雨さえ混じり、満開の花もたまったものではなかったろう。
この土日ははらはらと散りかかる桜吹雪でも見られるかと思っていたが、はかない夢と散ってしまったようである。
春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり 西行
毎年のことではあるけれど…
憲法9条を無視し、あまつさえ国民大多数の懸念も顧みず、集団的自衛権行使に血眼になり、どうしたってアメリカのご機嫌を取ろうとしているとしか見えない政権の異常ぶりばかりが際立つのだが、そんな狂気じみた偏愛ぶりを彼の地の人々はどう見ているのか。
興味深い巻頭インタビューを某雑誌で見かけた。
インタビューの相手は民間のシンクタンクの副所長でレーガン大統領の特別補佐官や国家安全保障会議のアジア部長を務めたことのある人物である。
―5月にアベ首相が訪米することについて
「今回の訪問に米国ではだれも関心を払っていないし、興味もない。私自身はアベ首相が米議会で演説することについて戸惑っている。戦後70年間の平和の歩みについて語り、日米同盟の果たしてきた役割を強調すると言うが、そんなことにいったいどんな価値があるのか。少なくとも米国のメディアはなんらニュース価値を見いだせないだろう」
―オバマ政権はなぜこれほどアベ政権に冷淡なのか
「集団的自衛権の行使容認や武器輸出解禁など米国からの要望にこたえようとしている。しかし、これは宿題のようなもので、クリアしたからと言って褒め称えられるようなものではない。一方で、オバマ政権はアベ首相の言動の端々に見える強硬な保守色に警戒している。どんなに米国が与えた課題をこなしても、戦前の日本に回帰するような動きをすれば、米国からは歓迎されない」
―外交政策でも日米の温度差が目立っています
「対中政策についていえば、米国は日本と組んで中国に対峙しているわけではない。ピボット外交は日本のために中東からアジアへと軍事力をシフトしたのではなく、米国と中国のバランスを考えた結果に過ぎない。米国ではアベ首相の外交政策はほとんど評価されていない。特に、中国や韓国との余計な摩擦を生みだしていることについて懸念している」
―アベ首相とオバマ大統領の関係は今後改善するのだろうか
「仮にオバマ大統領との会談が成功裏に終わっても、帰国してから靖国神社に行けば台無しになる。すでに米政権内では『アベはトラブルメーカー』と認識されている。戦後、日米安保がアジア地域の安定に寄与してきたことは事実だ。しかし、アベ首相がしていることは逆に不安定化要因を増やす行為。今後中国との緊張関係が日本の手に負えなくなった時に、米国に泣きつこうというのは甘い考えだ。都合の良い時だけ頼るのであれば、米国は日本を突き放すことも十分に考えられる。オバマとアベがいくら口先だけで日米安保の重要性を説いても意味はない。そうした意味で日米同盟はどんどん形骸化している」
これが日本に対するアメリカのごく自然で当たり前のスタンスなのだろう。
集団的自衛権行使の宿題云々などは聞き捨てならないが、彼我の立場を考えれば当然そうなるんだろう。
そんな相手に抱きついて無理やりキスしようとしたって駄目だよな。
愛しちゃくれないどころか、二度と会ってもくれなくなるよ。
「戦後レジームからの脱却」などと大きな声を挙げておきながら、そのレジームを作り上げたアメリカに頼り、抱きつこうとしている姿は自分自身じゃ見えないのかね。
もし鏡に映る自分のその姿を見たら、おぞましさに身もだえするんじゃないかと思うんだが…
自身の政権の延命ばかりが気になるとみえる。そんな図式で憲法まで変えてしまおうという魂胆には節操も知性も国を愛する気持ちも感じない。
しかも、国会で十分な議論もしていない。国民を裏切る行為じゃないの。
わが家から見える小高い丘に点在するヤマザクラ。昨日の風雨でどれだけ花を保っているだろう…=2015.4.02撮影
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