見てきました。
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
ミステリーかと思ってました。
割と深刻なシングルマザーのあれこれを描いた作品でした。
シングルマザーというか「母親」の問題かな。
どの家庭も誇張はなく、どこにでもあり得そうな雰囲気。
静岡のあそこのサイコパスみに関しては多少盛ってる気もしなくもないけど。
大阪では働き詰めのシングルマザー。
子どものために昼も夜も働き続けて、それが生きがい(?)になってそうな。
一見、良好な親子関係に見えそうで、実は見えない問題があるのがつらいところ。
親からしたら「子供のために」っていう大義があるから間違ったことはしていないって思いがちなんだろうけど、小さいころから親がずっと働きに出ていて疲れた表情で帰ってきて通帳眺めてるとこなんて見てたら、嫌でも「お母さん大変なんだな」って思わざるを得ないし、それこそ思春期ど真ん中だと「自分がいない方がお母さんは楽に生きていける」っていう思考になるのもわからなくもない。
神奈川では仕事と家事と育児をこなす母親。
夫はいるものの、仕事ばっかりで家事や育児に協力的ではない。稼ぎがあるうちはいいけど、それがなくなったらもう用済みもいいところ。
自分が家庭を支えなくちゃいけないところに、仕事も家事も育児(二人息子)もなんて簡単にできることではない。
何かあれば子供たちは喧嘩するし、家は汚しっぱなしで片づけないし、夫は何もしてくれないし。そりゃ不満もイライラもたまるわ。
終盤の怒りの叫びは、正直肝が冷えるというか、すごく心の奥に響く嫌な叫びでした。菅野美穂すごい。
静岡では、恵まれた環境にいる不自由な母親。
郊外に家を建てて、優しい旦那と優しい息子と暮らしてる「ザ・理想」な家族。
その実態は、その「理想」を気にするあまりガチガチに縛られて不自由極まりない生活。おまけに面倒な姑もいる。
夫は優しいけどそれ以上なにもないし、気付けば子供はサイコパスだし。姑は痴呆が始まってるし、ママ友はヤバげな宗教勧誘してくるし。
唯一父親が訪ねてきたとこだけは、だいぶリラックスしてたというか、素が出せていたように見えました。
それぞれ問題を抱えながらなんとか日々をこなしていくけど、どこかで爆発はしてしまうもの。
原作では希望の見える終わり方もあったみたいだけど、映画のほうではそうではなかったです。
ひと悶着あってからとりあえず一旦は落ち着いたけど、本質的な問題は何も解決してないよね?っていう感じ。
でもそうやってまた日々が続いていくっていうのが逆にリアルというか、そう簡単に解決しないし答えは出てこないよね。
大阪の親子だけは、弟が問題だけど母親は気にかけてくれたし、息子とも仲直りできそうだからよかったけど。
神奈川の親子は、結局夫とは別れてシングルマザーの道へ。親は円満に別れるっぽいこといってるけど、子供にとっては両親そろってたほうがいいに越したことはないんだよね、きっと。それこそ大阪のケースみたいに、母親に負担をかけているって子供が負い目を感じることにもなりかねないし。
静岡はもう無理な気がしますね。ええ。
母親も「あっち側」に行っちゃったきがするというか、「割り切ってしまった」感じがすごかった。
家族の問題だから顕在化しないことがほとんどだし、目に見えて分かる問題でもないし、部外者が簡単に踏み込める問題でもない。
でもそこには確かに協力や援助が必要なこともあるわけで。
自分も母親には感謝しないとなあ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます