聞きなれない鳴き声で、とても澄んでいる。音色は一色ではなくてさまざまに変化していく。複数の鳥がさえずっているのかと訝るほどである。一度さえずりだすとなかなか鳴き止まない。しかも大きな鳴き声である。
近くの林の中を歩いていてこのさえずりに出会うことも増えてきた。
音色は良いのだが、大きくて長く続くから、時によっては「うるさい」「やかましい」と感じることもないではない。
はて、何という鳥がさえずっているのか、と思っていたらひょんなことから名前が分かった。
「画眉鳥」というらしい。「がびちょう」
インターネットで調べてみたら、中国南部から東南アジア北部にかけて生息し、体長は22~25センチ、体色は全体的に茶褐色で地味、目の周りとその後方に眉状に伸びた特徴的な模様を持つ、とある。さらに、ウグイス、オオルリ、サンコウチョウなど他の鳥のさえずりをまねることがあり、地上採食性で地上を走りまわって昆虫や果実を食べる、とも。
なるほど、さまざまな鳥の声に聞こえるわけである。
中国では非常にポピュラーで一般的に飼育されていて、鳴き声を楽しむ鳴き合わせ会も頻繁に行われている、という。
中国では好まれ、親しまれているようである。
ところが、驚いたことに「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で「特定外来生物」に指定されている。しかも、日本生態学会なるところが、日本の外来種の中で特に生態系や人間活動への影響が大きい生物を「侵略的外来種ワースト100」としてリストアップしていて、鳥類のトップに挙げられている。
何かお尋ね者の大悪人のようではないか。
緊張感漂う「侵略的」というのも何やら今日的か。集団的自衛…、いやいや鳥の話だった。
今のところ生態系への被害は確認されていないというが、里山の生態系においてツグミやシロハラ、アカハラなどを駆逐してしまう恐れなしとは言えないのだそうだ。よってお尋ね者の身であるから飼育は禁止である。
覚えていないけれど、1970年代に飼い鳥ブームとやらがあり、安価なため大量に輸入されたが、ブームが去って放鳥された個体が定着したのが発端だという。
2003年8月の地元の新聞で「森の中でよく響く美しい声で鳴く鳥は何か?」という質問に県立生命の星・地球博物館の学芸員が答えているが、神奈川県では1995年に県北の藤野町で初めて確認されて以来急速に分布を広げ、丹沢や箱根を中心に生息していると書かれている。
20年で鎌倉・三浦半島あたりまで分布を広げたということか。
美声の持ち主ではあるけれど、音色はなかなか複雑なんですなぁ。がび~ん!
画眉鳥。くちばしは黄色。眼鏡をかけているようでもある
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