あすにゃん日記

500字程度のエッセイを書きます。

なつぞら 017

2019-04-19 16:39:43 | ドラマ(朝ドラ含む)
 演劇部の先生とともに農協を訪れたなつは、剛志の上司からなぜ牛乳を集めて売ろうとしているのか説明を受けます。一見するときれいな理想ですが、それはメーカーへの不信から出発しているため、柴田家のじっちゃんは怒り狂います。

 そのカネはおれへの評価だ。

 それに対して剛志は、「理屈に合わない!」と反発するのです。
 すると、おじいちゃんの名言が飛び出します。



 「理屈の通らんことは


これまで何度でもあったわ!」

 メーカーからは、牛が病気になったときに腕のいい獣医を連れてきてくれたりして、恩があるらしい。メーカーへの信頼は、まったく揺らぐことはありません。

 ひとりでなにもかもやってきたおじいちゃん。今までだって、砂を噛む経験を、幾星霜してきたのでしょう。

 わかる。
 わたしも、理不尽な目に遭ってきたから。


 世の中、理屈では通らないことばかりです。「智に働けば角が立つ、情に竿させば流される、意地を通せば窮屈だ。とかくこの世は住みにくい」夏目漱石も『草枕』の冒頭でそう言ってます。


 住みにくいからって逃げ出したら、行き先は人でなしの世界だと続ける夏目漱石の洞察どおり、世の中が住みにくいとしても、折り合っていかねばなりません。
 若い剛志には、それがわからないのでしょうか。


 それとも、住みにくい世の中を、少しでも良くするために、なにか具体的な案があるのでしょうか。
 世の中を変えていくためには、勇気と決断力と優しさだけでは人は動きません。


 とくにおじいちゃんみたいな偏屈には、変化球が必要でしょう。