣きもえせずや われはそも 

手弱女なれば 葉うらにぞ しのぶ

  


空蝉2

2011年08月04日 12時41分41秒 | 文芸

心には燃えて思へどうつせみ人目を繁み妹に逢はぬかも

 

           ※うつせみ=現世、うつしみ

             「万葉集」


『死者の書』

2011年08月03日 22時45分56秒 | 文芸

折口信夫全集を四半世紀ほどまえに、すこし無理をして買い込んだ。文学全集は芥川龍之介全集と折口のふたつしか揃えていない。図書館にはすべてあるはずだがら、所有する必要もないのかというと、そうでもない。この二人は、わたしの文芸の出発点にあった作家だし、常日頃愛玩し愛読したい著者なのだ。思い出した。全集ともいえないが、梶井基次郎の全作品3巻もあった。折口、芥川、梶井。若い頃から常に意識させられた作家たちだ。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0143.html ←松岡正剛ブログ(『死者の書』

「青空文庫」に折口信夫の『死者の書は』おさめられているので、難解で衒学・幻想につきあいたかったら読んでみてほしい。私にとっては、一種の目標みたいなところがある。現代の読者にはあまりいれられないかもしれないが。

わたしの、ペンネームとしてときどき使用する草壁信夫(くさかべしのぶ)も、もちろん折口へのリスペクトの現れである。ノブオなんて読んでしまう人には関係ない!!が

YouTube で死者の書を検索しているうちに、『輪廻転生のひみつ』という啓蒙映像か゜あった。とくに推奨するわけでもないけれど、この世界観はいつも根底にあるような気がする。

http://www.youtube.com/watch?v=Zkn1dkHigAo&feature=related


日暮れて(雑感)

2011年08月02日 02時41分52秒 | 文芸

日暮れ時に近隣の野道山道を歩くことがある。はっと気付くと、はや日が落ちている。その刻限が好きである。物悲しくてすきである。そんなとき、釈超空の歌を思い出して、物悲しさに浸るのである。

武蔵野はゆき行く道のはてもなし。帰れといへど、遠く来にけり  釈迢空

父母のもとへかへれといえど、遠くまで来てしまった。そのうえ、道に踏み迷っている。誰もかれもみな帰ってしまった。去ってしまった。草深い道を自分はどこへむかおうというのだ。

また、賛美歌にある「さすらううちに、はや日は暮れ・・・」というフレーズも身にしみる。母の葬儀でもこの歌がうたわれて泣いてしまった。「帰思まさに悠なるかな」の心をかかえながら、もはや帰っていくところがない。

母が亡くなってからはや百日になる。

母さん、ぼくは、まだどこへも帰れないんですよ・・・・・・