二つともプラスチックの仮の鉢に入れたままだったので、安住先の新居に引っ越したわけである。
ここで養生してもらい、初夏に備えてもらうのだ。
「流鏑馬」は鎌倉で誕生したバラで、赤みがかった濃いピンク色の花を咲かせ、芳香と相まって、それはそれは魅力的な花である。
といっても、今年はたった1輪咲いただけである。
しかし1輪だったがゆえに、愛おしくもあり、かけがえのないもののように感じられたのである。
それも蕾を見つけてから花が開くまで、ふた月くらいかかったんではなかろうかと思えるほど、じっくりじっくり蕾を膨らませ、じkっくりじっくり花弁を開いて行ったのである。
サクラと同じ種属の植物とはとても思えない、大器晩成型である。
片や「ゴールデンフラッシュ」。イングリッシュガーデンの苗売り場の片隅に置かれていたものを、通りすがりに、やけに鮮やかな黄色いバラが咲いているのが目のふちに飛び込んできて足を止め、しげしげと眺めたら伝統的な半剣咲き、高芯咲きともいうべき花の形と色合いに一目ぼれして購入した株である。
しかも見切り品のように半額程度で売られていたのは実に好都合で、私の手元に来る運命にあったとしか思えない。
移植に際しては、一輪だけ残っていた蕾を切り取って一輪ざしに挿して食卓に置いたから、正月すぎには多分、咲いてくれるだろうと楽しみにしているのである。
この植え替え作業でハタと迷ったのが、移植に際してはせん定も同時に行ってしまい、葉はすべて落としてしまった方が良いのかどうか、という点である。
鉢植えのせん定にはやや早いような気もするが、養生を兼ねればせん定してしまっても良いような気がするのだ。
迷った時、分からない時は師匠に聞けばよい。
わが師匠は横浜イングリッシュガーデンの河合伸志スーパーバイザーである。
何たって最強の師匠である。
携帯電話に電話したところすぐに出てくれて、堆肥と腐葉土と赤玉土を混ぜた土に元肥をたっぷりと施したところに植え、邪魔な枝は切っても良いが、せん定は2月で十分、日当たりの良いところに置いて水やりを忘れないように、と明快な答えが返ってきた。
鉢植えのバラは「空蝉」「ノリコ」と試験栽培中の名無しの3種類があるが、出来れば年内に用土替えを行って成長を促したいと思っている。
このほかに地植えが3種5本、つるバラが9種9本あって、バラ邸ならぬ“バラ小屋”くらいの様相にはなってきた。
カレル・チャペックではないが、園芸家のまねごとは忙しいのだ。
移植を終えた「流鏑馬」(右)と「ゴールデンフラッシュ」
「流鏑馬」(上)と「ゴールデンフラッシュ」。いずれも今年11月。
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