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研究班は平成23年、外傷で髄液が漏れ同症が発症すると認めた診断基準を公表。厚労省は28年、この基準に該当する症例について、漏れを自分の血液で止める治療法「ブラッドパッチ」の保険適用を認めた。
しかし漏れが少ないと画像による判断がしづらく、医師によって診断にばらつきがあるとの指摘があった。今回の指針では、詳細な解説や検査の画像例を盛り込むなどして23年の基準を具体化。日本脳神経外科学会など関連8学会が承認した。
研究班代表で山形大医学部の嘉山孝正参与は、見逃されていた所見も「新たな指針では診断できるようになる」と述べた。
一方で、漏れ以外の理由で髄液が減少する可能性も指摘されており、これらの症例は別の研究班が調査している。脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表は、嘉山氏らの成果に謝意を述べる一方、「この病気は完全には解明されていない」としてさらなる調査に期待を示した。 (産経新聞) – 2019年07月06日(土) 05時04分 ≫
写真は「なまけ病」といわれて~脳脊髄液減少症~、お母さん、生きて!・・漫画より。
脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)の国の研究班が5日、診療指針の概要を発表した。現行の診断基準に当てはまらない程度の小さな髄液の漏れを診断対象に含める上、指針を使うことで症例に詳しくない医師も診断できるようになる。研究班代表の嘉山孝正・山形大医学部参与は「この指針により診断される患者はさらに増える」と説明した。
研究班が東京都内で記者会見した。診療指針は12年間に及ぶ研究成果の集大成。少量の髄液漏れを示すと考えられるMRI(磁気共鳴画像化装置)の画像を新たに紹介し、対象を拡大する。発症原因や症状、治療法も掲載して今秋に公表する。
髄液漏れは、一部の医師が2000年ごろから治療に取り組むようになったが、「髄液が漏れることはあり得ない」との反対意見が強く、医学界で論争が起きた。さらに、こうした見解の相違が原因で交通事故などの治療費をめぐる裁判も相次いできた。
研究班は8学会の代表らが参加し07年に発足。MRIなどを使って髄液漏れを判定する診断基準で合意し、16年度に公的な医療保険の適用対象となった。
ただ、この診断基準は典型的な髄液漏れの判定を目的にしており、研究班は基準に合致しないが関連性が疑われる症例について検討を続けていた。
会見で研究班メンバーは「髄液漏れのことを解明しきれたわけではない」と繰り返した。同席した患者団体「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表は「研究班に感謝したい。研究班以外にも多くの医師が研究を続けており、さらなる進展に期待している」と話した。【渡辺暖】 (毎日新聞) – 2019年07月05日(金) 18時48分