大人の診断基準が決められてる今年4月に、病気の発見が早ければ治る可能性も高くなるし発見が遅れればその後遺症の症状も重くなって患者は一生苦しむことになる。これから子どもに対象広げる研究をはじまるという新聞記事をリンクしておく。
[04/15 15:38]脳脊髄液漏出症研究、子どもに対象広げ 山形大医学部・嘉山参与に聞く
山形新聞http://www.yamagata-np.jp/news/201604/15/kj_2016041500297.php
日本脳神経外科学会で理事長を務める嘉山孝正山形大医学部参与が山形新聞の取材に応じ、同学会などによる国への働き掛けで「脳脊髄液漏出症(減少症)」の治療法である硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ)が先進医療として保険適用となったのを機に、今後は研究対象を子どもにも広げ、原因究明に力を入れていく考えを示した。本年度中に同学部内に着工される次世代型重粒子線がん治療装置の見通しや、新専門医制度にも言及した。以下は一問一答。
―強い衝撃で髄液が漏れて頭痛などが起きる脳脊髄液漏出症に関し、硬膜の穴をふさぐブラッドパッチに保険が適用されるようになった。学会理事長としてどう受け止めているか。
「患者にとって、外傷が原因で発症することが認められたのが最も大きい。今までは、そんな病気はないと言われ続けてきた。2番目は経済的な負担の軽減だ。外傷で髄液が漏れることは起こるはずがないと、(交通事故などの場合でも)保険会社も認めてこなかった。難しい病気ではないが、それを診断するのが難しかった」
「私が厚生労働省の研究班の班長を務め、科学的な診断基準を初めてまとめた。ブラッドパッチが保険適用になり、学会として大きな役割を果たせた。これからは研究対象を子どもにも広げ、(同様に)けがで髄液漏れになるのか、そこに焦点を当てたい。磁気共鳴画像装置(MRI)の性能や感度によっては診られないものがある。それは今後の研究だ」
―山形大が導入する次世代型重粒子線がん治療装置の設置に向けた見通しは。
「順調に進んでいる。設計は看護師など多くの意見を取り入れて決めた。2017年の2、3月には着工できる見通しだ」
―がんなどの病気発症の遺伝的要素と生活習慣の関係を解明しようと、山形大医学部が進める県コホート研究の研究協力者数が2万人を突破した。
「県内の地区別の環境因子によるデータが出てくれば、食生活や生活習慣の改善につながると思う。(研究で共通の)遺伝子が見つかれば、いずれは創薬に結び付く。そのためには山形だけではなく、他と合わせ協力者のサンプル数を増やしたい」
―幅広い医療分野に対応できる総合診療医を含めた新専門医制度の研修が2017年度から始まる。どんな人材が求められるのか。
「理想的な専門医は専門的で狭い分野を持っていることが前提だが、それだけではだめ。(専門外の)治療はできないまでも、いろんな領域(の疾患)を診断できなければいけない。肝臓なら肝臓しか診られない、熱が出たら肝臓に起因した発熱しか分からないのでは困る。特に(患者が多い)内科と外科が問題」
「例えば、てんかんは小児科、精神科、神経内科、脳外科の診療科にまたがる。てんかんの専門医とは何かということ(定義)を決めてから、専門医を養成するプログラムを決めればいい。てんかんの専門医になれれば、脳外科の分野の症例なら脳外科に、小児なら小児科に紹介できる。今はチーム医療の時代。手術、投薬、リハビリを一人でできる医者はいない」
―2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる。病院の在り方も変わる。
「急性期の患者を診る病院は少なくなり、介護や慢性期の病気を診る病院に転換していかなければいけない。日本は急激に人口が減っていくだろう。在宅ケアやリハビリ、介護など、そうした医療が中心になる。いずれは、部門によっては(病院間で)統合していかなければいけない」
山形新聞記事を保存しておきたいので全文勝手に書いておきました。