健康管理士一般指導員~コメディカル~


健康管理士一般指導員の試験に合格しました。

病気にならない、健康保持増進こそが、医療費抑制の切り札です。メタボ対策を啓発します。
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フィブリノゲン 12月11日

止血剤として使用していた「フィブリノゲン」という血液製剤の熱処理が不徹底であったために、フィブリノゲンを投与された患者がC型肝炎に感染するという事態は、エイズと並び、薬害の1つとして社会問題となっていた。言わずもがな、フィブリノゲンを製造販売していたのは、HIVの悲劇を生んだ、彼のミドリ十字だ。このほど厚生労働省が、危険なフィブリノゲンを使用した医療機関の公表に踏み切ったことで、事態はより明確となり、患者(元患者)が自身の身を守るために、迅速な行動をとりやすくなったと、まずは考えるべきだ。

1992年以前に製造されたフィブリノゲンは、肝炎ウイルスの不活性化が不徹底であったため、1992年以前に出産や手術、消化器疾患や外傷など、さまざまな形で大量出血した人は、止血のためにフィブリノゲン製剤が使用されている可能性が高く、C型肝炎感染のリスクが極めて高い人たちなのだ。長期間、透析している人もリスクが高い。

厚生労働省は、1980年以降、ミドリ十字がフィブリノゲン製剤を納入した医療機関7,036施設のうち、名称および所在地を特定できた6,611施設について、このたび公表に踏み切った。しかし、カルテなど診療の記録を保存していた医療機関は、わずか477施設にすぎず、心当たりのある人は、自身で追跡調査するしかない。まずは、とにかくHCV抗体検査を、早急に受ける必要がある。

検査の結果、仮にHCV陽性と出た場合、抗ウイルス療法や肝庇護療法にかかる医療費は、誰がもつのか。たちまち、HCV抗体検査の費用は、どうなるのか?厚生労働省は、来年以降、自治体の集団検診などに組み込むことを検討しているが、紛れもない薬害であるこの問題の、賠償責任は、どのように果たされていくのか。リストの公表に踏み切りはした厚生労働省だが、現段階では「エイズなどとは性質が違う」として、国の責任は認めていない。旧ミドリ十字など製薬会社に賠償能力がない場合、補償はどいうなるのか?課題は大きい。

ひとまず、心当たりのある人は、厚生労働省のホームページから公表された医療機関のリストを開き、確認の上、地域の保健所に相談することが重要だ。薬物乱用者、入れ墨、ボディピアスをしている人も、高リスク者であることを忘れてはならない。

今回の厚生労働省の発表は、大阪HIV訴訟原告団元代表・参議院議員・家西悟さんの、2002年12月の情報開示請求に応える形のものだ。同年には、HCVのキャリアおよび発症者による国および製薬会社に対する損害賠償請求訴訟も起こされている。家西氏の請求から既に2年。国の対応は遅すぎる。あらゆることに、「完璧」はない。リスクを回避するために、すべては先手必勝であることを肝に銘じ、省庁の仕事のスピードアップを強く望む。民間会社なら、とっくにつぶれているところだ。
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コエンザイムQ10 11月26日

近く、インフルエンザが大流行するかもしれないと、WHOが注意喚起を呼びかけている。特定の要素があるわけではないが、もう30年以上流行のピークが訪れていないことから、近々大流行しても不思議ではないというものだ。しかも、その起因ウイルスは、鳥インフルエンザウイルスの可能性が大きいということだから、今年の予防接種は歯が立たない。これまでは考えられなかった新種のウイルスが、人間に猛威をふるおうとしている。とにかく最大の防御は、可能な限り四六時中うがいをすることにつきる。

コエンザイムQ10という補酵素の爆発的ブームが到来しそうだ。老化原因とされる脂質の酸化を防止する効果があり、お肌にはハリが戻り、女性は特に見逃せない。サプリメントとして飲めば、疲れにくくなる。例えば、50歳の女性の目じりのしわに8週間塗布し続けたら、しわの深さの27%が改善されたというから、女性にとっては夢のような物質ということになる。

コエンザイムQ10には、ヒアルロン酸の合成を促す作用があるが、残念ながら20代をピークに減少する。1日100mgのコエンザイムQ10を摂取できれば、コエンザイムQ10が持つ老化防止や美肌効果が期待できるということなのだが、1日100mgとは、イワシ20匹、牛肉3kgあるいはブロッコリー12kgと通常は摂取不可能な量なのだ。

このほど、コエンザイムQ10が化粧品へ解禁され、内外問わず各社が開発にしのぎをけずり始め、日本でもサプリメントが量産されるようになったが、現在のところ品質は玉石混交とのこと。コエンザイムQ10は水には溶けず脂溶性のため、油分を含むバランスの良い食事の後に摂取すると良い。空腹時の摂取では、効果は激減する。

女性の美肌もさることながら、中高年の多くが内服しているコレステロール値を下げる薬は、コレステロールとコエンザイムQ10との生合成経路がほとんど同じであることから同時にコエンザイムQ10値も下げてしまう副作用を持っている。コレステロールを下げる薬を飲みつづけると併せて老化が促進されるので、同時にコエンザイムQ10の摂取が必要だ。

質の良いコエンザイムQ10を手に入れることが必要だ。コエンザイムQ10は脂溶性のため、サプリメントの形状はカプセル剤が望ましく、カプセルの材質が品質のポイントの鍵を握るといっても良く、カプセル剤の医薬品で実績のある製薬会社のものが、質が高いのではないかと想像される。
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痴呆症から認知症へ 11月19日

痴呆症をこれからは認知症と呼ぶことが決まった。呼び方もさることながら、この症状で最も重要なことは、とりまく家族への支援だ。おじいちゃんあるいはおばあちゃんが、最近なんだかおかしいと感じ、しばらく様子を見ていてもやっぱりおかしい。内心ボケてきたのかなあ・・・と不安に思いながら病院の門をたたくと、医者から痴呆が始まっていると告げられる。

一緒に暮らす家族の大きな試練が、いよいよ始まる。どこかまわず失禁したり、突如大声をあげたり、夜中に徘徊したり、当の本人が楽しい表情を見せることなくそんな行動を繰り返せば、見守り介護する家族の心境も暗くすさむ一方だ。とまどい、どのように対処して良いかわからず、ただただ疲労が嵩むだけの家族の日常が続く。

アルツハイマー型の痴呆の場合、近年、痴呆の進行を抑制する新薬が開発され、日本でもごく当たり前に使用されるようになってきた。薬を内服することによって、痴呆の進行を極めて緩やかにおさえ、介護する家族への負担を軽減する一助にもなっている。施設には入れたくない。自宅で、家族みんなでおばあちゃんを支えていきたい。でも家族全員が初めての経験で、どうして良いのやら途方に暮れている・・・と涙を浮かべながら話をされるご家族に、投薬する私たちも心が痛む。痴呆症で肝心なことは、介護する家族への支えだと、しみじみ思う瞬間だ。こんな家族をサポートできる既存の介護保険などのサービスを紹介し、家族の不安を少しでもぬぐえるようにと、ともに考えている。

植物状態に陥った患者に、体を揺すりながらサックスの生演奏を聴かせ脳に刺激を与えると、全快あるいは改善したという症例がいくつも報告されていることを思い出すと、痴呆症の患者さんに対しても、昔好きだった音楽などを聴かせてあげれば、再び脳がしっかりと動き出すのではないかと期待したりもしてしまう。

患者さんが抱える病巣に向き合っているだけでは、それは良い医療とは言えない。患者さんの生活や介護する家族の精神衛生状態にまで踏み込んで、患者さん本人や家族が安らかな気持ちで日常生活を送ることができるようフォローしていくことが、医療の真髄ではないかと私は思っている。

痴呆症を認知症と名前を改めても、介護する家族の試練は変わらない。家族が、社会との隔絶感を感じることなく、心穏やかに介護することができるような医療と介護サービスが必要だ。痴呆症は、軽蔑すべきものではない。誰もが発病する可能性を持っている、加齢にともなう疾患の1つだ。社会こそが痴呆症を正確に認知して、介護する家族を支え、本人も家族も、変わることのない尊厳を持って生きていくことができるような環境をつくりあげていくことが必要なのだ。医療現場で働く者の1人として、この問題にもしっかりと向き合っていきたい。
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