平方録

姫の全力投球

暖かい日が続いて北関東の宇都宮のサクラもだいぶ見頃になってきた。
前日は2、3分咲きだったものが一晩明けると5、6分咲きになっているのだから驚く。
姫の入学式は4月10日だから、その頃はすっかり葉ザクラである。

暖かな陽気に誘われて、退屈しきっている姫と2人、自転車で鬼怒川の堤防の上のサイクリングコースを2時間ほどサイクリングしてきた。
中流域の河原はだだっ広く、ヤブなどに遮られて川の本流が見えないくらいである。
その藪からはウグイスの声が盛んに聞こえてくる。
鎌倉ではあまり鳴き声を聞かないが、高い空からはヒバリのピイピイと甲高く鳴く声が降りかかってきて、実にのどかである。

子ども用のギアも付いていない自転車を一生懸命こいで、息も切らさず、疲れも見せないのだから大したものである。
幼稚園では縄跳びを104回も跳んでぶっちぎりで優勝したばかりだが、この日は136回も跳んで「やった~」と大声を出して喜ぶ。近所では大きな声を出しながら元気よく遊んでいるためか「◯◯ちゃんは元気ね~」とよく言われ、母親はその度に「うるさくてすみません」と謝ると、「そうじゃないのよ。私が元気をもらっているのよ」と言われるんだそうである。
それくらい、何をするにも元気一杯、全力投球なのである。
小学校に上がって、勉強の方もこんな感じで全力投球ができれば素晴らしい。

姫とは湘南海岸の太平洋岸サイクリングコースを一緒に走ってみたいものである。
ウグイスやヒバリの声の代わりにトンビやハマチドリの声くらいしか聞こえてこないが、景色は広々、清々していて、色といえば海と空のブルーと松の緑くらい。たまには真っ白な雲が浮かんでも3色しかない世界だが、川とはまったくスケールが違っているから、姫も気にいるはずである。
問題は自転車をどうするかだ…



下流に向かってルンルンとペダルをこぐ


ヒバリの声が降りかかり、土手にはスイセンが咲いている
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