言わずもがな、デンマークの夏は超短いです。
だいたい、夏といっても天気によってはセーターが必要だったり、夜の外出の場合は必ず羽織るものが必要です。
年によっては雨雨雨だったり、「いつになったら夏がくるんだろう…」と思っているうちに、気がつけば秋に突入していたり。
日本の夏が7月~9月だとすると、デンマークの夏は6~8月。まだそのへんのデンマークの夏をしっかり把握していなかった頃は8月を日本の感覚でとらえて、屋外での予定を8月に立てちゃったりしますが、実は8月なんてすっかり秋な陽気なので、凍えつつ海辺でBBQなんてこともありました。
さて、前置きが長くなりましたが、1ヶ月分の平均降水量が2時間弱で降ったというドカ雨の先週末。超スリリングな体験をしましたよ。
土曜日夜。H氏のお父さんの家(北シェラン)に訪問しての帰り道。北シェランは全然でしたが、どうやらコペンハーゲンとその近郊をゲリラ豪雨が襲い、街中は大浸水。
カーラジオからは、コペンハーゲン内のアパートの地下室は浸水し、チボリ公園のトイレ(だいたい建物の地下にある)は溢れかえっていると聞き、「へ~大変だねえ」なんてのんきに高速道路を走っていたら、高速道路も所々水浸し。みんな池のような水たまりを迂回しながら走っています。
あまり見慣れない風景だし、これまたのんきにも「すごい!」と若干わくわくしながら助手席から水たまりを眺めていたら、鉄道橋の下を通過した瞬間、スプラッシュマウンテンのようにぶっしゃーーー!!と車が水しぶきを巻き上げました。
「え!なに?!」と思ったら、なんと橋の下が暗くなっててわからなかったけど、これまた池のように水が溜まってて、知らずに突っ込んでしまったのです。
池のような水たまりの水深はおよそ1m。ぶっしゃーと池に突っ込んだ後も車線を変更する事も迂回する事も間に合わず、ずいずいと池の中を進み、車はどんどん水に埋もれて行くじゃあありませんか(窓の外にどんどん水面が近づいてくる恐怖といったら)。
そして進むごとにだんだんスピードが落ちて行き、池をなんとか抜けたところで、我々の車、完全に停車。水に浸かったことでシステムが完全に壊れたようです。
しかもです。車が完全に止まった場所は高速道路のど真ん中の車線。みんな私達同様、見えにくい鉄橋下の水たまりを慌てて避けて車線変更をしたりしており、ちょっとしたカオスな場所です。
急いでハザードランプを点灯しましたが、いつ後ろから他の車に時速100kmで突っ込まれるかわからない、かといって引っ切り無しに他の車が横を追い越して行くので、車の外へ出る事も出来ません。頭は妙に冷静でしたが、さすがにあの時は「この次の瞬間に死ぬかも」と、大変恐ろしかったですよ。
H氏はすぐにFalckという、JAFのような会社の緊急電話に電話しましたが、災害関係の要請を一手に引き受けてるこの会社(他にも救急搬送とか)。首都を襲ったこのゲリラ豪雨のせいで、もちろん電話はつながりません。
Falckは諦めて、とにかく一刻を争う事態だからと、112番(救急)へ電話をすると、「迎えには行けないけど、とにかく何でもいいから車から離れて」と無情の答え。それでも他に手は無いので、後続車が切れた一瞬をついて、マッハで車から脱出しました。
なんとか脱出はしたものの、高速道路の路肩に立ち尽くし、買い換え後たった1ヶ月の我々のアウディを、後続車が寸でのところで切りかわして通り過ぎて行くのをただハラハラと見守っておりました。
すると一台の、いかにもこれから現場に向います的な下水工事の車が止まってくれて、事情を話すと「とりあえず車を移動しよう」と。
そして彼の車が警告灯をビカビカさせながら私達の車の方へじりじりバックで近づき、私がニュートラルギアでハンドルをとり、H氏と下水工事の彼が二人で車を押し、なんとか路肩へ車を寄せる事に成功。
その後その親切な下水工事の人は去って行き、残された私達は車のエンジンを試しにかけてみると、何度かのチャレンジの末なんとかスタート!…が10mほど進んだ後、ボスンボスンと言って再び完全に停止。今度こそ完全に死亡です…。
しかもその無理が祟ったのか、車から何かが燃える激臭の煙が上がり、さらに恐ろしいことにはボンネット下のどこかで「チッ、チッ、チッ…」という時限爆弾のような不吉な音が…。
これはいかん、と本能で察し、車から再び脱出。諦めてタクシーを拾おうと電話をかけましたが、どうやら他の鉄道やバスなどの交通機関も麻痺しているようで、タクシーも一切つかまりません。
そして、人生初のヒッチハイク!すると手を挙げたすぐ直後に若い二人組のお嬢さんが止まってくれて、しかも彼女達も私達と同じTaastrupに住んでいるから、家まで送ってくれると!なんて親切な!
結局家に着いたのは夜中の1時過ぎ。翌朝再びFalckに電話し、「車の鍵を前輪の上に隠しておいて。そのうちレッカーで引き取りにいきます」とのことで、H氏が車の元に行ってきましたが(休暇でアメリカ旅行中の義姉の車があってラッキー)、池の中を泳いだり、後続車がどんどん泥を巻き上げて追い越して行ったため、劇的に泥だらけだったそうですが、車自体はなんとか無事だったそうです。
あのどこか配線が燃える激臭のこともあるし、修理代が一体どれくらいかかるのか、保険がどこまで適用されるかわかりませんが、とりあえず二人とも無事だった事がなによりです。
ちなみにコペンハーゲン中の地下浸水のせいで、この週末民間保険会社は大打撃。H氏曰く、コペンハーゲンの下水システムというのは戦後の古いままなんだとかで、そこに人口が増え、下水流出量も増え(昔と今じゃ生活スタイルも違うしね)、そこにさらに今回のような豪雨が来ると、簡単に溢れたり浸水になったりしてしまうのだそう。
現政府はその辺の下水システム改善のための予算までも大幅削減してるそうで、まったく何から何までろくなことしないよって感じです。早く政権交代して欲しい…。
そんなわけで、コペンハーゲンにお住まいの方は地下室に大切なものは保管しないように!する場合も保険が適用する範囲内で!
写真:
今住んでいる家の庭はまるで果樹園かってくらい、色んな果物の木があります。
今はイチゴ、カシス、フランボワーズ、赤すぐり(ジャムの他に肉料理のソースに使ったりする)、さくらんぼがシーズン。もう少しするとこんどはブラックベリー、丸すぐり(グーズベリー)、8月頃にはすもも、エルダーベリー、秋にはりんごがなる予定。
だいたい、夏といっても天気によってはセーターが必要だったり、夜の外出の場合は必ず羽織るものが必要です。
年によっては雨雨雨だったり、「いつになったら夏がくるんだろう…」と思っているうちに、気がつけば秋に突入していたり。
日本の夏が7月~9月だとすると、デンマークの夏は6~8月。まだそのへんのデンマークの夏をしっかり把握していなかった頃は8月を日本の感覚でとらえて、屋外での予定を8月に立てちゃったりしますが、実は8月なんてすっかり秋な陽気なので、凍えつつ海辺でBBQなんてこともありました。
さて、前置きが長くなりましたが、1ヶ月分の平均降水量が2時間弱で降ったというドカ雨の先週末。超スリリングな体験をしましたよ。
土曜日夜。H氏のお父さんの家(北シェラン)に訪問しての帰り道。北シェランは全然でしたが、どうやらコペンハーゲンとその近郊をゲリラ豪雨が襲い、街中は大浸水。
カーラジオからは、コペンハーゲン内のアパートの地下室は浸水し、チボリ公園のトイレ(だいたい建物の地下にある)は溢れかえっていると聞き、「へ~大変だねえ」なんてのんきに高速道路を走っていたら、高速道路も所々水浸し。みんな池のような水たまりを迂回しながら走っています。
あまり見慣れない風景だし、これまたのんきにも「すごい!」と若干わくわくしながら助手席から水たまりを眺めていたら、鉄道橋の下を通過した瞬間、スプラッシュマウンテンのようにぶっしゃーーー!!と車が水しぶきを巻き上げました。
「え!なに?!」と思ったら、なんと橋の下が暗くなっててわからなかったけど、これまた池のように水が溜まってて、知らずに突っ込んでしまったのです。
池のような水たまりの水深はおよそ1m。ぶっしゃーと池に突っ込んだ後も車線を変更する事も迂回する事も間に合わず、ずいずいと池の中を進み、車はどんどん水に埋もれて行くじゃあありませんか(窓の外にどんどん水面が近づいてくる恐怖といったら)。
そして進むごとにだんだんスピードが落ちて行き、池をなんとか抜けたところで、我々の車、完全に停車。水に浸かったことでシステムが完全に壊れたようです。
しかもです。車が完全に止まった場所は高速道路のど真ん中の車線。みんな私達同様、見えにくい鉄橋下の水たまりを慌てて避けて車線変更をしたりしており、ちょっとしたカオスな場所です。
急いでハザードランプを点灯しましたが、いつ後ろから他の車に時速100kmで突っ込まれるかわからない、かといって引っ切り無しに他の車が横を追い越して行くので、車の外へ出る事も出来ません。頭は妙に冷静でしたが、さすがにあの時は「この次の瞬間に死ぬかも」と、大変恐ろしかったですよ。
H氏はすぐにFalckという、JAFのような会社の緊急電話に電話しましたが、災害関係の要請を一手に引き受けてるこの会社(他にも救急搬送とか)。首都を襲ったこのゲリラ豪雨のせいで、もちろん電話はつながりません。
Falckは諦めて、とにかく一刻を争う事態だからと、112番(救急)へ電話をすると、「迎えには行けないけど、とにかく何でもいいから車から離れて」と無情の答え。それでも他に手は無いので、後続車が切れた一瞬をついて、マッハで車から脱出しました。
なんとか脱出はしたものの、高速道路の路肩に立ち尽くし、買い換え後たった1ヶ月の我々のアウディを、後続車が寸でのところで切りかわして通り過ぎて行くのをただハラハラと見守っておりました。
すると一台の、いかにもこれから現場に向います的な下水工事の車が止まってくれて、事情を話すと「とりあえず車を移動しよう」と。
そして彼の車が警告灯をビカビカさせながら私達の車の方へじりじりバックで近づき、私がニュートラルギアでハンドルをとり、H氏と下水工事の彼が二人で車を押し、なんとか路肩へ車を寄せる事に成功。
その後その親切な下水工事の人は去って行き、残された私達は車のエンジンを試しにかけてみると、何度かのチャレンジの末なんとかスタート!…が10mほど進んだ後、ボスンボスンと言って再び完全に停止。今度こそ完全に死亡です…。
しかもその無理が祟ったのか、車から何かが燃える激臭の煙が上がり、さらに恐ろしいことにはボンネット下のどこかで「チッ、チッ、チッ…」という時限爆弾のような不吉な音が…。
これはいかん、と本能で察し、車から再び脱出。諦めてタクシーを拾おうと電話をかけましたが、どうやら他の鉄道やバスなどの交通機関も麻痺しているようで、タクシーも一切つかまりません。
そして、人生初のヒッチハイク!すると手を挙げたすぐ直後に若い二人組のお嬢さんが止まってくれて、しかも彼女達も私達と同じTaastrupに住んでいるから、家まで送ってくれると!なんて親切な!
結局家に着いたのは夜中の1時過ぎ。翌朝再びFalckに電話し、「車の鍵を前輪の上に隠しておいて。そのうちレッカーで引き取りにいきます」とのことで、H氏が車の元に行ってきましたが(休暇でアメリカ旅行中の義姉の車があってラッキー)、池の中を泳いだり、後続車がどんどん泥を巻き上げて追い越して行ったため、劇的に泥だらけだったそうですが、車自体はなんとか無事だったそうです。
あのどこか配線が燃える激臭のこともあるし、修理代が一体どれくらいかかるのか、保険がどこまで適用されるかわかりませんが、とりあえず二人とも無事だった事がなによりです。
ちなみにコペンハーゲン中の地下浸水のせいで、この週末民間保険会社は大打撃。H氏曰く、コペンハーゲンの下水システムというのは戦後の古いままなんだとかで、そこに人口が増え、下水流出量も増え(昔と今じゃ生活スタイルも違うしね)、そこにさらに今回のような豪雨が来ると、簡単に溢れたり浸水になったりしてしまうのだそう。
現政府はその辺の下水システム改善のための予算までも大幅削減してるそうで、まったく何から何までろくなことしないよって感じです。早く政権交代して欲しい…。
そんなわけで、コペンハーゲンにお住まいの方は地下室に大切なものは保管しないように!する場合も保険が適用する範囲内で!
写真:
今住んでいる家の庭はまるで果樹園かってくらい、色んな果物の木があります。
今はイチゴ、カシス、フランボワーズ、赤すぐり(ジャムの他に肉料理のソースに使ったりする)、さくらんぼがシーズン。もう少しするとこんどはブラックベリー、丸すぐり(グーズベリー)、8月頃にはすもも、エルダーベリー、秋にはりんごがなる予定。