9:46の湘南新宿ラインに乗るつもりだったが、鶴見駅で人身事故があったとかで、ダイヤはメチャクチャ。京浜東北根岸線は全線でストップ。開通したばかりの上野東京ラインも機能せず、東海道線も横須賀線も直通運転は取りやめて、すべて東京駅で折返し運転している。
そんな中で9:43発の宇都宮行始発電車が出発するというアナウンス。ラッキーとばかりに乗り込んだ。50分近く遅れての発車という。乗ろうと予定していた電車とほぼ同時刻の発車である。こんな御誂え向きはない。如何に日頃の行いがよろしいか、しみじみ感じ入ったものである。
ところが…
物事はそう単純ではない。
新川崎までは順調だったが、その後がいけない。駅と駅の間に止まっては尺取り虫の如くちょっとだけ進む。そのくり返し。挙げ句の果てに、湘南新宿ライン経由の宇都宮行のはずが品川行に変更されてしまった。
大船ー品川間は東海道線なら35分である。それが何と3倍の90分もかかってしまった。
通常は通り過ぎるだけの東京駅での折り返しになったため、折り返しに時間がかかる。にもかかわらず、次々に電車が東京駅を目指すものだから、捌けぬ道理である。
結果、東京駅を前にして糞詰まり状態に陥ったのである。
西大井を出れば、湘南新宿ラインの線路にスルーできるのだが、それすら叶わない。
二進も三進もいかなくなった挙句に行き先を変更するなどはもってのほかである。利用者を馬鹿にするのにも程がある。
実にけしからん。
そもそも、長い距離を直通運転すれば、こういうリスクは当然増えるに決まっている。直通運転開始によって東海道線利用者の利便性が向上したという話は聞かない。
疲れて帰る勤め人の帰宅時の座席確保の確率は大幅に落ち込んだそうである。不満が渦巻いているのが現状なのである。
仕方なく品川で山手線に乗り換え、予定外の新幹線経由で宇都宮へ。発車間際のやまびこに飛び乗った。やれやれである。
春休みのためか、車内は混み合っている。空いている席を探して車両を越えて歩いていて、ふとズーッと後をついてくる子どもの2人連れに気がついた。
この時はさして気に留めたわけではないが、席に座って一息ついた後、トイレに立ったところ、デッキでリュックサックを背負ったまま突っ立っている小学生の兄妹に目が止まった。
親と一緒ではなかったらしい。
ちょっと気になったものだから、どこまで行くの?と声をかけたら「北上です」と兄が答える。
遠いじゃないの? 座らないの?と聞くと「いいです」という。それにしたって2時間半超だぜ。
「ついておいでよ。空いてる席があるよ」と言って手招きしたら、妹が兄を促して付いてきた。
おじいちゃんおばあちゃんのところに行くの?と聞いたら、妹がコクンと首を縦に振る。兄が6年生になるところ、妹が4年生だろうか。
3人掛けの2つ並んで空いていた席に座らせたら、ホッとした様子であった。しばらくするとゲーム機を取り出して遊び出し、車内販売のお姉さんからオレンジジュースを買って喉を潤していた。
発車間際の新幹線に飛び乗るなんて、通常では考えられない。この2人も東京へ来る途中であのダイヤの大乱れに遭遇し、余裕を持って家を出てきたのに、とんだ目にあったに違いない。
喉だってカラカラに乾いていたはずである。
それにしても、よく目指す列車に乗れたものである。あるいは目指す列車はとっくに出てしまい、指定席もフイになり、駅員に聞いてこの列車に乗り込んだものか。自由席というものに対する理解まで気が回らなかったんである。立っていても乗りさえすれば着く。そう考えたのだろう。心細かったはずである。
宇都宮では、じゃあ気をつけてね、と言って別れたが、しっかりしたお兄ちゃん振りだったし、妹も負けずにしっかりしていたようだから無事についたことだろう。
いいなぁ、春休みの大冒険。北上の春はまだ浅いんだろうなぁ。
姫の家の東側のサクラは満開であった
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