看護師になって何がいいかって、食いっぱぐれない(いや、今の「ナース首切り天国」なデンマークだったらかなり食いっぱぐれるんだけど)とか、平日に休みでのんびり買い物できる(逆に言えば週末勤務があるってことなんだけど…)とか、色々ありますが、でもやっぱり私が思うに一番すばらしいと思うのは、もし自分や家族とか大切な人になにかあった時に、少しは何かできることがある、ということです。
もちろん、ドクターのように色々できるわけじゃないけど、それでも「これはなにかおかしいぞ」という時とかは、しかるべき時にしかるべき判断で対処ができる、というのは人生というサバイバルの中ではとても重要なことだと思います。
普段滅多に病気などしない私ではありますが、最近、足のむくみがかなりひどかったり(もともと浮腫みやすい体質なんだけど)、低血圧でふらふらしたり、右手の親指付け根に謎の痛みと骨?のようなものが出現したりと、なんかおかしかったので、かかりつけ医にいってみました。
そしたらもっと面倒くさいことになりましたよ。
デンマークでは引っ越したら、その住民登録をしたコムーネでかかりつけ医を決めるのですが、Taastrupに引っ越して決めた、今のかかりつけ医は女医。やっぱり男性よりも女性の方がいいと思って、それだけで決めました。
初めて彼女の診療所を訪れて彼女と対面したとき、まずビジュアル的に私の中の「怪しげセンサー」が作動。これはもう同業者としてというより、一市民として「この人怪しい」と…。
白衣の代わりなのでしょうか、まっ白のフリフリブラウスに、これまたまっ白のフリフリのスカート。さらにはまっ白のストッキングという出で立ちの彼女。年の頃は50代後半~60代でしょうか、年の割に黒々した髪は腰の辺りまで伸び、白のフリフリ&伸び放題の長髪で、そこはかとなく「貞子」なのです。
時が止まったようなスーパー70年代なインテリアの診察室で、とりあえず私の症状などを説明すると、貞子、「じゃあ血圧を測ってみましょう」と。「いや、あのでも今自転車こいで来たばっかりなのであまり正確ではないと思うんですけど…」と伝えつつ、内心は「絶対ホワイトコートシンドローム(患者が医療者の白衣で緊張して血圧が一時的にちょっと高くなっちゃうこと)でおかしくなる…」と思ったんですが、こちらの言うことも無視で血圧測定、そして「ちょっと低めだけど大丈夫、普通よ」って。やっぱり…。「自転車」&「貞子で緊張」で、低血圧なんて出ませんよ。
結局、「血液検査をしてみて、念のため他に原因がないか調べましょう」となり、その日の診察は終了。血液検査の結果は後日連絡します、とのことだったので、採決後しばらく待ちましたが、連絡なし。そのままなんだかんだで2週間経過し、親指付け根の痛みもあるし(一応「サポーター付けても痛いんです」と貞子には伝えましたが、「うーん、でもサポーターで様子みて」とまったく使えない返答だった)、もう一度受診してみることに。
2度目の受診の時も、やっぱり貞子。今回はまたしてもフリフリのまっ白ブラウスに、まっ白ワイドパンツです。いっそのこと白衣を着てくれた方がよっぽど安心なんですけど…。
で、2度目の診察。浮腫はだいぶいいんですけど、それでもたまに浮腫むと伝えると、「そうねえ、血液検査の結果はまるで正常だけど、たまに浮腫むようだったら頓服で利尿剤(降圧剤でもある)を処方しましょう」って、いや、私低血圧なんですけど?!それでも貞子は「でもこの前血圧は正常だったし」って、有無を言わさず利尿剤を処方してくれました。この簡単処方が恐ろしい。老人だったら低カリウム&ナトリウムとかで脱水起こしちゃいますよ。
で、親指付け根の痛みと骨?の突出に関しては、またしても「痛み?じゃあ痛み止め飲んでサポーターして様子をみて」と、また使えないこと言うので、「仕事でどうしても使うし、痛み止めもサポーターも効きません。同僚が救急外来で長く働いていて、この手を診て、特殊な骨折で治癒過程でこういう骨の異形成が起こる事がある、だから正しく固定して治さないと後で痛みが出るって言ってたんですけど、整形外科かどこかに紹介してもらうことってできませんか?」と聞くと、よく調べもせず「いやー骨折はありえないでしょ。リウマチかもしれないから、リウマチ専門医を紹介します」って。えー!リウマチ!?炎症反応とか正常値だし、他に症状なくて右手の親指付け根だけなのに?!
いやいやいやそれは違うでしょ、と思い「いや、あの整形外科とかじゃないんですか?」と聞いても「リウマチ科で。いつもあそこは大混雑で3ヶ月待ちくらいするけど、そこで調べてください」って!!なんじゃそりゃ!!
低血圧だって言ってるのに利尿剤を処方はするわ、他に症状ないのにリウマチ科を紹介されるわ、もう「怪しげセンサー」どころか「非難アラーム」です。
病院で働いていると、たまに「なぜこんな処方を?!」という、無茶苦茶な処方をかかりつけ医からもらって無茶苦茶な状態で入院してくる患者さんがたまにいますが、きっとこういう貞子的な医者にかかってしまったのが運の尽きだったのでしょう。
私は幸いにしてナースなのである程度「なんか違うでしょ」ということはわかるけど、おじいちゃんおばあちゃんとか何も知らずに「お医者様の言う事を聞いておこう」と疑問に思うことも無く受け入れちゃうんだろうなあ。
とりあえず、3ヶ月もリウマチ科の予約待ちをしたくないし、かかりつけ医変更という方向でいきたいとは思いますが、問題はどんな医者を選ぶか。
最近はホームページを開設している診療所も多く、これまでのキャリアや専門分野などをどんな医者かみれるようになっています。それらプロフィールをみて、いいなと思うドクターはいるのですが、そういうところはやはり人気で、これ以上患者の受け入れをしていなかったりもするので、結局新規患者受け入れをしているところとなると、貞子だったり男性のドクターだけの診療所だったりするわけで。
もうこの際、男でもなんでもちゃんと診てくれればいい、とも思いますが、同僚曰く「選ぶんだったら年齢は40~50代のドクター。若すぎずある程度の経験もあって、新しい治療とか医療の進歩にもきちんとついて行ける、そのくらいの年齢がいい」とのことなので、年齢とホームページでの人相(そして服装も…)しっかりチェックして、慎重に選んで行きたいと思います…。
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北欧娘なココも夏バテ気味。やる気なしドッグです。
トップ写真:先週収穫期を迎えたカシスで作ったジュース(濃縮版)と、H氏が庭にあるベリーを適当に摘んで煮込んだベリージャム。名付けて「男ミックス」。
もちろん、ドクターのように色々できるわけじゃないけど、それでも「これはなにかおかしいぞ」という時とかは、しかるべき時にしかるべき判断で対処ができる、というのは人生というサバイバルの中ではとても重要なことだと思います。
普段滅多に病気などしない私ではありますが、最近、足のむくみがかなりひどかったり(もともと浮腫みやすい体質なんだけど)、低血圧でふらふらしたり、右手の親指付け根に謎の痛みと骨?のようなものが出現したりと、なんかおかしかったので、かかりつけ医にいってみました。
そしたらもっと面倒くさいことになりましたよ。
デンマークでは引っ越したら、その住民登録をしたコムーネでかかりつけ医を決めるのですが、Taastrupに引っ越して決めた、今のかかりつけ医は女医。やっぱり男性よりも女性の方がいいと思って、それだけで決めました。
初めて彼女の診療所を訪れて彼女と対面したとき、まずビジュアル的に私の中の「怪しげセンサー」が作動。これはもう同業者としてというより、一市民として「この人怪しい」と…。
白衣の代わりなのでしょうか、まっ白のフリフリブラウスに、これまたまっ白のフリフリのスカート。さらにはまっ白のストッキングという出で立ちの彼女。年の頃は50代後半~60代でしょうか、年の割に黒々した髪は腰の辺りまで伸び、白のフリフリ&伸び放題の長髪で、そこはかとなく「貞子」なのです。
時が止まったようなスーパー70年代なインテリアの診察室で、とりあえず私の症状などを説明すると、貞子、「じゃあ血圧を測ってみましょう」と。「いや、あのでも今自転車こいで来たばっかりなのであまり正確ではないと思うんですけど…」と伝えつつ、内心は「絶対ホワイトコートシンドローム(患者が医療者の白衣で緊張して血圧が一時的にちょっと高くなっちゃうこと)でおかしくなる…」と思ったんですが、こちらの言うことも無視で血圧測定、そして「ちょっと低めだけど大丈夫、普通よ」って。やっぱり…。「自転車」&「貞子で緊張」で、低血圧なんて出ませんよ。
結局、「血液検査をしてみて、念のため他に原因がないか調べましょう」となり、その日の診察は終了。血液検査の結果は後日連絡します、とのことだったので、採決後しばらく待ちましたが、連絡なし。そのままなんだかんだで2週間経過し、親指付け根の痛みもあるし(一応「サポーター付けても痛いんです」と貞子には伝えましたが、「うーん、でもサポーターで様子みて」とまったく使えない返答だった)、もう一度受診してみることに。
2度目の受診の時も、やっぱり貞子。今回はまたしてもフリフリのまっ白ブラウスに、まっ白ワイドパンツです。いっそのこと白衣を着てくれた方がよっぽど安心なんですけど…。
で、2度目の診察。浮腫はだいぶいいんですけど、それでもたまに浮腫むと伝えると、「そうねえ、血液検査の結果はまるで正常だけど、たまに浮腫むようだったら頓服で利尿剤(降圧剤でもある)を処方しましょう」って、いや、私低血圧なんですけど?!それでも貞子は「でもこの前血圧は正常だったし」って、有無を言わさず利尿剤を処方してくれました。この簡単処方が恐ろしい。老人だったら低カリウム&ナトリウムとかで脱水起こしちゃいますよ。
で、親指付け根の痛みと骨?の突出に関しては、またしても「痛み?じゃあ痛み止め飲んでサポーターして様子をみて」と、また使えないこと言うので、「仕事でどうしても使うし、痛み止めもサポーターも効きません。同僚が救急外来で長く働いていて、この手を診て、特殊な骨折で治癒過程でこういう骨の異形成が起こる事がある、だから正しく固定して治さないと後で痛みが出るって言ってたんですけど、整形外科かどこかに紹介してもらうことってできませんか?」と聞くと、よく調べもせず「いやー骨折はありえないでしょ。リウマチかもしれないから、リウマチ専門医を紹介します」って。えー!リウマチ!?炎症反応とか正常値だし、他に症状なくて右手の親指付け根だけなのに?!
いやいやいやそれは違うでしょ、と思い「いや、あの整形外科とかじゃないんですか?」と聞いても「リウマチ科で。いつもあそこは大混雑で3ヶ月待ちくらいするけど、そこで調べてください」って!!なんじゃそりゃ!!
低血圧だって言ってるのに利尿剤を処方はするわ、他に症状ないのにリウマチ科を紹介されるわ、もう「怪しげセンサー」どころか「非難アラーム」です。
病院で働いていると、たまに「なぜこんな処方を?!」という、無茶苦茶な処方をかかりつけ医からもらって無茶苦茶な状態で入院してくる患者さんがたまにいますが、きっとこういう貞子的な医者にかかってしまったのが運の尽きだったのでしょう。
私は幸いにしてナースなのである程度「なんか違うでしょ」ということはわかるけど、おじいちゃんおばあちゃんとか何も知らずに「お医者様の言う事を聞いておこう」と疑問に思うことも無く受け入れちゃうんだろうなあ。
とりあえず、3ヶ月もリウマチ科の予約待ちをしたくないし、かかりつけ医変更という方向でいきたいとは思いますが、問題はどんな医者を選ぶか。
最近はホームページを開設している診療所も多く、これまでのキャリアや専門分野などをどんな医者かみれるようになっています。それらプロフィールをみて、いいなと思うドクターはいるのですが、そういうところはやはり人気で、これ以上患者の受け入れをしていなかったりもするので、結局新規患者受け入れをしているところとなると、貞子だったり男性のドクターだけの診療所だったりするわけで。
もうこの際、男でもなんでもちゃんと診てくれればいい、とも思いますが、同僚曰く「選ぶんだったら年齢は40~50代のドクター。若すぎずある程度の経験もあって、新しい治療とか医療の進歩にもきちんとついて行ける、そのくらいの年齢がいい」とのことなので、年齢とホームページでの人相(そして服装も…)しっかりチェックして、慎重に選んで行きたいと思います…。
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北欧娘なココも夏バテ気味。やる気なしドッグです。
トップ写真:先週収穫期を迎えたカシスで作ったジュース(濃縮版)と、H氏が庭にあるベリーを適当に摘んで煮込んだベリージャム。名付けて「男ミックス」。