平方録

ネズ公の楽園にしてたまるか

招かざる客が1階のベランダに出没するようになった。
まだ、この目で確かめてはいないが、妻が証拠写真の撮影に成功した。

その画像を見る限り、体長15、6センチくらいか。尻尾は写っていないが、毛並みはつやがよさそうである。
ねずみ年の生まれだが、はっきり言って本物は嫌いである。
第一、見た目が美しくない。
ドブネズミ色とかネズミ色の空とか、ダサいサラリーマンを指してドブネズミルックとか、形容される際のイメージは悪いものばかりである。

自分で言うのもなんだが、生まれつき性格はひねくれ気味である。だから、これほどまでに評判の悪い動物の肩を少しは持ってあげてもよさそうなものだが、こいつばかりはそんな気を起させない。
ディズニーはどうしてこの動物をあんなに愛らしく描いたのか。その気が知れない。
干支の一角を占めているのも不思議でならない。

妻と娘の目撃者2人によれば、ベランダのたたきの上を歩きまわっているという。
2、3年前にウッドデッキを取り去って土盛りした上にテラコッタのようなタイルを敷き詰めた。
家の土台に当たる部分に通気口が空いていて、施工業者は通気口に空気が流れるように、律儀に3か所にわざわざ穴を開けて行ったのである。
通気口には間隔の狭い鉄柵がついているから、その中には入れないはずである。土盛りと土台の間にスペースをつくって住み着いたようである。
ナンキンハゼやカツラの落ち葉の一部を穴の中に落としておいたのが良くなかったのかもしれない。
格好のベッドを提供してしまったのであろう。

こんなところでネズミ算式に子供を増やされたりしたら一大事である。
第一、何を食べて暮らしているんだ。
ベランダや庭では花を咲かせて楽しんでいる。当然、苗も育てている。
球根や苗をかじられたりしたら、たまったものではない。ネズミに食糧を与えるつもりで花を栽培しているわけではない。
花の間を歩きまわってほしくもない。

証拠写真を撮った妻は、ベランダで動く姿を認めてネズミだと認識し、そうだ写真だ! と、カメラを取りに戻ったに違いない。
そして現場に戻り、デジタルカメラの電源を入れ、カメラを構え、撮影したのである。
これら一連の動作を勘案するに、とても一瞬の出来事ではありえない。
その間、ネズ公は我が物顔であった、といえる。

妻は青い顔をしていた。無理もない。
とりあえず、通気口のところに開いた3か所の穴は直ちに塞いだ。
どこにも出口はないはずである。





ネズ公の証拠写真
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