平方録

また坂道を上る羽目に

いつの間にか秋分を迎えてしまった。
まぁ、地球が正確に天体運動を続けている証拠だから、がっかりするには当たらない。むしろ喜ぶべきことだろう。
こうしてやり過ごしていけば、やがて冬至に至り、春分の日を迎えて夏に近づくのである。
しばらく我慢の季節で、できれば冬眠してしまうか、南半球に移動して暮らしたい気分である。

今日は10時までに新橋の東京支社まで出向かなければならない。
8月に開いた環境映像祭の反省会を開くんだそうだ。協力してくれたNPOが東京にあるため、便宜を酌んで新橋にしたようである。
9時前の電車に乗らなければならない。
ラッシュのピークは過ぎているとはいえ、この時間帯の電車も混んでいる。おまけに長かった連休明けである。人の動きは普段より多いだろう。
それでなくても、もう身体はなまってしまっているんだ。憂鬱だなぁ。

連休に浮かれる立場ではないのだが、余りによい天気だったので海岸沿いを自転車で走り、目新しいコースをと、大磯から内陸に入り湘南平をぐるりと一周して戻ってきた。
距離は62キロ。大磯界隈ではもうキンモクセイが香っていた。
旧吉田茂邸から海岸線を離れ、城山公園をぐるっと迂回する道を辿った。
道の続く方角の先で重なり合う丘陵が途切れていて、これなら坂道を登る必要もないだろうと踏んだのである。
道がまっすぐに伸びていれば、その通りだったのだろうが、人が住みついている場所は平地ばかりとは限らないのだ。
平らなところは田畑で、いつしか道は人の住む高台へと折れ曲がって続くのである。ああ無情、なのだ。

それでも選択肢は残るもので、少しでも傾斜のゆるい道を辿ると城山運動公園前のトンネルに出た。
ここも上り坂だが、見たところ大したことは無さそうなので、トンネルを抜けて見る。いきなり雪国に出てしまったらどうしよう。着るものが…
しばらく進むと標識が何本か建てられていて、そのうちの北を指している1本に「谷戸観音」とある。
うむ、谷戸ならそれほど登らなくて済みそうだ、という思いで向かってみることにした。

確かに谷戸が奥まで続いていて、田んぼになっているのだ。しかし、500メートルと標識に書かれてあったが、行けども見つからない。
標識を見逃したらしいが、そのうち谷戸も尽きてしまい上り坂になってきた。行けども行けども上り坂は終わりにならない。むしろ急坂となってくねり始めるのである。
こういうとき、さっさと引き返せばいいものを、怖いもの見たさというわけでは決してないのだが、どこまで続いているのだろう、とか、最後までやり遂げないで途中から引き返すなんて男らしくないよな、などという声が聞こえてきてしまう。
急な登りになってからは一番軽いギアにして、15分くらい漕ぎ続けたろうか。最近では数少ない手強さだったが、ペダルを踏みさえしていればいずれ上りきれるものなのだ。ゆっくり上っていけばいい。時間が解決してくれるのだ。
ヒノショーヘーはどうして、あんなにゼイゼイハアハさせながら息も絶え絶えになるのだろう。

坂を避けつつ、いざ目の前に現れてみると、これがなかなかしっぽを巻いて退散するというわけにいかないのが、自転車における坂道の存在なのである。
最近では最後まで漕いで上り切れなかったのが、逗子の大崎公園に続く坂道と大磯の岩松寺脇の坂道の二つ。手も足もじゃなくて、わが脚力ではとても太刀打ち不能だった敗北の記録である。
と言いつつ、坂道が現れてしまうと、仕方なく苦笑いしつつ上り始めるのである。不思議なんだよなぁ。

名誉のために付け加えておくが、銭洗い弁財天前の坂は最後まで上りきれるのである。あの坂も結構な傾斜なのだ。




海の家の撤去が進む片瀬西浜から、久しぶりに富士山と丹沢山塊が見渡せた


午前中の相模湾がキラキラ輝いているが、明らかに真夏の光り方とは違っている


湘南平をぐるっと一回りして、内陸側から見たテレビ塔


すっかり秋の風情の花水川河口
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