Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

燃え尽きちゃうわよ

2007年06月29日 | デンナースへの道
 デンナースになるための実習も、残すところあと1ヶ月半となりました。移民局のあんちくしょうのせいで、実習が終わる8月15日きっかりまでしかビザが降りていないため(在り得ない)、本来ならそろそろ実習後の就職活動というものを始めなければならないのですが、まあ、色々考えて、今の病棟を今年いっぱい続けることにしました。実習後は正式なデンナースなので、本採用という形で。

 というのも、12月末から日本に1ヶ月半くらい帰る予定で(しかもその後オーストラリアの友達のところへ遊びに行き、そのままバックパッカーとして旅に出ようかなんてことも考えていたりして計2ヶ月)、今他に就職してしまうとその長期休暇が取れないため。
 休職という形で休むこともできますが、やっとナースとして機能できるようになってきたのに、糖尿病の勉強とかまだできていないし、もうちょっと語学をトレーニングするためにも、慣れている病棟がいいかな、と。

 前々から婦長および教育担当ナースには「ここにいてちょうだいよ。え?中間面接がまだ?じゃあ中間面接と最終評価面接、ついでに就職面接も全部一緒にやろうか!30分で終わるわよ!」と言われたりしていたので、ついその勢いに押されたところもあり「とりあえず実習後も12月まではここで働きたいと思うんですけど」と言うと婦長も大変喜んでくれたのでした。

 が、しかし。

 今後もここに残るとわかった途端、婦長の鬼のような仕打ちが。7、8月の勤務表、月~金曜日まで5日勤、夜勤の週は2ヶ月間でたったの2回です。いくら夏休みで人手がないとはいえ・・・・在り得ない!!!今まで4日勤でもかなり体力的にきつかったのですが、明けても暮れても5日勤って・・・。デンマーク人でもつらい連続日勤、外人の私にとっては倍のつらさです。
 しかもナースなんて夜勤である程度稼いでるのに、それがないなんて・・・。結婚式のためにも夜勤でがんばって貯めたいところなのに・・・。婦長の鬼!!

 ちなみに今週の勤務は月曜は日勤(7~15時)深夜入り(23時~)、火曜日夜勤明け(~7時)また夜勤入り(23時~)、水曜日夜勤明け(~7時)、木曜日日勤(7~15時)と、睡眠リズムがごろんごろん入れ替わるシフト。これもまたつらいけど、5日勤のつらさに比べればまだオッケーです。

 さて、話は変わりますが、今デンマーク全国では、ホームヘルパー達が待遇改善を求めてストライキをしているのですが、先週はFALCKという民間救急搬送会社もストライキをしてたりで、病院は大変なことになっていました(コミューンはさらに大変だろうけど)。
 病棟には退院させたいけどヘルパーがストをしているので帰せない患者さんがあふれ、特に高齢者の多いうちの病棟は老人ホーム状態。他院への検査や転院搬送にもFALCKが来ないので救急車や消防署が出動し、とてもじゃないけど彼らだけでは手が回らず、患者さんは2時間待ちとか当たり前。

 しかし病人は次々運ばれてくる、治療が終わってるのに帰れない患者さんは病院に長居してることから風邪をうつされたりして再び病人になっちゃったり、ナースはどうにか少しでも患者さんを退院させようとコミューンとのやりとりで忙しいし。

 そんな状況なので婦長がキーっとなっていて、あまり考えずにシフト作っちゃったのもわかるのですが、私もこの状況だけでなくさらにこのシフトではさすがに燃え尽きるのも時間の問題かも、と思うのです。ああ、でももう続けるって言っちゃったし。どうせ他の病棟に就職したって状況はさほど変わらない気もするし・・・。ああ、本当に、デンマークの今現在のナース事情、はっきり言って日本よりひどいかも。そりゃあ5週間の休暇はとれるけど、デンナースは手取り給料は日本とほぼ同じかそれ以下だし、しかもボーナスないし・・・(これが一番痛い)。

 これだけ医療福祉が騒がれているのに、まだ何もアクションを起こさない政府。さっさとどうにかしないと、私も日本に帰っちゃうわよー!!!
 

婚約祝い届く

2007年06月28日 | おいしいもの
 先日、日本から小包が届いているということで、心当たりもない私は「一体誰から??」とあれこれ考えつつ郵便局へいったのですが、奥から出されてきたのは大きな段ボール箱。送り主を見ると日本のわたなべ家からです。

 ええー!!うれしい!!なんかすごくいい予感!!と急いで家に帰ってさっそく箱を開けてみると・・・・・もう脱帽。わたなべ家しんた母チョイスと思われる日本食の数々。さすがデンマーク滞在で不便を知り尽くしたしんた母さん、選ぶセンスが抜群!つぼをつきすぎてます。
 ひとりで「うわー!」「うそー!」と叫びながら次から次へと出てくるすばらしい贈り物をひとつひとつまじまじと見て、わたなべ家のプリンセスよしのちゃんの手紙(いつの間にか字が書けるようになっていて感動)を読んで、本当に嬉しくて嬉しくて涙がでてきました。
 
 さらに、日本のTVを録画したDVDも入っており、「すべらない話2時間スペシャル」が!!!やばい、やばすぎる!夜勤でこれから寝なきゃいけないのに・・・と思いつつもしっかり観てしまいました。河本、きむ兄、宮川大輔素敵~!
  
 贈り物の中には、ヨナスが大好きな日本のラーメンがたーくさん!入っており、しかも親切にちゃんと1つの種類につき2人前で送ってくれているのです。それを「2食ずつ入ってるから、ヨナスに内緒で食べたらばれちゃうねーあははー」なんて冗談(とも言い切れないけど)で話していたのですが、先ほど仕事中のヨナスとメッセンジャーで夕飯なに食べた?という話をしていた際、私が「夕飯にはパスタを食べました」と伝えると「ラーメンじゃないでしょうね?」と。そんなに心配なのか、ヨナス・・・。

 ある意味、デンマークで出会ったわたなべ家とは、うちの親戚家族よりも近いお付き合いをさせていただいているのですが、こうして遠く離れていても実の家族より気にかけていてくださるということに、ひたすら、ひたすら感謝です。ほんとうにありがたいことです。

 そんなわたなべ家、来年の我々の結婚式にはデンマークまではるばる来てくださるということなので、これはもう、しんた父、しんた母を絶対式で泣かせたる!くらいの気合でいかねばと思っております。わくわく。

バルセロナ最終日

2007年06月28日 | 旅の話
 この日はお土産ショッピングに費やそうと決め、ホテルチェックアウト前に、前日から目をつけていた近所のスーパーマーケットへ。

 外国のスーパーマーケットとは本当に面白いもので、私はたぶん半日くらいいても飽きないと思います(最近では久々に日本へ帰省してスーパーへ行くと、外国のスーパーマーケットの感覚で楽しめる)。
 パリに行ったときのスーパーもすっごく楽しくて、それはもう、あれも欲しいこれも試したいで大変でした。特にワイン・ビールコーナーの充実ぶりといったら・・・。
 
 で、今回も期待したとおり、アルコールコーナーはもとより、精肉コーナー、缶詰コーナー、調味料コーナーと誘惑がいっぱいでした。中でも特にすてきだったのが缶詰コーナー。あの、私の好物であるアンチョビオリーブが山のように売っているんですもの・・・。他にもタパスに出てくるようなタコやイカ、デンマークでは滅多にお目にかかれないアサリなどが売っており、思わず大量購入してしまいました。缶詰なのでそのまま食べるには微妙かもしれませんが、パスタなんかに入れるのに便利そうです。
 他にもカフェ・コン・カラヘイロ用にアニスというお酒、ポートワイン、精肉コーナーではスペインハムやサラミを数種、にんにく&パセリ風味のパン粉、しし唐を。

 そして、お友達k子さんから聞いて以来気になり続け、スペインで実際口にして納得だった、スペインのコーヒーを購入。今回合計3つのコーヒーを買ったのですが、そのどれもがおいしかった。なぜこんなにおいしいのかわかりませんが、同じネスレ社でもデンマークのものとは明らかに風味が違う!!(k子さんが聞いた話によるとアフリカが近いからだとのことだけど)みなさんにもスペインに行ったらスーパーのコーヒーでもいいので買ってみることをおすすめします。

 買い物が終わり、パッキングをしてチェックアウト。飛行機は19時なので荷物はホテルフロントに預けてまた観光へ。

 とその前にホテル近所のカフェで朝ごはん。カフェ・コン・レーチェにオレンジジュース、ヨナスはハモンセラーノをはさんだミニバゲット、私はクロワッサンを。どれもおいしかったのですが、中でもオレンジジュースは搾りたてでおいしかった~。お砂糖が添えられて出てきたということは、スペイン人はさらに甘くして飲むのでしょうか。
 飛行機を待つ間、空港でもオレンジジュースを飲んだのですが、そこでもすべて生搾りオレンジジュースでした。さすがバレンシアオレンジの国。生搾りでも一杯8krくらい(180円くらい?)しかしビール1杯はオレンジジュースより安いです。素晴らしい・・・。

 朝ごはんの後、グッチやら高級ブティックが並ぶ、東京の表参道的ショッピングストリートへ。目的はまたしてもガウディのカサ・ミラ。
 この日はむうんと湿気が強く、雲があるものの日差しはじりじりで、すでに気温は30度近く。月曜日で通りも交通量が激しく、すぐ近くのカサ・ミラなのに着いてぐったり、さらに入場口の行列を見てさらにげんなり。でも他にまた行く元気もなかったので20分ほど並んで入りました。

 内部は展示フロアー、そこに住んでいた人のお部屋再現フロアーなどがあり、他のフロアーは今でもオフィスなどとして使われています。
 お部屋再現フロアーがかわいくて、子供部屋など昔のおもちゃなどが置いてあり、そのレトロさとデザインが素敵。そのそばにはメイドの部屋と洗濯部屋などもあり、それもかわいくって、メイドの部屋でいいからぜひ住まわせてほしいくらいです。

 そしてこのカサ・ミラの見所といえば屋上なわけで、上ったわいいけど暑い!!素敵な排気塔を見上げつつスペインの日差しにやられました。 ぐったりな私をよそにヨナスは一人嬉々として写真を撮っていましたが・・・。
 
 すっかりカサ・ミラだけで疲れ果てた私は、カサ・バトリョまで足を伸ばすことが出来なかったのですが、まあそれは次回のお楽しみということで。
 その後、ふらふらと暑い、忙しない都会の道を歩きつつ、ヨナスが足が痛いと引きずっているためウィンドウショッピングも思うようにできず。結局イギリス?のインテリアショップhabitaでキッチンクロスなど小物をちょいと購入しただけでショッピングも終わったのでした。

 空港へ行く前にホテルに荷物も取りに行かねばならず、ここでひとまず食事をしておこうとなり、コンゲンスニュートウ的な街の中心の広場そばの小道をちょっと入った定食屋へ。外から見た目はいかにも観光客が入らなそうな、とても素敵!とはいえないお店でしたが、私が目をつけたのは客層。外回り風スーツ来たサラリーマンも、タクシー運転手風のおっちゃんも、若い女の子一人もおり、古い店構えからもこれはけっこう地元的ないい店かも?と睨んだのでした。

 そしてこの予想が大当たり!私はここでもまた懲りずに「デンマークでは食べれないから食いだめしておかねば」とシーフードを注文したのですが、前日のポキートシーフードとは雲泥の差!!貝にはしっかり貝の味が、魚はぷりぷりジューシー、イカタコはあり得ないくらい柔らかいし。日本でもここまでおいしいシーフードはそうそう食べれないと思います。
 ここもまた決してポキートな量ではなかったのですが、それでも80krほど。デンマークでだったらハンマーという海老が2匹載った料理の値段ですね・・・。ヨナスはウサギのガーリックグリルとポテト山盛り60krくらいのものを。そしてサングリア。もーーーーーーおいしかった!!!忘れられない味になりました。最後の最後にいい店に当たってよかったです。今度行く時は、夜その店にいって、カウンターに並んでいるおいしそうなタパスを片っ端から食べるぞ!!

 おなかも満足して空港へ行き、コペン行きフライトのチェックインカウンターに並んでいると、聞き覚えのある、例のゲロゲロした言葉が周りから(デン語)・・・。一気に現実に引き戻され、やや憂鬱に。しかもみんな揃いも揃って真っ赤に日焼けし、デローンとしたいかにもデンマークな安っぽい夏服。ああ・・・。

 無事チェックインし、さあ、最後のパワーショッピング、免税店へ!!あんなに疲れていたはずなのに、またしてもむくむくと元気が。結局、サングリア(2ℓ)、ポートワイン、シェリー、カルバドス、ブランディー、コーヒーを購入。今回の旅で購入したアルコールはなんと7本。スーツケースがあったら絶対にカヴァもワインも買っていたはず。
 他にもZARAでヨナスの靴とセーターも購入。デンマークにもZARAあるのに・・・。安かったので良しとします。

 突然の、しかも行き当たりばったりの旅でしたが、お天気にも恵まれ本当に楽しかったです。おいしかったです。前から友達には「kanaheiちゃん絶対スペイン行ったらはまるよ」とは言われていて、自分でもそうだろうな、と薄々感じてはいたのですが、今回実際行ってみて「これから長い付き合いになりそうね、スペイン」と思ったのでした。
 次はマドリードかな~。マドリードだったら伊東出身ラティーノあやちゃんに色々教えてもらえるし。ユランに住むペルー人の友達スサンナは近々(といって2年経つけど)マラガに引っ越す予定だそうなので、そしたらマラガには彼女のところに滞在できるし。北部の方にも行ってみたいし、ああ、ほんと、これから深い付き合いになりそうです、スペイン。


バルセロナ2日目

2007年06月25日 | 旅の話
 朝10時起床。この日はこれまた念願だったサグラダファミリア見物に。

 私はむかーしネスカフェゴールドブレンド?のCMで外尾悦郎氏とサグラダファミリアが取り上げられたときから、いつかこれを観にいこうと思っていて、実は「サグラダファミリアを新婚旅行で観にいって、フルムーンとか結婚うん十周年記念と節目ごとにその工事進行具合を観にいこう」と考えていたほどです(しかしこのプランはヨナスの「新婚旅行は絶対○○○!」という希望により断念)。

 そんなわけでカフェで朝食を済ませた後、いざサグラダファミリアへ。

 しかし・・・、予想より小さかったかも??いや、十分大きいのですが、今までTVや写真で見てきて、憧れも重なり「すっごくありえないくらい馬鹿でかい」と勝手に想像していました。うーん、今まで色んな資料やフィルムを見すぎたのが裏目にでたか・・・。

 そして内部に入っても、日曜日ということもあり礼拝堂でちょうど礼拝が行われており、ついたてのせいで通路からは何も見えず、塔まで登るにも2時間半待ちとスプラッシュマウンテンといい勝負です。
 人ごみ嫌い、すでに「サグラダファミリアファン」な私はどこを見てもけっこううんちくを説明できちゃうくらい知識もなまじあるもので、もういいや、と1時間ほどで退散。次は閉館間際の夜(塔からの夜景はきれいだろうな)か、早朝に来たいと思います。

 その後、タクシーでグエル公園へ。ここも入り口正面の階段とその上の広場には沢山の観光客がいましたが、我々は午後一杯時間もあったのでのんびり公園散策へ。北欧のようなビカーー!という日差しではないものの、じわじわと日に焼かれヨナス首をやられ真っ赤に。
 そして私はこのグエル公園で一生忘れられない思い出ができました。グエル公園の山?を降りる階段から落ち、腕、おしりを負傷。このときカメラを手に持っていたのですが、落ちるときに思い切りカメラを持ったまま手をついてしまったので、カメラも負傷(機能には問題なし)。落ちた下はちょうどみなさん、お弁当を食べたりする広場で、いきなり崖から人が落ちてきたのでみなさんたいそう驚かれたことでしょう。

 グエル公園を2時間ほどかけて散策し、ふもとの街がいい感じだったのでそのまま町並みを眺めつつ散歩。
 そして道沿いにあったバールでちょっとビール休憩のつもりで、ビールと蒸しえびを注文したら「うまい!」と食欲に火がつき、続いてマッシュルームのガーリックソテー、たこのぶつ切りソテー、ハモンセラーノ(スペインハム)、白ワインハーフボトル、カフェ・コン・カラヘイロと続々注文。店の外の席で、天気もよく、料理もお酒もおいしいし、本当に気持ちよかったです。

 そしてこの日もまた、隣の席のスペイン人の飲み物チェック!!このときはスペイン人熟年夫婦だったのですが、彼らのテーブルにはエスプレッソと、別のグラスに入ったそれぞれ違う色の飲み物があります。私が凝視していたら目が合い(腕に激しく傷を負ったアジア人に自分の飲み物を凝視されたら、さぞ気分が悪かったろうに)、それなに飲んでるの?と聞いてみたところ、親切な彼らはわざわざ席を立って見せに来てくれて、しかも私のグラスに少し自分のを入れて味見させてくれました。
 おじさんが飲んでいたのは、ブランディーのロックとエスプレッソ、おばさんが飲んでいたのはコアントローのロックとエスプレッソ。こういう天気のいい日に、リキュールのロックをコーヒーと交互に飲むのはたしかにいいアイデアかも。しかもコアントローなんて、お菓子に使うしか知らなかったけど、ロックで飲んでもおいしいんだーと発見。またしてもスペイン人のアイデアいただきです。

 たくさん飲んで食べた後、またのんびり街の中央に向かって歩き、思い立って「ビーチに行ってみよう」と。とは言え、ビーチまでがけっこう距離があり、そこで目に付いたのが、レンタル自転車。

 バルセロナにはコペンハーゲンの「BY CYKLE」のようなレンタル自転車があり、バス停のような表示板に自転車カードをピッとスキャンすると、表示モニターに番号が現れ、横に並んでいる自転車から番号のものをとることができます。そして市内にはいくつもその自転車借りスタンドがあるので、自転車を使い終わって返すときは好きなスタンドに返すことができるようです。
 どうやって借りるのか近くの人に聞いたところ、インターネットで登録をするそうで、どうやらそこで登録し、カードを借りるときにスキャンするため、デンマークのBY CYKLEのように無責任なところに乗り捨てたり、自分のものにしちゃったり出来ないようになっているのです。スマート!
 東京ほどバルセロナは大きくないし、道が碁盤の目のようでわかりやすく、都会で交通量が激しくバスや地下鉄も初心者にはわかりにくいので、この自転車のサービスはすごくいいかもです。ただ問題はツーリスト用ではなく、あくまでバルセロナ市民用のようなので、借りにくそうなこと。うーん。
 この自転車サービスBicing.comはHPから調べられるようなので、スペイン語が出来る方、ぜひ翻訳して教えてください・・・。

 そんなわけで、我々はツーリスト用に自転車を貸してくれるお店へ。デンマーク生活で自転車に慣れている我々。まさに水を得た魚のごとく、すいすい快適に市内散策ができました。次からは旅行用に折りたたみ自転車を買おうかと思うほど、自転車最高。

 気持ちよく自転車でビーチへ行き、気持ちよく海風に当たって、一日の観光を堪能。その後ホテルで一旦シャワーを浴び、再び22時ごろ近所へ食事に。

 しかし日曜日だったからかなかなかバールもやっておらず、やっていてもこの日のマドリードのサッカー試合観戦しているお客さんのため、とてもではないけど落ち着いて食べれる雰囲気ではなく、仕方なく日本のファミレス的雰囲気のお店へ。
 そしてここが微妙だった。シーフードを食べたいと言ったところ、シーフードのメインメニューを示され、「これ、でもメインでしょ?多すぎる」と言ったところ、店のおやじさん「あー、オッケー、ポキート、ポキート、ポキート、オッケー?」とそのメニューを一つずつ指差しつつポキートを連発。状況的に「メインを少しずつ」と読み取ったものの、「そこまでおなか減ってないから!」という間も与えずおやじさん厨房へ。
 そして届いたのが超!大皿いっぱいのシーフード!!こんなに食べられないし!しかもどれを食べてもどうにもこうにも臭みが・・・。細長い筒状の貝があったのですが、それなんてもうトラウマになりそうなやばい臭い(くさやのようだった)。

 お会計と言ったとき、「コーヒーは飲んでいかないのか?!」と言われましたが、もうこの店は信用ならない、他で飲もうと店を出て、ホテルそばの大きなレストラン&バールへ。

 今回の旅行で悔やまれることの一つに、この店で食事をしなかったこと。「ポキートシーフード」のせいでおなか一杯になっていた我々は、カウンターに座っている人が食べているおいしそうなシーフードカルパッチョなどを横目に、しくじった・・・と。
 そして決定打がこのお店で食べたオリーブが絶品だったこと!!!オリーブマニア?の私は思わず感激して、お土産に2人前包んでもらったほどです。
 このお店はホテル周辺の高級エリアらしく、なかなかゴージャスな店構えで、天井が高く、お店も100席はあろうというとても広いお店です。お店の奥の方が厨房になっているのですが、その厨房からはいかにもおいしそうな湯気がもうもうと立ち、活気があふれているのが見えます。
 客層も品のいい、大人の人々が多く(時間が時間だったけど)、大きい店だけど落ち着いた雰囲気があります。庶民的なタパスバールもいいけど、ちょっとレストランにも行ってみたいというときにいいかもしれません。
 以下のHPでお店が見れます。
El Trobador

 そんなこんなで、バルセロナ2日目もかなり充実して終わったのでした。



 

バルセロナ1日目

2007年06月24日 | 旅の話
 どしゃぶりのコペンハーゲン空港から16時に飛び立ち、19時、飛行機はバルセロナ空港へ。天気はうす雲があるものの、太陽がまだのぞいています。そして湿気。ちょっと日本の初夏に似てるかも?気温26度でも十分暑く感じます。

 ホテルをあらかじめ予約していなかった我々は、まず空港にあるツーリストインフォメーションへ。そこで市内の地図をもらい、ホテルについて聞くと、100ページほどの「ホテルリスト」の本を渡されました。つまりこれで自分で調べて自分で予約をしろと(手数料を払えばホテルを予約してくれるが、それは4つ星以上のホテル)。

 膨大な数のホテル&ホステル(ユースみたいなの)から選ぼうにも、住所をみただけではそれがバルセロナのどの辺にあるのかもわからず、蒸し暑い空港でページをめくりつつ若干途方にくれてみたり。それでもなんとか2つ3つ候補をあげて電話をかけようにも、公衆電話の使い方がわからず。英語で説明が書いてあり、その通りにするもかからず、表示にはスペイン語。

 公衆電話を諦めて私の携帯でかけてみたのですが、
「Can you speek English?」
「No!」
の応酬が延々と続く・・・。ホテルのフロントなのに・・・。

 「彼ら(スペイン人)まじで英語しゃべれないからね!スペインの航空会社だとスチュワーデスでも英語しゃべれない人とかいるから!」という、スペイン語もこなす、伊東出身ラティーノあやちゃんの言葉が頭をよぎります。これか・・・と。

 そろそろサマーホリデーに近いこともあり、英語で答えられても部屋が満室だったりと、なーかなかホテルがみつからず、ほぼしらみつぶしにホステルを当たったのですが答えはNo。唯一みつかったところも住所がバルセロナ郊外なので、安全&便利のためにも、多少お金をだしても街中がいいと判断し、ホテル探しから2時間後、憔悴しきって「どこかホテルを探してください・・・」とインフォメーションへ。
 するとインフォメーションの人は3つほど空室のあるホテルを教えてくれ、そして「役に立つかわからないけど、あそこにホテル検索機があるから、それ使ってみたら?」と。で、試しにその機械を見てみると、まず希望の値段を選べとあり、90ユーロ前後のものを選択。すると!一瞬で今現在空室のあるバルセロナ市内の90ユーロ前後の部屋がばーっと画面に現れ、アメニティやそのホテルがどの辺りにあるかなども詳しく書かれています。
 そして希望のホテルを選び、クレジットカードを差し込んでピンコードを押せば、なんと予約もお会計も同時に終了。わずか2分ですべてが終わりました。
 ていうかあの電話をかけまくった2時間はなんだったんだ!!海外ローミングで国際電話料金なのに!!インフォメーションの人も先にこの機械を教えてよ!!超便利じゃん!!

 一気に「今夜は野宿か?」の緊張感から解放されたものの、もう地下鉄やバスを探して、さらにホテルを探し当てる自信も気力もない我々は、タクシーでホテルまで行くことに(ホテルの人にもそれをすすめられた)。空港から市中心近くのホテルまでは約18ユーロ。安い!!(2500円前後)
 そして着いてみると、90ユーロにしては素晴らしすぎる、プール付きの素敵なホテル。入り口からしてエレガントで、ヨレヨレの我々が入っていっていいものかとためらうほどです。
 このホテル、インフォメーションでもらったホテルリストによると一泊180ユーロとなぜか倍の値段なのですが、我々の泊まった部屋は窓はあるものの、向かいが壁、眺めも一切なし、朝食無しだったからか、その半額。でもすごくきれいだし、バスタブもビデ用便器も完備。「とりあえずバスタブさえあれば・・・」と思っていた私には全然満足です。

 ホテルはAv. Diagonalという、北西から東南に向かって市内を走る大きな通りのすぐそばで、サグラダファミリアまでは歩いて20分、カサミラへも15分ほど、周りは銀行や役所関係のオフィスや高級インテリアショップが並ぶ、綺麗で安全なエリアで、わき道に入れば沢山カフェやタパスバーがあるという、非常に地理的にも恵まれた場所でした。バルセロナ初心者にはもってこいです。

 そんなわけで、ホテルに着いて21時。夕飯まだの我々はスペイン人の遅い夕食に習って(スペイン人は朝、午前、昼、夕食、夜食の5食なのだとか)、念願だったタパスを食べにバールへ!

 とりあえず暗いし、土地勘ないし、迷子になっては困るので、ホテルの周り500mくらいを見て回り、とある店での看板で「タパスセット」とどうやら書いてあるらしい(70%くらいしか解読できない)のをみつけ、初心者の我々はまずここをトライ。
 店の中は入ったところにカウンターがあり、長細いカウンターの向こうにキッチンとテーブル席があります。このカウンターには寿司屋のようなショーケースがあり、中にはタパス用の貝やらえび、すでに出来上がった冷製タパスが並べられていて、「これちょうだい」などとケースから注文もできるようです。
 メニューを見てもさっぱりわからない我々は、とりあえずタパスセット12ユーロなるものを。そしてスペインといえば、な、Cava(スパークリングワイン)を。(デンマークでの金銭感覚に慣れていた我々は、1本8ユーロくらいのCavaを「これグラスかな・・・」とビクビク)

 やって来たタパスセットは大皿に、オリーブ、茹でて冷やしたえび(激ウマ)、イカリングフライ、ツナの入ったミニコロッケ、ジャガイモのフライ、ムール貝のガーリックソテー、そして素揚げしたしし唐!
 私はこのしし唐にかなりはまり、滞在中目にするたび食べ、しかもお土産を買いにいったスーパーマーケットでも購入。おいしかったー。なんでデンマークで売らないんだろう・・・。

 料理を平らげてお会計をしようとバーへ行くと、そこで一人で飲んでいた男性の飲み物に目が止まり。英語をほとんど話せない彼と、なんとかボディランゲージ、時には筆談を用いて話し合い、それがカフェ・コン・カラヘイロという飲み物だということを突き止めました。
 アニスというハーブのお酒の甘口を、エスプレッソに入れたもので、味はあの強烈なラクリスなのですが、香ばしいエスプレッソで臭みが緩和され、食後にはたまらない味わいです。もちろんお土産で購入してきましたよ(興味のある方は我が家へどうぞ)。

 その後、疲れているにも関わらず、「もう一杯」を求めてふらふらさまよい、Diagonal通り沿いの高級そうなレストランのバーでサングリアを飲み、そしてホテルへ。寝る前にひっさーしぶり!にお風呂に入り、超リラックスで1日目は終了したのでした。


 

 

安心な僕らは旅に出ようぜ

2007年06月21日 | 旅の話
 先週金曜日、日本人の知り合いと飲んだ際、その中の一人に「贅沢な結婚式したいのは全部あなたの贅沢でしょ?!だったら自分で金出しなさいよ!それは当たり前!嫌だったら市庁舎でやって、私のようにお金かけないパーティにするべきね」と啖呵を切られ、別にそこまで親しいわけでもない人なのに、事情も知らずになぜそこまで言われなければいけないのかと、かなりカチーンと来たものの、そのまま特に反論もせずに帰宅。
 寝る前にヨナスと「明日は何する?」「昼までゆっくり寝て、家でゆっくりする」というような会話をして就寝。

 翌朝目覚めて、前日の彼女の言葉がどうにも引っかかり、ベッドの中で悶々と考える。

 私の母は完璧に結婚で失敗している人です。しかもそれが1度だけではなく。結婚に失敗し、障害者を含む3人の子供を女手ひとつで育て、事あるごとに「結婚する相手はよく選びなさい」とか「人生何があるかわからない、この人と思って結婚してもその人が急に半身不随になることだってある。そうなっても自分と子供の身を支えられるような仕事を持ちなさい」と子供の頃から言われ続けた私です。自分の父親のこともよく知らないし、もちろん父親らしいことをしてもらった経験なんて皆無です。そもそも父親という概念がよくわからない。

 そんな私が結婚にある程度のファンタジーを持つことは、「贅沢」なことでしょうか?

 別に有名ホテルやレストランでスモークもくもくの中ゴンドラで登場したいわけでも(いつの時代?)、100人単位のゲストを呼ぶわけでもないし、お色直しどころかドレスだって限りなくカジュアルなもの1着にしたいと思っている。
 ただ私はクリスチャンなわけで(夜勤明けで行ける朝の礼拝以外あまり礼拝行ってないけど)、きちんとしたセレモニーを教会でしたくて、それを大好きな人達に見ていて欲しい。そして忙しい中私達のために時間を作ってくれる人達のためにも、同じ日に出来る限りのもてなしのパーティを開いて楽しんで欲しい、ただそれだけです。 
 でもそれにだっていくらかのお金がかかるわけで、1本30krとかの安ワインや固いつまらない肉をだす訳にはいかないわけで、しかもそこにはパートナーのゲストだっているわけだし、「あなたの贅沢」だなんて本当に言ってほしくなかったのです。

 隣で目覚めたヨナスとそんな話をしつつ、8月から大学院に戻るため貧乏街道まっしぐらのヨナスのために、外国人労働者(しかも精神・肉体ともハードワーカー)なのに名実ともに大黒柱としてヨナスとの生活を支えざるを得ない私は、なんだかみるみる悲しく追い詰められた気分に。結婚式に妥協はしたくない(たとえそれが贅沢と言われようとも)、けどその余裕は確かにない、しかもそれが私個人の理由だけではなく。
 二人の式だし、なぜ私ばかりが負担するのか、とか(どうせ段取りやプラン設定やらは私がするのが目に見えてるし)、日本人女の妙に古臭いところを持っている私は「嫁に行くのに男の側の家族はもちろん、婿が経済的にリードするところがない」ということに、ここはデンマークだから・・・と頭ではわかっていつつも納得がいかず、そしてそんなことは当然!私の母には言えるわけがないし、で、とにかく悲しくなったのです。
 なので、来年の夏に結婚式をする予定だったのですが、それはとりあえずヨナスが大学院を出るまでは待つのはどうか、と話し合ったのでした。
 
 しかしそれを言葉にしてみたらなんだか泣けてくるし、しかもものすごいタイミングでお友達の結婚式の招待状(彼女らしく本当に心のこもった、すばらしいプラン)が届き・・・・・・。

 私はたぶん、追い詰められたり、落ちるところまで落ちると、急に吹っ切れるというか、いきなり90度くらい違う方へ思考が方向転換します。
 この日はコペンハーゲン、朝からどしゃ降りもいいところで、外へ気晴らしへ出かけることも出来ないし、だから「旅に出よう」と。この生活にまつわるすべてをかなぐり捨てて、ヨナスなんて見捨てて旅に出よう、と。

 で、がばっとベッドから起きてすぐに例のスターリンのサイトを調べ、行き先をあれこれ吟味。1日か二日程度の気晴らし旅行なので、アムステルダムやドイツ、ストックホルムあたりの近場で、と思ったのですが、コペンハーゲンがどしゃぶりだからこの界隈もきっと天気が悪いだろう、じゃあ去年も行ってある程度勝手知ったるパリはどうか・・・チケットが高い上に席がない。どうせなら温かいところがいいかも?じゃあイタリアとか?月曜日に帰ってこれる飛行機がない・・・。
 
 そしてバルセロナをクリック、するとまあ、見事にコペンハーゲン16時発バルセロナ行きの便、月曜日の19時バルセロナ発コペン行きの便が。ちょっと遠いな、週末家出旅行にしては、でもこの雨の家の中にいるのもイヤ、月曜日病棟のスタッフとホームパーティで寿司を作る予定なんだけどな、でもな・・・と悩めど時はすでに13時、チェックインまであと3時間。えーい!!とブッキング。
 
 覚悟を決めた後はもう早い早い。リュックサックに荷物を詰め、顔を洗って着替えてパスポートを持って。ガイドブックは中央駅で買えるし、ホテルはバルセロナのツーリストインフォメーションで探せばいいし。一人だからちょっといいホテルに泊まったっていいし。

 黙々と出かける準備をしている私にヨナス、「どこか出かけるの?」と。そうよ、しけた話ばかりのあなたを置いて、私はバルセロナへ行くの。スターリンのサイトを黙々と検索していた私を横目で見ていたものの、まさか今すぐに、しかもバルセロナくんだりまで行くなんて!!とヨナス驚愕。
 そして「おまえ・・・失礼だよ!!なんで・・・何も言わずに!!」と絶句。ヨナスの不思議なところとして、彼はすごく怒るときなぜか日本語で怒ります。
 「どうして一人で旅行しちゃいけないの?」と突っぱねたものの(しかもなんでこれが失礼なんだ?と)、ヨナスが絶句したまま、あまりに絶望的な様子なので、出かける15分前、チェックインの2時間半前、リュックを背中にしょって靴をはいたところで、ついヨナスに情けが・・・。「一緒に来る?」と誘ってしまったのでした。

 さすがに悩んでいたヨナスですが、一緒に来るならあと15分で準備しなきゃいけません。すぐにネットで週末に仕事が入ってないか調べ、飛行機チケットの値段を調べ・・・往復1200kr(約2万5千円)と知って「安い・・・」とニヤリ。
 そこからがまた早い早い。ヨナスが歯を磨いて荷物を詰めている間に、私がネットでチケットを予約。戸締りをして、なんと本当にすべて1時間以内に決めて旅に出たのでした・・・。

 旅は道連れ、世は情け。女友達には「彼のどこがいいの」とか「他にもきっといい人がみつかるよ」と評されるダメ男と、それを許してやっぱり好きでいるダメ女の現実逃避旅行inバルセロナはこうして始まったのでした・・・。
   

旅のテーマソングはくるり。
「安心な僕らは旅にでようぜ 思い切り泣いたり笑ったりしようぜ」ってね。

ただいま!

2007年06月19日 | わたくしごと
 無事先ほどバルセロナから帰ってきました!バルセロナは気温28度前後と、暑すぎず寒すぎず、観光には最適な陽気で、ビールもワインも大変おいしくいただけました。

 結局ヨナスがついて来たので一人旅にはならなかったのですが、また後日旅レポートおよび、いただいたコメントのお返事など落ち着いてからぼちぼちさせていただきます!

旅行好きに朗報

2007年06月13日 | デンマーク暮らしの知識
 スターリンのセールが今年も始まりました!

 私は去年このセールでパリまでなんと往復500kr弱で行ってきましたからね。安い!

 そして今回さっそく我々も予約したのですが、今回の行き先は・・・・・・・フィレンツェです!!初イターリア!!わーい楽しみ!実習が終わったその翌日に旅立つ予定です(とはいえ、去年のパリほどはチケットも安くはなかったんですが)。

 私はこのほかにも一人旅計画中。また友達を訪ねてロンドンにも行きたいし、あやちゃんの引越し先のスコットランドにも行きたいし、プラハの友達のところにも行きたいし・・・。う~ん考えるだけでわくわく!!

 このセール、17日までやってるそうなので(渡航期間は10月まで)、興味のある方は急いで~!

 

PD3終わる

2007年06月12日 | デン語習得の道
 ついに、ついに、長かったデン語習得への道が終わりました。いや、デンマークで生活する以上、デン語習得の道から反れることはできないのですが、それでもやっと試験が終わったというのはとても開放感です。

 今日は最終の口述試験だったのですが、若干成績に不満はあるものの、でもいいんです、合格したならばそれで!

 この口述試験、前もって知らされたテーマについて発表するモノローグ、先生があるテーマについて質問し、それについて答えるもの、そして3つある紙を選び、その中に書かれている5つの絵(もしくは写真)についてパートナーの学生とディスカッションをするという3つの課題があります。

 私が前もって指定されたテーマは「デンマークにおける2型糖尿病の原因」で、そちらは昨日半分寝つつ用意したにしては、まずまずだったのですが、その後先生からの質問のテーマで、パートナーの子は「あなたにとって友達とは」と実に答えやすいお題。それをふんふん、とパートナーが答えるのを聞いていたら、

「じゃあ次香苗、家庭電化製品についてどう思う?」
え?!家電?!どう思うって聞かれても!
「・・・電気?家電?と申しますと・・・?」と質問し返すと、
「あなたの家ではどんな家電を使ってる?で、どう思う?」
だから、どうと聞かれても・・・。
「えーと、パソコンとか携帯とか使ってますが・・・」
「それはなくてはならないもの?」
「ええ、まあそうですね・・・なくてもいいかもしれないけど」
「冷蔵庫はどう?」
「冷蔵庫?!ああ、それは必要ですね・・・(無いとビールが冷えないし)」
「(ちょっとじれったそうに)電気量を沢山払うこととかについてどう思う?」
ああ、そういうエコとかがテーマなの?
「そうですねー・・・でも私は日本ではもっと色んな家電に囲まれて暮らしてたのでもっと電気料を払ってました。それが普通だと思ってたので。でもデンマークでは一応日本よりエコを考えてるかな~(高いから)、こまめに電気切ったり省エネ電球にしたり・・・」とここで時間切れ。なんだったんだ、このお題は結局・・・。

 そして次は絵を選んでディスカッションをする課題。我々が選んだ絵は「お買い物」について。紙には「フリーマーケット」「オーガニックショップ」「ネットショッピング」「スーパーマーケット」「移民系八百屋さん」の絵が。
 まず始めに絵について一通り、何が書かれているかを二人で話し合っていきます。これはフリマですね~、これはネットショッピングですね~とか。
 次に書かれている絵について「そこで買い物することによるメリットとデメリット」をディスカッションしていきます。まず先に「オーガニックショップについてどう思う?」と指名されたパートナーは、「身体にい食品で子供にも安心ですが、価格が高いのでそれがデメリットだと思います」と。ふんふん、そうだよね。と思っていると、「じゃあ香苗は移民系八百屋についてどう思う?」と。えええ?!また答えにくい質問だし!メリットは思いつくけど、八百屋のデメリットって何よ?「ブラックで働きやすい」とか、なんか言っちゃいけないような気もするし・・・。

 困った私は「・・・あの手の八百屋さんは・・・買うときによく見ないと痛んでるものとかでも平気で売っているので・・・気をつけねばいけません」と何とか答えたものの、「でもそれはスーパーも同じじゃない?」と先生に突っ込まれ(痛い!)、「そ、そうなんですけど、でも八百屋さんは大量に箱で仕入れて、グラム単位で買えるのは消費者にはいいんですけど、外に品物が置いてあったりもするので、残った分が痛みやすいんです!!!」と、もう苦し紛れもいいところで、きっと審査官もそんな私に同情したことでしょう。
 しかし質問係の先生はさらに「移民のこういうお店は将来どうなっていくと思う?」としつこく移民系八百屋について質問を重ね、もう、心の中では「もうどうでもいいよ八百屋なんて!!なんで八百屋でこんなにしつこくディスカッションをしなきゃいけないんだ!!意見なんてないよ!!」とだいぶ投げやりになりましたが、なんとか切り抜け試験終了。

 八百屋のせいか、口述試験の成績は思っていたよりもワンランク下で、もちろんちゃんと説明できなかった私が悪いので、その成績については納得なのですが・・・、しかしもっと他のテーマにして欲しかったです・・・。八百屋と家電って・・・。
(これが移民系八百屋と無縁の、高級住宅街や田舎の方に住んでいる人は一体どう答えるのでしょう?)

 今後このような試験を受けることはもう無いと思いますが、やはりノアブロ住民として八百屋に負けた(?)ことは悔しかったので、これからも近所の八百屋へいくたび「デメリットは・・・」と探してしまいそうです。